寒い季節に熱い湯というイメージの強い温泉ですが、夏には夏ならではの楽しみ方があります。とりわけ40度未満のぬる湯は、副交感神経を優位にする作用があるといわれており、猛暑の疲れを癒すのにぴったり。この夏のバケーションは、極上の湯で心身をリフレッシュしてみませんか?
そこで、全国2,500以上のスポットを巡った経験のある、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんから、夏こそ行きたい温泉宿をピックアップしてもらいました。本記事でお届けするのは、佐賀市にある「古湯温泉 ONCRI(おんくり)」です。
公式サイト
15種類ものぬる湯をめぐって、最高のリフレッシュ体験を!
佐賀市の中心部から車で30分ほどに位置する「古湯温泉 ONCRI」。古湯温泉は2000年以上もの長きにわたって親しまれてきた湯治場で、ぬる湯が持ち味。その一画にあるONCRIの魅力について、植竹さんはこう話します。
「ONCRIの泉質は単純弱放射能泉、俗にラジウム泉とも呼ばれるものです。湯温は36~38度ほどで、人肌くらいの不感温度が心地よく、体に負担をかけずに入浴することで夏の疲れを癒すことができます。さらに、お風呂の種類が豊富なのもうれしいところ。露天風呂、寝湯、立湯、足湯など、男女あわせて15種類もの温泉が用意されており、日常を忘れて至福のぬる湯めぐりを堪能することで心身のリフレッシュが叶います」(植竹さん)
「バラエティ豊かな温泉のなかでも、私のお気に入りは箱蒸し風呂。箱蒸し風呂とは、温泉の蒸気に満ちた木箱のことで、頭部だけ出して、首から下はすっぽり入って温まります。ラジウム泉は浸かるだけでなく、気体を吸うことによっても免疫力を高めるといわれており、蒸気がもうもうと立ち込める箱蒸し風呂はその恩恵を受けるのにぴったりです」(植竹さん)
「なお、ラジウム泉は湯あたりしやすい泉質でもあるので、空腹時は避け、しっかり水分補給もしたうえで湯浴みしましょう。個人差があるので、以下はあくまで私の体験談ですが、入浴して2日ほどはぐったり感があります。ただ、これは一種の好転反応のようで、3日目くらいに急に霧が晴れたかのようにスコーンと爽快感が。肌も見違えるほどトーンが明るく若返ったように感じられるので、夏バテ解消と美肌のダブル効果を狙いたい人におすすめの泉質だといえます」(植竹さん)
スタイリッシュな客室&絶品イタリアンが忘れられない夏旅を演出
ONCRIはぬる湯を満喫できる点だけでなく、お宿の雰囲気も夏のリゾートにもってこい。和と洋の要素を融合した「ラグジュアリーツイン」、半露天風呂付きでぬる湯を独り占めできる「離れ JIBOH」、テラス付きでグランピング気分が味わえる「ONCRIソノテラス」など、お部屋のタイプも多様で、自分の思い描く理想のバカンスを過ごすことができそうです。
「温泉宿では館内着が浴衣のところも多いですが、ONCRIではスタイリッシュなパジャマタイプ。チェックイン時にサイズとカラーを選びます。見た目もおしゃれなんですが、素材が上質なのか、すごく着心地がよくって…。滞在中、終始リラックスして過ごせたのも、このパジャマによるところが大きいのではと思います」(植竹さん)
そして、温泉旅ではグルメもお楽しみのひとつ。
「私は、バー・レストラン『SEBRI/セブリ』でナチュラルイタリアンをいただきました。地元契約農家の新鮮な野菜がたっぷり使われた料理は、素材のよさを生かしつつ見た目は手が込んでいて、食欲をそそります。味つけは控えめで、野菜の甘みやうまみがしっかり感じられたのが印象的です。もちろん、野菜だけでなく、玄海産のお魚や佐賀和牛などのメイン料理もあってお腹も大満足。大きな窓からは雄大な勝打山を望むこともでき、“大自然×洗練されたイタリアン”のコラボを楽しむことができました」(植竹さん)
以上、「古湯温泉 ONCRI」をご紹介しました。ぬる湯めぐりで夏の疲れを解消したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
問い合わせ先
- 古湯温泉 ONCRI
- 住所/佐賀県佐賀市富士町古湯556
- 客室数/全44室
- 料金/1名 ¥22,150~(消費税・入湯税込)
- TEL:0952-51-8111
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生