服を着慣れると、このジャケットにはアレ、あのコートにはコレ、ブランドで選ぶならソレと、自分流の「ベーシック」を構築しがちである。確かに長年の経験から生み出したノウハウは大事だが、一方で、そこに安住していいのか、という疑念も生まれる。そこで、その進化を試みるのが本特集だ。お洒落の可能性を開く、その一助となれば幸いである。

クラシックとモダンが行き交う新時代のスラックス

ルーズシルエットの台頭によりがぜん注目を浴びるボトムスといえば、タック入りのスラックスが最有力。新時代のためのクラシカルなスラックスを紹介する。

■1:クラシックを徹底して今改めて新しいムードに

手前の男性●パンツ¥88,000・ジャケット¥431,000・ポロシャツ¥68,200・靴/参考商品(ラルフ ローレン〈ラルフ ローレン パープル レーベル〉) 奥の男性●シャツ¥31,900(トヨダトレーディング プレスルーム〈アスペジ〉) パンツ¥52,800(にしのや〈ヘリル〉) 靴¥121,000(ジェイエムウエストン青山店) サングラス¥47,300(アヤメ) ソックス/私物
手前の男性●パンツ¥88,000・ジャケット¥431,000・ポロシャツ¥68,200・靴/参考商品(ラルフ ローレン〈ラルフ ローレン パープル レーベル〉) 奥の男性●シャツ¥31,900(トヨダトレーディング プレスルーム〈アスペジ〉) パンツ¥52,800(にしのや〈ヘリル〉) 靴¥121,000(ジェイエムウエストン青山店) サングラス¥47,300(アヤメ) ソックス/私物

ベルトレス、インタック、長い持ち出しというクラシックなディテールをもつ「ラルフ ローレン パープル レーベル」のスラックス。独特のタンカラーもどこか懐かしい雰囲気を感じさせる。そんないい意味での古さを尊重して裾丈は短め、ダブルの折り返し幅もやや広めに設定。リネン素材のダブルのジャケットを羽織り、インナーのプルオーバーシャツはタックイン。今改めて新鮮な印象のコーディネートの完成だ。

■2:シルエットの妙と独特の色で個性を発揮

パンツ¥30,800(インターナショナルギャラリー ビームス〈コロン×インターナショナルギャラリー ビームス〉) シャツ¥140,800(チンクワンタ) ポロシャツ¥30,800(リーミルズ エージェンシー〈ジョン スメドレー〉) 靴¥53,900(ブルックスブラザーズ ジャパン〈ブルックス ブラザーズ〉)
パンツ¥30,800(インターナショナルギャラリー ビームス〈コロン×インターナショナルギャラリー ビームス〉) シャツ¥140,800(チンクワンタ) ポロシャツ¥30,800(リーミルズ エージェンシー〈ジョン スメドレー〉) 靴¥53,900(ブルックスブラザーズ ジャパン〈ブルックス ブラザーズ〉)

ボリュームのあるワタリから裾にかけてテーパードする、緩急のきいたシルエットがおもしろい。細番手のトロピカルウールを使いクラシックな顔つきに仕上げているが、タック入りのスラックスとしては珍しいオリーブカラー。となればやはり、この色を生かしたコーディネートに挑戦すべき。スエード素材の茶のシャツジャケットに金茶のニットポロを合わせた、大人らしい色使いだ。

■3:素材が生み出す美しいドレープ

パンツ¥50,600(トゥモローランド〈ベルナールザンス〉) シャツ¥27,500(インターナショナルギャラリー ビームス〈コロン×インターナショナルギャラリー ビームス〉) Tシャツ¥14,300(ユナイテッドアローズ 原宿本店〈ロエフ〉) 靴¥121,000(ジェイエムウエストン 青山店) ヴィンテージの時計¥481,800(江口時計店)
パンツ¥50,600(トゥモローランド〈ベルナールザンス〉) シャツ¥27,500(インターナショナルギャラリー ビームス〈コロン×インターナショナルギャラリー ビームス〉) Tシャツ¥14,300(ユナイテッドアローズ 原宿本店〈ロエフ〉) 靴¥121,000(ジェイエムウエストン 青山店) ヴィンテージの時計¥481,800(江口時計店)

レーヨンとリネンを混紡したベージュカラーのスラックス。フランスが誇るパンツ専業ブランド「ベルナールザンス」が手掛けたものだ。その魅力はもちろん生地の質感にある。美しいドレープとシワ感をアピールするためアウターは羽織らず、シャツはタックインがおすすめ。ボトムスのリラックスした雰囲気に合わせて、シャツのボタンを大きく開けるのもいい。

■4:ワードローブに迎えたい洒脱なテラコッタ色

ピーティー トリノのパンツ¥41,800・フォローのジャケット¥42,900・マッシモ ダウグストのシャツ¥38,500(ビームス ハウス 丸の内) スニーカー¥60,500(トゥモローランド〈コモン プロジェクト〉)

ブランド名を刷新し、イタリアを代表するパンツブランドとしてさらに人気を高めている「ピーティー トリノ」のスラックス。コットンとリネンを混紡した、さらりとした感触と軽さに秀でた生地を使用する。定番色よりも洒脱に見えるテラコッタ色のスラックスは季節によって合わせる服の色を変えるとその存在感が生きてくる。例えば秋冬にはネイビーやダークグリーンなど濃い色のものを。一方春夏は写真のように、白やベージュといった淡い色を合わせるといい。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

<出典>
MEN'S Precious 2022年春夏号「いつだって洒脱でいく!ファッションの可能性を開く、洗練コーディネート実例100」
メンズプレシャス 春夏号表紙
【内容紹介】小栗 旬 別格のモダン・エレガンス/ファッションの可能性を開く、洗練コーディネート実例100/新時代を実装するメンズファッション/時計と靴、「最強の名品コンビ」に刮目せよ!/今こそ、「優しき名品」/革新の「京都」がアツい!
2022年3月7日発売 ¥1,370(税込)

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この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2022年春夏号より
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WRITING :
加瀬友重
EDIT :
安部 毅(MEN'S Precious)