温泉旅行といえば、湯治だけでなくグルメもお楽しみのひとつ。ゆっくり極上の湯に浸かったあと、ご当地の食材をふんだんに使ったメニューに舌鼓! これぞ旅の醍醐味ですよね。
そこで、全国2,500以上のスポットを巡った経験のある、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんから、料理自慢の温泉宿をピックアップしてもらいました。本記事でお届けするのは、宮城県蔵王町にある「別邸 山風木(やまぶき)」です。
公式サイト
リピーター続出!「美食探求プラン」で三陸の雲丹を味わい尽くす
宮城県南部・蔵王山の麓の別荘地にひっそりと佇む「別邸 山風木」。2,300坪の敷地に客室はわずか9室というこちらのお宿は、“お食事を楽しむために一晩お泊りいただく”をコンセプトとしており、蔵王の恵みと厳選した旬の食材を贅沢に使ったこだわりの会席料理が自慢です。
「宿泊プランは、大きく分けると2つありますが、スタンダードプランよりも、季節ならではの旬の食材をたっぷり味わえる美食探求プランが断然おすすめ。いくらたっぷり秋のはらこ飯、冬のご当地のせり鍋も捨てがたいのですが、雲丹を取り入れた夏のプランは特に評判がよく、リピーター続出で予約が困難なほど。実際に行ってみると至れり尽くせりのサービスで、人気ぶりに納得しました」(植竹さん)
「まず、山風木で特筆すべきなのは、おばんざいコーナー。メインの料理以外に、ビュッフェ形式で自分の好きな料理をとれるサービスです。メニューは肉じゃが、茄子の揚げびたし、枝豆など居酒屋風。ただ、上品な出汁によって素材の濃厚な味わいが引き出されており、素朴だけど普段食べているものとは違うな…としみじみ感じます。自分で選ぶ楽しさもあり、あれもこれもと手が伸びてしまいそうになりますが、肝心のコース料理がお腹に入らなくならないよう要注意です」(植竹さん)
「コース料理の前菜では、旬の野菜にひと手間アレンジした創作料理が並び、これだけでもお酒が進みます。ちなみに、山風木では宿泊代に食事だけでなく飲み物も全て含まれているオールインクルーシブで、日本酒やスパークリングワインなど飲み放題なのも嬉しいところ」(植竹さん)
「夏の味覚・雲丹は、お造りの殻付きの雲丹に身がぎっしり詰まっていたり、大蛤の炙り焼きにさりげなく雲丹ソースがかかっていたり、存分に堪能できます。そして、お食事のシメは、生雲丹丼か雲丹の炊き込みご飯かをチョイス。私は迷った挙句、炊き込みご飯を選んで大正解でした。鮑と雲丹が炊き込まれたご飯の上に、さらに生雲丹がオン。天に召されるようなおいしさが忘れられません」(植竹さん)
いつまでも浸かっていたい…自家源泉かけ流しの美人の湯に陶酔
“お食事を楽しむために一晩お泊りいただく”をコンセプトとする山風木ですが、実は、温泉も自家源泉かけ流しと極上。
「大浴場は男女入れ替え制で2種類。『月と風の湯』と『風と木々の湯』があります。『月と風の湯』はひょうたん型の露天風呂。一部が浅く寝湯を楽しめる構造なっていて、のんびり極楽気分で寛げます。もうひとつの『風と木々の湯』は、冬場はガラス戸で囲われますが、4~10月はそれがなく開放感たっぷり。湯口が高いところにあり、浴槽の壁に寄りかかって座ると、湯舟に注がれる温泉の流れを背中に感じることができ、こちらもついつい長湯したくなる雰囲気です」(植竹さん)
「泉質はナトリウムー炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物温泉。一言で表現すると、オールインワンスキンケア用品のような欲張りな湯です。さまざまな成分がブレンドされていることで、肌表面の汚れをおだやかに落としつつ、保湿効果もあり、つるつるとしっとりの両方が叶います。特に、朝に入ると温泉のコンディションのよさが際立つのか、温泉成分を含んだ湯がぐいぐい沁み込む感じがして、お肌が絶好調に。もともとはお食事の評判で訪れた湯宿でしたが、想像以上のよき湯に感動・感激しました」(植竹さん)
さらに、山風木では2022年2月に貸切風呂の「星空のジャグジー」がオープン。その名のとおり、夜間には蔵王の星空を仰ぎながら湯浴みできる露天風呂で、滞在中のリラックスタイムがますます充実しそうです。
以上、「別邸 山風木」をご紹介しました。雲丹の特別プランは7月末までですが、生雲丹丼・雲丹の炊き込みご飯は8月中も提供可能とのこと。人気宿につき、気になる人は予約が埋まらないうちに急いで旅の準備を!
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
問い合わせ先
- 別邸 山風木
- 住所/宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉字小妻坂21-70
- 客室数/全9室
- 料金/1名 ¥30,800~(税込)
- TEL:0224-37-2711
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生