イタリア発のラグジュアリーブランド「ジョルジオ アルマーニ（GIORGIO ARMANI）」。2022年2月27日（日）にミラノで開催された2022／23秋冬コレクションのファッションショーは、ウクライナで苦難を受ける人々へと想いを寄せるジョルジオ・アルマーニの判断により“無音”で開催されました。その舞台裏と、新作コレクションについてご紹介します。
開催数時間前の決断、「心はウクライナの人々と共に」
ジョルジオ・アルマーニが異例ともいえる“無音”でのファッションショー開催を決断したのは、ショーが開始するたった数時間前のことでした。ロシアの侵攻によりウクライナの市民を含む人々が苦しみを抱えている今の状況に対し、自分にできることを考え続けた末での決断でした。
コレクションの世界観を表現するファッションショーにおいて、音楽は重要なファクターの一つです。そのファクターをあえて取り去ることで、自身の想いを表現し、ウクライナの人々に寄り添う姿勢をはっきりと示したのです。
以前より、ジョルジオ・アルマーニは社会問題に対して強い関心を持つ人物として知られています。今後、ファッション業界においても何らかの行動が起こされることは想定されますが、彼が真っ先にアクションを起こしたことは特筆すべきことでしょう。
ショーの前、ジョルジオ・アルマーニは“無音”開催についてコメントを発表しました。
「ウクライナの悲劇に巻き込まれた人々への気持ちを表し、今回のショーでは、あえて音楽を使わないという決断をしました。」
そしてジョルジオ・アルマーニの決意に賛同する拍手によって、ショーは幕開けしたのです。
ショーの後、ジョルジオ・アルマーニは次のようにコメントしています。
「ショーが始まる数時間前に、今起きていることを踏まえて、自分にできることは何かと自問しました。 私の心はウクライナの人たちと共にあるのだということを、どうしても伝えたかったのです。この場でお祝いしている場合ではないことを伝える方法を探さなければなりませんでした。そこで私は、ショーに音楽は入れないとチームに伝えました。バックステージでもランウェイでも、沈黙はどんな音楽よりも大きく、インパクトがあったと思っています。」
世界からの光を受け取り、また投げかける―ジョルジオ・アルマーニの描く“光のサイン”
今コレクションのテーマは「Signs of Light（光のサイン）」。ジョルジオ・アルマーニが自身のスタイルを象徴するサインとはどういうものなのかを再考して生まれたコレクションです。
暗闇の中に浮かぶ光の道と、そこを歩くモデルたち。流れるような縦長のシルエットは、歩くたびに柔らかさとリズムを生み出します。
布の上で光と踊るように揺らめく、まろやかな幾何学模様と装飾。無駄のない、明確なフィギュアを描くジャケットとパンツ。光を受けて表情を変えるフェイクファーやベルベット。「光」に支配されたエレガントなルックがラインナップされています。
以上、「ジョルジオ アルマーニ」が開催した異例の“無音”ファッションショーと、そこで発表された2022／23秋冬コレクションについてご紹介しました。
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- TEXT ：
- Precious.jp編集部
- WRITING ：
- 長水香李
