リアルなコレクションが多数復活して、ファッションの賑わいが本格的にカムバック!2022年春夏コレクションでは、華やかでパワフルなルックがランウェイを席巻しました。

デジタル配信などで早くも目にできるその情報には、若々しい着こなしも目立つからこそ、大人にふさわしいトレンドの取捨選択が問われるシーズンに。

『Precious』3月号では、『大人が着るべき「春夏トレンド」』と題し、確かなセンスで評判の7人のおしゃれ賢者に、プレシャス世代は何を選び、どう着こなすべきか伺いました。今回はその中から、ファッション ジャーナリストの藤岡篤子さんから指南いただいた、大人が着るべき「春夏トレンド」をお届けします。

藤岡篤子さん
ファッション ジャーナリスト
(ふじおか・あつこ)毎シーズン世界4都市で行われるコレクションを現地取材し、トレンド情報を分析。大人の女性の参考になる提案に信頼が寄せられている。輝きアイテムは、自身も既に展示会でキープずみ。

「セレブレーション気分溢れる『輝きと艶』で大人の洗練に魔法をかけて」ファッション ジャーナリスト・藤岡篤子さん

2022年の春は、輝き、光沢が喜びの光を放つ季節。コレクションは、長かった自粛期間から解放され、これから迎える新たな日常への興奮と高揚感を映し出すような祝祭感で溢れていました。おしゃれして、みんなと会いたい、集いたい、生きていることを楽しみたい。そんな気分が会場にもファッションにも盛り上がっていました。

それを象徴したのが、カラフルな色使いと輝き。キラキラと派手なパーティ感覚も特別感があって心惹かれましたが、最も気になったのが、サマーセーターや靴等、日常使いのアイテムが同系色や小さなスパンコール、メタル、ラメ糸、ビーズなどで彩られ、ひそやかに、まるで砂金のような品のよい輝きを放っていたこと。なんて新鮮なんだろう。実用的なファッションが光沢を放つことで新たな表情をもちはじめています。

新しい時代に一歩足を踏み出そうとするとき、まだなじみのあるファッションを身につけながら、少しだけ、新鮮さを取り入れたい。そんなためらいながら前進する気分にぴったりの提案でした。

ライトグレーなどのニュートラルカラーからゴールド、シルバーなど多岐にわたりますが、身につけたいのは、身体や服と同化するような輝き。動きにつれて光が反射して、雰囲気を変え、煌めくフリンジやネットから素肌がのぞく。なかでも、王道をゆくのがシルバーです。

ニットの編み地など凹凸のある表面感のなかで、光が見え隠れする控えめな輝きは、はっと振り返らせる魅力があります。磨き上げられた個性をもつプレシャス世代には、うってつけの、優美さではないでしょうか。[文=藤岡篤子]


【GUCCI】

グッチのスパンコールビジューニット
ニット¥451,000(グッチ ジャパン)

ビジューとスパンコールが交互に並び煌めくハイネックニット。これ一枚で装いが旬にアップデート。

グッチのパンプス
靴[ヒール3.5cm]¥170,500(グッチ ジャパン)

高揚感満点のビジュー×黒ベルベットのスリングバックパンプス。ローヒールの程よい抜け感も今のムード。

【VALENTINO GARAVANI】

ヴァレンティノのバッグ
バッグ¥704,000[縦16×横25×マチ10cm](ヴァレンティノ ジャパン〈ヴァレンティノ ガラヴァーニ〉)

大小のラインストーンと「ローマンスタッズ」の輝きがプレイフルに相乗。エレガントにもカジュアルにも効く。

【BRUNELLO CUCINELLI】

ブルネロクチネリのスパンコールワンピース
ワンピース¥509,300(ブルネロ クチネリ ジャパン)

星のようにランダムに配されたスパンコールが、佇まいを優雅に演出。精巧なメッシュニットも洗練を醸して。

【BOTTEGA VENETA】

ボッテガ・ヴェネタのシルバーニット
ニット¥231,000(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)

繊細なシルバーヤーンで編まれた、ゆるやかなフォルムのプルオーバー。袖や前身頃のフリンジから、小粋に肌がかいま見えて。

※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

 

PHOTO :
佐藤 彩
STYLIST :
金井あい
WRITING :
藤岡篤子
EDIT&WRITING :
長瀬裕起子、喜多容子(Precious)