ブランドへの信頼感とは、ネームバリューではなく、従業員の働く環境を含めたその公明正大な生産背景にある。最高品質のカシミヤニットが有名な「ブルネロ クチネリ」だが、それを支えているのが“アルティジャーニ”と呼ばれる卓越した技術を備えた熟練の職人たちだ。手仕事と職人技こそが美の探求の根幹であると考える同ブランドでは、ものづくりに携わる人達の尊厳を尊重し、職場環境や給与など待遇面にも最大限配慮することで、アーティストでもある職人たちのモチベーションを引き上げている。また、ブランドが培ってきたアルチザンと洗練された美意識を次世代に継承するために、お膝元のソロメオ村にファッションだけではなく、アートやライフスタイルを学べる芸術・職人技術学校を設立するなど、“アルティジャーニ”の価値を理解し、伝承する試みも行っている。
表情感のあるカーフスキンと洗練されたカラーパレットが好相性
もちろん、こちらのスニーカーもソロメオ村でデザインされたもので、随所に“アルティジャーニ”が息衝いている。素材には、独特のシボ感が奥行きのある表情を生み出すカーフスキンを採用。ピュアホワイトを基調とし、要所に配したライトブラウンが洗練されたムードを後押しする。箔押しで“ソロメオ村の紋章”をあしらったスエード素材のヒールタブや、レザーシューズの底付けを模したフェイクウェルトなど、繊細で遊び心の効いたディテールも秀逸。コンフォートな履き心地を付与する軽量なマイクロポーラス製ミッドソールなど、機能性への目配せも忘れない。
着こなしにおいては、デニムやハーフパンツと合わせたカジュアルなスタイルだけでなく、セットアップのハズしとしても重宝する。何より、誰かが搾取されるような環境で作られたスニーカーではなく、労働者へとしっかり還元されたアイテムを選択することは、現代社会に生きる消費者の責務でもあるのだ。
※掲載商品の価格は、税込みです。
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- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- 島本一男(BAARL)
- WRITING :
- 佐藤哲也