「譫言」ってなんと読む?「せんげん」とも読みますが、訓読みはみなさまご存じの言葉です!
明日5月18日は『ことばの日』です。
5(こ)10(と)8(ば)の語呂合わせから、
「ことばを大切に使い、ことばによって人と人とが通じ合えることに感謝し、ことばで暮らしをより豊かにすること」を目的とた記念日です。
「ことば」をひらがな表記する理由は、「手話や点字など広い意味でのことばをしってもらいたい」との願いも込められているのだとか。
意思疎通の手段としてなにげなく使用していることばですが、その選び方、使い方で、コミュニケーションの印象や結果は大きく左右されますよね。大人として美しいことばを使いこなせるよう、日々、磨いてまいりましょう。
本日は、「言」という漢字を使った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「言霊」ってなんと読む?
「言霊」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な霊力のことで、発した言葉通りの結果を表す力があると考えられてきました。
<使用例>
「人の言葉には言霊が宿るから、汚い言葉を使ったり、シャレのつもりでも不吉なことを言うのは良くないと思うわ。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 言霊(ことだま)です。
例文のように「言霊(ことだま)」に気を付けて、善い、美しい言葉を使うように、と教育された方もいらっしゃると思います。「口に出した言葉には、その言葉そのものに霊力がやどり、言葉にした通りのことが起こる。」という考え方ですね。科学的根拠はともかく、「言葉を大切に扱うべし」という、日本的な精神を感じる単語ですよね。
「霊」という字は、「レイ」と読む印象が強い常用漢字ですが、
実は「たま」という読み方も、常用漢字表に入っておりますよ。
「言霊(ことだま)」意外にも「御霊(みたま)」「木霊(こだま)」など、「霊(たま)」と読む熟語が複数ございますので、ご留意ください。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「譫言」ってなんと読む?
「譫言」という日本語の「せんげん」以外の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「意識の混濁している人が無意識に発する言葉。」「筋の通らない放言。」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「父が大病をしたとき、譫言で私の名前を呼んでくれて、涙が出てしまったわ。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 譫言(うわごと)です。
「譫言(せんげん)」という音読みでも言葉の意味は同じですが、
「譫言(うわごと)」という読み方のほうが、身近な言葉ですね。
「譫」という字、意識が混濁し、錯覚や妄想をともなう状態を指す「譫妄(せんもう)」という熟語にも使用されておりまずが、
漢字検定一級レベルの難しい漢字なので、「せん妄」など、あえてひらがなに開いて表記されることもある漢字です。
実はこの字、一文字で「譫(うわごと)」と読み、
「譫言(うわごと)」は、その訓読みを読みやすく補完するために「言」をつけた、熟字訓的な慣例により表記される単語です。(※「譫」を1文字で「うわ」とは読まないのです。)
また、「譫」には「うわごと」のほかにもう一つ「譫(たわごと)」という訓読みがあり、こちらは「譫(たわごと)」と1文字表記するのが慣例のようです。
ちょっと複雑な字ですが、『ことばの日』のトリビアとして、クイズでピックアップしてみました。
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本日は、5月18日『ことばの日』にちなんで、「言」という漢字を使った日本語から、
・言霊(ことだま)
・譫言(うわごと)
などの読み方についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱