温泉旅行といえば、湯治だけでなくグルメもお楽しみのひとつ。ゆっくり極上の湯に浸かったあと、ご当地の食材をふんだんに使ったメニューに舌鼓! これぞ旅の醍醐味ですよね。
そこで、全国2,500以上のスポットを巡った経験のある、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんから、料理自慢の温泉宿をピックアップしてもらいました。本記事でお届けするのは、神奈川県足柄下郡・湯河原温泉にある「オーベルジュ湯楽」です。
公式サイト
オーベルジュならでは!シェフが惚れ込んだ食材を創作イタリアンに昇華
“オーベルジュ”とは、食事に重きをおく宿泊施設のこと。フランスのシェフが新鮮な食材を求めて郊外でレストランを開き、遠方から訪れたお客のために宿泊スペースを設けるようになったのが発祥だといわれています。
神奈川県・湯河原温泉にある「オーベルジュ湯楽」は、その名のとおりご当地食材を生かした食事が自慢の湯宿。目の前に相模湾、背後に伊豆山を控える湯河原にて、海の幸・山の幸をふんだんに取り入れた絶品料理が味わえます。
「併設のレストラン“ピノクラーレ”の料理長、松村シェフはかつては東京のイタリアンで修業を積まれていたお方。湯楽にお客として訪れた際、湯河原の食材に惚れ込んだのがきっかけでこちらで料理人を務めるようになったという経緯があり、レストランで使う野菜は自ら農家まで収穫に行くなど、食材と料理に対し、なみなみならぬ情熱があります。
その松村シェフが手掛けるのは、和食とイタリアンが融合した創作料理。そのときどき旬の素材を最大限に生かすべくメニューは月替わりというこだわりぶりで、伊豆山の有機野菜や相模湾から水揚げされたばかりの魚介類を駆使したコース料理は、どの皿も感動的なおいしさです。なかでも印象に残っているのは、トリュフの釜飯。シェフが目の前でたっぷり削ってくれるという粋な演出で、トリュフの芳しさたるや言葉に尽くせません」(植竹さん)
「一夜明けて朝食がこれまた絶品。普段、朝は食べない習慣の私にとっても、ここの朝食は外せません。炊きたてのご飯に味噌汁、干物などメニュー自体は旅館の朝の定番なのですが、ふりかけまでシェフのお手製と細部まで創意工夫が凝らされています。
個人的に好みに刺さったのは、温泉卵。生みたての鳳凰卵は黄身が濃厚で、そこに添えられた和牛のしぐれ煮もほろほろと絶妙で…。ただ単に食事を提供するのではなく、食材をリスペクトして、そのおいしさをプレゼンするかのような松村シェフのインスピレーションにより、訪問するたびに料理がバージョンアップしているのにひたすら感服です」(植竹さん)
20畳を独占!自家源泉の露天風呂で最高に贅沢なひとときを…
オーベルジュといえば、料理が主役の宿を指しますが、ここ湯楽においては、食事だけでなく温泉も極上です。
「こちらの温泉は自家源泉のかけ流し。毎分70リットル、毎日100トンと湯量が豊富なのも魅力的です。貸切が露天風呂と石風呂の2つ、大浴場が檜風呂と石造りの2つの合計4つの温泉がありますが、私のイチ推しは貸切の露天風呂。20畳もの広さのある露天風呂を、家族や恋人、友達グループ、あるいはおひとりさまでも独占できるのは贅沢の極みです。竹林に囲まれた風情ある環境で、風の動きや木々の揺れる音を感じながら湯浴みするのは至福のひととき。しかも湯上りに肌がしっとり潤い、ツルツルになったのを実感できました。
ちなみに、貸切露天風呂の浴槽の脇には小さな水風呂も設置されています。温浴と水風呂の交互浴で心身をととのえるのもおすすめですよ」(植竹さん)
以上、オーベルジュ湯楽をご紹介しました。シェフのインスピレーションが冴えわたる創作イタリアンに舌鼓を打ち、自家源泉の露天風呂でリラックス。そんなご褒美時間を過ごしたい人は、次の旅先候補のひとつにぜひ加えてみてはいかがでしょうか?
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
問い合わせ先
- オーベルジュ湯楽
- 住所/神奈川県足柄下郡湯河原町宮上528
- 客室数/全18室
- 料金/シェフ特選コース1名 ¥21,800~(税込)、湯楽特選コース1名 ¥16,800~(税込)
- TEL:0465-62-4126
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生