「トッズ」の名品『ゴンミーニ』に宿る手仕事の原点

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『トッズ ゴンミーニ』¥75,900

ダイアナ元皇太子妃も愛用していたペニータイプのデザインは、創業時からのロングセラー。

アイコニックなソールが放つ強烈な個性とステイタス!

靴製造が盛んなイタリア中部のマルケ州で、1970年代後半に誕生した「トッズ」。創業者のディエゴ・デッラ・ヴァッレ氏(現「トッズ・グループ」会長兼CEO)は、この地で20世紀初頭から3代にわたって続く靴工房の家系に生まれ、20代で家業に参画します。

そして渡米時に出合ったドライビングシューズに新たなる可能性を見出し、独自のドライビングシューズづくりをスタート。堅牢な英国靴とは異なり、軽くて柔らかな履き心地を追求するデッラ・ヴァッレ家の手仕事で生まれたのは、快適な運転をサポートする機能に加え、街履きにも適したモダンなドライビングシューズ。靴好きたちが、“レザーグローブのような履き心地”と讃えるのも頷けます。

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アイコニックな「ケイト」チェーンがアッパーを大胆に飾る、今季の新作。チェーンは、艶ありとマットの2種で展開。『トッズ ゴンミーニ ケイト』各¥88,000(トッズ・ジャパン)

ドライビングシューズの出自を物語るラバーペブル(ゴム突起)から、『ゴンミーニ』と名付けられた「トッズ」を代表する名品は、今も世界の一流人たちに愛され続けています。なかでもダイアナ元皇太子妃の『ゴンミーニ』スタイルは、常に注目を集めました。アンゴラ共和国のルワンダで地雷撲滅運動に参加した際は、スエードの『ゴンミーニ』を履き、赤土の上をしっかりとした足どりで歩く姿が目撃されています。

知性と品格を備えた、意志ある女性が選ぶ『ゴンミーニ』。私たちにラグジュアリーの本質を教えてくれる、特別な存在です。

丹念な手仕事と美意識から生まれる優しい履き心地

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デッラ・ヴァッレ家が営む靴工房の時代から、靴職人として腕を磨いてきたアントニオ・リパーニ氏。現在はレザーの買い付けや、品質管理の責任者として手腕を発揮する。Photo by Leonardo Rinaldesi

足元にクラス感を授ける上質素材は、「トッズ」のものづくりには欠かせない要素。本社工場の敷地内に建つ6,000平米を誇るレザーの保管庫には、世界中から買い付けられた数千種にも及ぶ革が、常に最適な温度で保たれています。

靴づくりのベースを手掛けるのは、レザーの特性を熟知した専任のカッター。『ゴンミーニ』はシンプルに見えてもドライビングシューズの機能も備えているため、片足だけでも約40パーツ。しかもラバーペブルをレザーソールに埋め込む構造により、職人は目打ちを使ってソールに100個以上の穴を丹念にあけていきます。

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新作『トッズ ゴンミーニ ケイト』に使用される木型やレザーパーツ、工具の数々。

とにかく印象的なのは、手作業の多さ! 縫製の工程では、足裏を包み込むように袋状にカッティングされたレザーソールとアッパーをモカ縫いで合わせていく、伝統的な「モカシン製法」が応用されていました。

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型紙に合わせてカッティングされたレザーに、ステッチ用のガイドを入れる工程。

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レザーソールにゴム突起を通すための穴あけは、今も職人による手作業。

履き心地や靴の表情をも左右する高度な技術や知識を、絶え間なく人から人へと伝える体制が整っているのも「トッズ」のものづくりの強みといっていいでしょう。小さな靴工房を営んでいた時代から、軽くて柔らかな履き心地を追求してきた「トッズ」。その尊きクラフツマンシップは、すべての製品に息づいています。

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強度を要するソールは、ミシンを用いて。

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シート状になったペブルは、木型ごとに数も配置も異なる。


【Column│ブランドゆかりの地を訪ねて】皮革製品メーカーが数千社以上集まる、イタリア中部のマルケ州へ

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マルケ州にある「トッズ」の本社工場

「トッズ」の本社工場は、マルケ州のフェルモ県にある街、カセッテ・デテに。アンコーナ空港からは、車で約1時間。ローマから鉄道でアドリア海に沿って向かうルート(約4時間)も人気。本社のアドレスがあるストリートは、この地で靴づくりを始めたデッラ・ヴァッレ家の初代の名前に由来します。

理想の職場環境が生み出す、世界トップクラスのものづくり

マルケ州が一望できる美術館のようなモダンな建物は、1998年に竣工した「トッズ」の本社工場。敷地の総面積は、約170,000平米! そのうち65,000平米が緑地というから、いかに自然に恵まれた環境であるかがわかります。

「世界に誇れる靴をつくるためには、靴づくりに情熱を注ぐのと同様に、働く人々にも最高の環境を与えることが必要」と考える「トッズ・グループ」会長兼CEOのディエゴ・デッラ・ヴァッレ氏は、新社屋を建てる際に、従業員のための託児所やジム、レストランなども設けたそう。

そして国内外の若き才能を支援するプロジェクトも、2020年から始動。本社内ではプロジェクトに応じて「トッズ アカデミー」を開設し、彼らのアイディアを発展させるため、職人が学生をサポートしながら互いに知識と技術を高め合っています。

一般の人が利用できるのは、本社工場に隣接する「トッズ」のアウトレットのみ。またここからは、国内有数のリゾート地、アンコーナへのアクセスも抜群! アドリア海が目の前に広がる絶景は、必見です。

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「トッズ」本社工場のエントランス

大きなガラス窓から差し込む、外光に照らされたイタリア産の大理石…。本社工場の内部はエントランスをはじめ、どこも開放的でクリーンな空間に。

ブランドのアイコンカラーで彩られた地球儀のオブジェは、『ゴンミーニ』を象徴するペブルで世界地図が表現されて。

映画の舞台としても有名な世界遺産の修復もサポート!

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ローマの観光名所「コロッセオ」の修復に「トッズ・グループ」が支援を始めて約10年。第2期工程の地下施設の修復も、ついに完了! 今まで見ることができなかった遺跡の一部が、160mの歩道を設置することで一般公開されるようになりました。


※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

トッズ・ジャパン

TEL:0120-102-578

PHOTO :
戸田嘉昭(パイルドライバー/静物)
EDIT&WRITING :
兼信実加子、佐藤友貴絵(Precious)