「時計史上の最高傑作」とまで謳われる、世紀の名品“タンク”。多くのバリエーションを要するこの時計の「原点」が“タンク ルイ カルティエ”です。その文字盤といえば、ホワイトに近いシルバー仕上げのシンプルな色、そしてローマ数字インデックスや伝統的なレイルウェイミニッツトラックを思い浮かべることでしょう。
しかし2022年の新作は、大胆に、ドラマティックに、その表情を変えました!
“タンク”のデザインコードに、色やディテールで魔法をかけて
“タンク”の誕生は1917年。「時計は丸いもの」という既成概念を見事に覆した角形ウォッチは世紀を超え、さまざまなバリエーションを展開する一大コレクションとなりました。それらの中でもオリジナルに最も近いのが、1922に誕生した、この“タンク ルイ カルティエ”です。黄金比率で構築される縦長の角形フォルムや、王冠があしらわれたリュウズなど、オーセンティックなデザインを受け継ぎつつもその魅力は褪せることなく愛され続けてきました。
その100年を超える歴史を大きく動かすのが、これらの新ダイヤルです!
今回、3つのバリエーションで展開された“タンク ルイ カルティエ”。まずは漆黒のダイヤルと同色のストラップが、イエローゴールドと強く響き合うこのモデル、ご覧のようにインデックスが排除されています。文字盤上の要素は、針、ロゴ、そして下部に小さく記された「SWISS MADE」の文字のみ。そのミニマルさが、“タンク ルイ カルティエ”の特徴的なケースのデザイン美を前面に押し出し、強さとエレガンスを引きたてます。
あとの2モデルは、グラフィカルなモチーフをダイヤルに映すレッドとグレーのダイヤル。写真だとどうしても平面的に見えてしまいますが、肉眼で見ると光の角度や応じて、色合いや深みがその表情を変えていきます。
これはメゾン史上初となる革新的技術、「電解エングレービング」によるもの。この最新テクノロジーによって実現した「カルティエ」の新たな表現は、不朽の名品をコンテンポラリーな雰囲気に導きました。
洗練のモノトーンが極上のかっこよさを演出するハンサムウーマンウォッチ!
昨年、カラフルなモデルを発表し、注目を集めた“タンク マスト”ですが、今年は一転。新色のブラックダイヤル&ストラップで、モードなエッセンスをまとってイメージを新たにしました。
こちらはクオーツムーブメント搭載ということもあり、“タンク”コレクションの中ではユーザーフレンドリーな価格も魅力。Precious世代にとっては、ファッションの一部として楽しむ2本目以降の時計としても検討しやすいプライスでしょう。
縦29.5×横22mmのSMと、ひと回り大ぶりな縦33.7×横25.5mmのLM、2サイズで展開。実際につけてみると、LMサイズでも女性の手首にとって大きすぎるということはなく、クールなハンサムウーマンウォッチといった印象。一方SMサイズも華奢過ぎず程よいボリューム感があって、コーディネートを引き締めるスパイスになってくれそうです
「カルティエ」は時間を、「単なる計測の対象」というよりも、それを使って何をするのか? つまり「使用」し「表現」する対象として捉えています。このビジョンは、フォルムの表現から、ある種の時間の知覚や体感に至るまで、メゾンにおける時間の探究全般に貫かれている哲学。そこから溢れ出るように生み出された2022年の豊かなクリエイションは、私たちの心を大きく揺さぶります。
※掲載商品の価格は、すべて税込み予定価格です。
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- TEXT :
- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト