一枚の生地を七つに折りたたんでつくるセッテピエゲは、製造工程において正確さが求められ、しかも芯地を使わないため、高い職人技を必要とする。通常の倍近い生地を贅沢に使ううえ、心地よい締め心地には生地の高い品質も不可欠だ。だからこそ、ネクタイ単体で美しく、Vゾーン全体を優雅に飾るのだ。その締め心地は、まるで天使のように柔らかく、スカーフのように軽やか。スーツにエレガンスを与えるこの珠玉のネクタイを、ぜひビジネススタイルに取り入れてほしい。周囲の反応が静かに変わるのを実感できるはずだ。

アット ヴァンヌッチ フィレンツェのネクタイ

 セッテピエゲで注目を集めるブランドが、アット ヴァンヌッチフィレンツェである。絶滅の危機に瀕した手縫いのネクタイ製法を存続させるため、2011年に母体であるセブンフォールド社が、セッテピエゲをメインにする工房を設立。これが前身となり、2016年にブランドを創業。ウール90%、カシミア10%の生地はハリと光沢を両立する。

セッテピエゲの軽やかさこそ、比類なきエレガンス

各¥30,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈アット ヴァンヌッチ フィレンツェ〉)

 ノットは一般的なネクタイのようには決まりにくい。だが整っていないからこそ個性を演出する。スカーフを巻いたようなやわらかなつけ心地も、締めるのではなく結ぶというのがふさわしい。そんなリラックスした気分がスーツ姿をより自然体に見せるのである。

※価格は税抜です。 

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2017年春号「ベーシック名品」の静かな迫力に刮目せよ!
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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クレジット :
撮影/戸田嘉昭・唐澤光也(パイルドライバー) スタイリスト/大西陽一(RESPECT)文/柴田 充 構成・文/鷲尾顕司