輝き続ける人の「美のルール」
『Precious』3月号では、『輝き続ける人の「美のルール」』と題し、いくつになっても、いつ会っても、変わらず輝き続ける人たちの「美のルール」を特集しています。
鏡の中の自分は変わっていないつもりでも、肌や体は日々、確実に変化しています。年齢と共に、ぶれない自分を育む一方で、責任や背負うものが増え、心は揺らぎがち――。
そんな自分自身の現実と向き合うことは、実は一番、きついことだったりもします。
けれど、揺らぎやすい年代においても、つねに「変わらないね」と言われる人がいます。同じように年齢を重ねているはずなのに、会わなかった月日を感じさせない肌ツヤ。若づくりをしているわけではないのに、いつも新しく、素敵な印象。
面立ちに現れる知性ある美しさ、そして生き方は、ドレスにもデニムにも寄り添い、いつの時代も人々を魅了する、エレガントなパールのよう。
いくつになっても、いつ会っても、変わらず輝き続ける人たちは、日々のセルフケアでも、自分らしい心地よさを積み重ねていました。彼女たちの「美のルール」に触れると、今の自分がより、愛おしくなりそうです。
今回は、女優の水野美紀さんへのインタビューをお届けします。
今を受け入れて、少しだけ、丁寧に|女優・水野美紀さん
コメディからシリアスまで幅広く演じ、俳優として、誰にも、何にも似ていない存在感。47歳という年齢を確かに重ねているのに、水野美紀さんにはいつ見ても変わらない、洗練された美しさがあります。
悩み、迷いながらも、輝き続ける水野さんが今、感じていること――。
清潔感を失わないようにこまめに手を掛ける
表情はしなやかで凛々しく、そのすっきりとしたフェースラインもスタイルも変わらない。冷たい飲み物はとらない、体を動かす、薬膳を取り入れる……など、これまで健康と美容を意識した生活を続けてきた賜物かと思いきや、目下、肌や体の変化を如実に感じているという。
「肌は、保湿してもすぐに乾燥します。出産後、2日に1回しか化粧水をつけなくてもなんとかなっていた頃とは大違い(笑)。顔はげっそりしがちなのに、体型は放っておくとどんどん丸みを帯び、着ていた服が突然、似合わなくなったり。これも老化なのかと実感しています」
それでも、美容液から始まる保湿ケアを続けている肌は、年齢や疲れを感じさせないツヤがあり、単に若く見えることとは違う透明感と気品をまとう。
「シミやシワがあっても、肌が潤っている人は健康的で美しく感じます。どこかみすぼらしく見えてしまわないよう、エチケットとしても保湿は必死です(笑)。いつも輝いて見える人は、自分に無理のない範囲で手を掛けていて、清潔感がある気がします。家も築50年を過ぎればメンテナンスが必要になってくるのと同じで、肌や体もケアしてあげないといけないし、筋トレをすればまた筋肉がつくように、手を掛けてあげれば少しずつ変わっていける。今の自分を受け入れて、清潔感を失わないように、変化と前向きにつき合っていけたらと思っています」
本当の美しさは、素肌がきちんと潤っていること。自分を築50年の家だと考えると、こまめにメンテナンスをしてあげたいと思う
一方で、まつげエクステなど、アラフィフになって「似合わなくなり、やめた」ものもある。違和感を覚えたら、それまでのスタイルに固執せず手放す潔さも、水野さんの洗練された美しさを育む。
食生活では、健康も美容も「体の中から」という思いから、「いちにちいちスープ」を実践。野菜がたっぷりとれ、体を温めて巡りを良くするスープに、ときには漢方食材を使うことも。
「薬膳スープで生理痛が落ち着いたりと、自分なりに効果を感じてから、クコの実や松の実、なつめなどは常備し、スープに入れることも。疲れたときは、鶏ガラスープに高麗人参などの食材を使ったスープをつくって飲んでいます」
心も体も健康であることが美しいと考えるなかで、仕事ではキャリアを重ねるほどプレッシャーは大きくなり、気持ちが揺らぐことも。心のケアのために意識しているのが「自分を過信しない」こと。
「私が最年長である現場も増えましたし、年齢的にもできて当たり前と見られるので、仕事では新しい挑戦が怖くなることもあります。期待に応えられなかった日は落ち込んだ気持ちを引きずることも。年齢と共に、できること・できないことが明確になってきているので、自分に高いハードルを課さず、合格点は低めになりました。今はできたことに目を向け、できることを増やしていけたらと思っています」
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 戸田嘉昭(パイルドライバー/静物)、石倉和夫(人物)
- STYLIST :
- 押田比呂美
- HAIR MAKE :
- 面下伸一(FACCIA)
- EDIT&WRITING :
- 松田亜子、五十嵐享子(Precious)