「SDGs × “やさしいファッション”」3つの視点

雑誌Preciousでは「SDGsの現在地」と題して、「SDGsの現在地」と題して、SDGsにまつわるトピックスを3号にわたって特集しています。5月号は、“ファッション”について取り上げます。

私たちが次なるおしゃれを手に取る際、SDGsの観点ではどんなことに目を向けたらよいでしょう? 今回、サステナビリティ・ディレクター 向 千鶴さんが提唱してくれた視点「それは信用できる?」とキーワード「ダイバーシティ」を、「ディオール(DIOR)」の取り組みと共にご紹介します。

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向 千鶴さん
WWDJAPAN編集統括 サステナビリティ・ディレクター
(むこう・ちづる)神奈川県横浜市出身。東京女子大学卒業後、エドウインに入社。4年半、営業職を務める。日本繊維新聞社記者を経て'00年にINFASパブリケーションズ入社。記者として主にデザイナーズブランドの取材を担当。『ファッションニュース』編集長、『WWDJAPAN』編集長などを経て'21年4月から現職。海外コレクション取材のキャリアは業界屈指。クリエイターへの愛に溢れた取材活動で知られ、多くのラグジュアリーブランドから厚い信頼を集めている。

「SDGsדやさしいファッション”」視点2:それは信用できる?

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「SNSの広がりで、“嘘がつけない”時代。社会的責任を果たしているかどうかも、ブランド評価の要になっています」(向さん)

背景にある理念や素材が生産される過程にも目を向けて、“本当に信用できるもの”を選び取る―私たちひとりひとりのそんな意識が、社会をよくしていくと心得たい。

Keyword「ダイバーシティ」:“みんな違ってみんないい”多様な個性を認めよう

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『ディオール 8』が発表された今季のショーは、パリのチュイルリー庭園が会場に。ディオールがルーブル美術館とパートナーシップを結び、庭園の環境保護に尽力している。(C)ADRIEN DIRAND

「ダイバーシティ」(多様性)とは、人種、性別、年齢などで差別されない社会実現のために生まれた概念。新しい価値観として支持するデザイナーも多く、SDGs×ファッションを理解するための重要なキーワードです。

「その人の個性を引き立てるための一着を仕立てるオートクチュールは、本来とてもサステイナブルな存在。ディオールはプレタポルタにもその信念、つまり“みんな違ってみんないい”を据えています。メゾン初の女性アーティスティック ディレクターであるマリア・グラツィア・キウリも、多様性推進のメッセージを力強く発信しています。

今年誕生したデニムパンツの新ライン『ディオール 8』は、あらゆる体型、あらゆる好みを賛辞するかのように、個性の異なる8本のデニムで構成されたもの。ローデニムははくほどに体になじみ、その人なりの心地よさを生み出します。その選択もまた、自由で希望に満ちているなぁ、と感じます」(向さん)

「ディオール」の『ディオール 8』デニムコレクション

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パンツ各¥210,000[すべて参考価格](クリスチャン ディオール〈ディオール〉)

ムッシュ ディオールのラッキーナンバー「8」にちなんだ『ディオール 8』。フレア、テーパード、カーゴ風などさまざまなデザインの8本が並ぶ。デニム生地は染色に使用する水量を極力抑え、環境負荷を最小限にとどめたもの。

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ナンバリングが記されたラベル。

ヒップのラベルには、「D01」から「D08」までのナンバリングが。ステッチの入り方など細かな点も表情が異なる8本は、シーズンに合ったモデルを追加していく楽しみも。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

クリスチャン ディオール

TEL:0120-02-1947

PHOTO :
小池紀行(パイルドライバー)
STYLIST :
金井あい
EDIT&WRITING :
三尋木奈保、池永裕子(Precious)