2016年にスタートした「オリエンタル」は、イタリアやフランスなど、国内外の様々なブランドのシューズ製作を請け負う老舗ファクトリーが興したオリジナルブランド。ファクトリーとしての歴史は古く、1947年の創業以来、70年余に渡り培った卓越した技術と叡智はオリジナルブランドにも多分に活かされている。また、『ワールド フットウェア ギャラリー』との協業はブランドの設立段階から現在まで続くもので、ブランド名から始まり、コンセプト設定や商品開発に至るまで共に手を取り合い、互いの意見を交換し切磋琢磨したとあって、コラボレーションという言葉では簡単に片付けられない歴史の堆積がある。
日本のクラフツマンシップと、名店の編集センスが邂逅した「オリエンタル」の『ワールド フットウェア ギャラリー』別注モデル
ローファーというのは、レザーシューズの中で最もカジュアルな部類に位置する靴であることは、多くの人が知るところ。コインローファーという名称も学生がサドル部分の切れ込みにコインを挟んでいたことが由来とあって、ビジネスウエアとしてのスーツスタイルというよりは、IVYやプレッピーの流れを汲むトラッドな装いに似合うものであった。
だが、今回選んだ一足をビジネスシーンで活躍するシューズと謳った理由は、そのエレガンス溢れる佇まいにある。ラストには、ややタイト目なフィッティングが特徴の1204を採用。多くの人がイメージするローファーとは一線を画すシャープなトウデザインに象徴されるイタリアンテイストなラストが、ノーブルなムードを後押しする。
既製履でありながら、ビスポークを思わせる日本人の足型に合わせたシルエットは、グッドイヤーウェルト+マッケイという底付けのハイブリッドな製法で実現。加えて、甲部分をしっかりと捕まえ、足の抜けを防いでくれる効果も併せ持つ。ライニングには、「オリエンタル」の特徴でもある上質なディアスキンを採用。柔らかな足当たりと指先のリラックス感は、素足やフットカバー1枚で履くことも多いローファーではよりその効果を実感できるはずだ。
ボックスカーフのスムースレザーを使ったブラックとシボの表情が趣深いグレインレザーを採用したダークブラウンの2色展開。スーツスタイルに程よい“こなれ感”を加えると共にローファーらしからぬ品のある色香も添えてくれることだろう。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- 島本一男(BAARL)
- STYLIST :
- 河又雅俊
- WRITING :
- 佐藤哲也