長寿大国ニッポン。人間だけでなく飼育環境の向上から、猫も長生きするようになりました。15歳はザラ、なかには20歳を超える猫ちゃんもいるのだとか。今回はそんな「ご長寿猫」を撮り続けているフォトグラファーのケニア・ドイさんにお話を伺いました。

ケニア・ドイさん(日本人です)。元は俳優・タレントさんなど人物がメインの撮影が多かったそうですが、今では動物カメラマンとして有名に

「ご長寿猫の暮らしが知りたかった」

ドイさんがご長寿猫探訪を始めたのは「フェリシモ猫部」の「猫又トリップ」というブログを開始した2015年のこと。当時、ドイ家にはこじろう君という16歳のスコティッシュフォールドがいたことから「よその家のご長寿猫はどんな暮らしをしているのだろう?」と気になり、15歳以上の猫に会いに行くようになったのだそう。

ドイさんが猫写真を撮るきっかけをつくってくれたこじろう君。2015年末17歳7か月で虹の橋を渡りました

今では100匹を超えるご長寿猫を撮影しているというドイさん。たくさんの猫を撮影していて気づいたことはあるのでしょうか。

「初めはなんとなく女の子の方が長生きなのかな? と思っていたのですが、実際に会ってみるとわずかに男の子の方が多かったです。最年長は24歳(撮影当時)のコジャコジャ翁。飼い主さんも主治医の先生も、愛情はもちろん、猫への豊富な知識と探究心があり、それが長寿につながっているのだと感じました」

多くの猫を育ててきた飼い主さんが「最後の猫」と可愛がっていた「コジャコジャ」。なんと26歳まで生きました

ずばり、ご長寿猫の可愛さって?

子猫も大人の猫も可愛いのですが、ご長寿猫ならではの可愛さがあるとドイさんは語ります。

「人間と同じように猫も歳をとると、だんだんと小さくなってくるんです。顔も幼くなり、子ども返りしたような表情が愛おしいですね。それでいて動きはゆったり、落ち着きがある。若いころは来客が苦手で隠れてしまうような猫も、シニアになれば平気になるのがほとんどです。人間を知ったうえでの悟りなのか、またはどうでもいいのかは分かりませんが……(笑)」

21歳の「たま」。同居している「どらみ」のごはんも食べてしまうのだとか

また、長い時間を共に過ごしてきたからか、飼い主さんのちょっとした変化に気づくのもご長寿猫ならでは。

「取材に行くことは猫たちには知る由もないのですが、飼い主さんの緊張を感じてなのか、あるいは事前の掃除のせいかも知れませんが、“今日はなんかある!”と察知するみたいで。いつもより動いてみせたり、可愛いポーズをとってくれる猫が多い。まるで“この日のために仕上げてきた!?”と思わせるほどなので、飼い主さんもびっくり。私も助けられていますね」

15歳の「しろ」も、撮影のときはアグレッシブ!

「ご長寿猫を家族に迎える」という選択肢

『ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』では、愛猫を子猫から育てている人だけでなく、10歳を超えてから預かった猫や、保護猫カフェのシニアルームで暮らす猫も紹介されています。

「“猫を飼う”というと、子猫から育てるイメージをもつ人が多いですが、大人の猫を迎えるという選択肢もあることを、もっと知ってもらいたいですね。大人の猫は性格も安定しているので、飼い主さんとの相性や生活スタイルに合った子が探しやすいんです。高齢者のいらっしゃるご家庭でしたら、ご長寿猫がいてもお互いよいペースで暮らせるのではないでしょうか」

保護猫カフェ「ネコリパブリック東京お茶の水店」で、のんびりと家族探し中の斗寅君。
17歳の「じろう」はなんと10回もの引っ越しを経験したご長寿猫

ほかにも心あたたまるエピソードがたくさん紹介されている『ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』。猫を飼っている人もいない人も、ご長寿猫の愛らしさに癒やされてみてください。

ケニア・ドイ
フォトグラファー
1972年神戸生まれ。大学を卒業後上京し、フォトスタジオ「六本木アートセンター」でスタジオマン勤務。コマーシャルスタジオでのカメラマンを経て、2001年にフリーランスカメラマンとして独立。人物、商品撮影を得意としながら、犬猫カメラマンとしても活躍中。
『ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』(祥伝社)ケニア・ドイ:写真・文
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この記事の執筆者
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PHOTO :
ケニア・ドイ
WRITING :
橘川麻実
EDIT :
青山 梓(東京通信社)
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