『Precious』2月号では、『これからの「美しい暮らし」』と題し、自分らしい美学と個性(=ラグジュアリー)をもっと極めたライフスタイルを提案しています。

特集の中では、「美学のあるインテリアづくり」をテーマに、アート・グリーン・チェア・カラー・ライト・コージー コーナーという6つのキーワードから、美しい空間づくりの秘訣をスタイリストのchizuさんに詳解してもらいました。

今回はその中から、「チェア」と「カラー」にまつわる楽しみ方についてお届けします。

chizuさん
スタイリスト
九州生まれ。スタイリストとして40年以上のキャリアをもち、パイオニアとして食、インテリア、ジュエリー、コスメと幅広い分野の雑誌、コマーシャルで活躍。店舗開発、商品開発にも携わる。著書に『私をぐっと素敵に見せる大人のおしゃれのひとさじ』(PHP研究所)。

美意識が凝縮された名作チェアを飾る楽しみ

家具_1
椅子/左から へーリット・トーマス・リートフェルトの『ブラック レッド アンド ブルー』[幅65.5×奥行き84×高さ87.5、座面高33cm]¥583,000(カッシーナ・イクスシー青山本店<カッシーナ>)、倉俣史朗の『シング シング シング』[幅52.5×奥行き60.7×高さ85.8、座面高44cm]¥687,500(センプレ ホーム)、ノーマン・チャーナーの『チャーナーチェア』[幅67.3×奥行き54.6×高さ80、座面高45.7cm]¥286,000(ザ・コンランショップ)、コート掛け『トランペット コートスタンド』[高さ200×直径64cm]¥156,200(スカンジナビアンリビング<メーター>)、木のおもちゃ¥3,080(リビング・モティーフ)

時代を超えて愛され、大切に受け継がれる椅子は、佇まいがどこか人に似ています。つくり手の思いや哲学が色濃く息づき、今にも語りかけてくるような気配があるのです。それぞれ誕生した年代のムーブメントの影響を大きく受けているにもかかわらず、流行の枠組みに属すことなく、永遠に鮮度を保ちます。

いずれもボディラインのようにシルエットが美しいのです。例えば、この倉俣史朗とノーマン・チャーナーの椅子がそう。

「そこにあるだけで様になる。そんな名作椅子は愛でるに限ります。アートを飾るように、いちばん映える『場』を探して、眺めるだけでいい」とchizuさん。

『座らない椅子』がつくり出す美しい空間を、日常から切り取ってみては?

一幅の絵のような『座らない椅子』のある風景

倉俣史朗の椅子『シング シング シング』
前脚だけで支え、座面とアームのカーブの組み合わせが絶妙な倉俣史朗の椅子『シング シング シング』[幅52.5×奥行き60.7×高さ85.8、座面高44cm]¥687,500(センプレ ホーム)
ノーマン・チャーナーの『チャーナーチェア』
スカートのウエストのくびれと大きくふくらんだリボンが官能的で優雅なノーマン・チャーナーの椅子『チャーナーチェア』[幅67.3×奥行き54.6×高さ80、座面高45.7cm]¥286,000(ザ・コンランショップ)

服やメイクを選ぶように鮮やかな色を効果的にあしらう

イタリアンレッドのソファに腰掛ける女性
心地よい午睡へと誘うソファは、1972年の登場以来、長く愛されてきたもの。マリオ・ベリーニの2人掛けソファ『レ・バンボレ’07』¥984,500・同オットマン¥320,100・アームレスト付きチェア『ヴォロ ヴァン』¥249,700・アントニオ・チッテリオのテーブル『フランク』¥216,700(B&B Italia Tokyo)、インゲヤード・ローマンのプレート『POND』¥8,250(コッテ アンド コー〈オレフォス〉)、ポール・ヘニングセンのフロアランプ『PH 80』¥161,700(ルイスポールセンジャパン)、「インターロッキングG」モチーフのカーディガン¥308,000・Tシャツ¥107,800・パンツ¥154,000・リング 各¥68,200(グッチ ジャパン)、眼鏡¥47,300(ケリング アイウエア ジャパン<グッチ>)

インテリアは大きな買い物ですから、色の冒険はためらいがち。でもchizuさんは、鮮やかな赤を選びました。

「モダンで美学のある暮らしをイメージしたとき、装うようにエレガントにインテリアを選ぶ…というルールを取り入れました。赤は女性を官能的に魅せる色。そしてコンテンポラリーアートにもよく使われる、モダンでとても美しい色です。部屋に赤が入るだけで印象が変わります!」とアドバイス。

そしていい意味で緊張感のある色は、リラックスしていてもどこか高揚感があり、『きれい』を意識できるから、使わない手はありません。

とびきりモダンな差し色『赤』は黒でさらにラグジュアリー感際立つ

マリオ・ベリーニの2人掛けソファ『レ・バンボレ’07』
マリオ・ベリーニの2人掛けソファ『レ・バンボレ’07』¥984,500・アントニオ・チッテリオのスモールテーブル『フランク』¥216,700(B&B Italia Tokyo)、プレート『POND』¥8,250(コッテ アンド ユー<オレフォス>)、その他/私物

洋服のように黒を基調にしたインテリアの差し色にすれば、取り入れやすく、赤がラグジュアリーさを増す。

※掲載した商品は、すべて税込み価格です。

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PHOTO :
川田有二
STYLIST :
chizu
EDIT&WRITING :
藤田由美、喜多容子(Precious)
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