スーツの着こなす上で重要になるのが白シャツだ。消耗品であるからこそ上質なものを選ぶべきである。ここでは襟に注目してそれぞれの国を代表するシャツの違いを紹介する。

【英国】ターンブル&アッサーの白シャツ

 襟が首にぴったりと吸い付き、ネクタイの結び目も台襟に隙間なく接する。折り目正しさこそ、イギリスのダンディズム。その流儀において尊ばれるのがターンブル&アッサーのシャツである。チャールズ皇太子を筆頭に愛用者は枚挙にいとまがない。表舞台に立つ彼らがターンブル&アッサーを選ぶ理由は、鋭く尖った襟先が端正な印象を生むからではないか。それが紳士然とした背広姿の秘訣なのだ。

突き刺すほどに尖ったイギリス伝来のダンディズム

¥47,000(ヴァルカナイズ・ロンドン〈ターンブル&アッサー〉)

​ 今も変わらず、イギリスのファクトリーでつくり上げる。襟まわりだけでも40以上の工程を有するという。ブロード生地の美しさも格別。

【フランス】シャルべと【イタリア】アマンナ マトッツォの白シャツ

写真左/名門シャツファクトリー「トーマス メイソン」の生地を使用。やわらかな肌触りで清涼感も抜群。アンナ マトッツォの職人は全員が女性。それもぬくもりの秘訣かもしれない。¥65,000(伊勢丹新宿店〈アンナ マトッツォ〉)写真右/生地メーカーと共同開発した生地「白スペシャルポプリン」を使用。肌がかすかに透けるほどの薄手でありながら、ハリがある。立体裁断による着心地のよさにも心酔。¥46,000(日本橋三越本店〈シャルベ〉)

 イタリアには多くの凄腕カミチェリア(シャツ職人)がいるが、ナポリのアンナ・マトッツォ氏は伝説のテーラー「ロンドンハウス」、がシャツ部門を任せたことで知られ、群を抜いた存在。シャツが肌着であったオリジンに基づき、やわらかさを生み出すために要所をハンドメイドで仕上げる。このホリゾンタルカラーはハウスモデルの『カプリ』。立体パターンとアイロンワークで華麗なロールを描く。また、フランスを代表するシャツブランドのシャルベ。シャツに込められた美学は端正な襟に見て取れる。イギリスの硬さとイタリアのやわらかさの中間点にあり、やや角度が広めのレギュラーカラー。かたくなにミシン縫製にこだわり、熟練職人が限界まで細かなステッチを打ち込む。シャルベだけのなめらかな生地と相まって、他のシャツとは歴然と違うエレガントなオーラでスーツを包み込む。

 以上、スーツスタイルに映える白シャツを紹介した。それぞれの特徴をお分かりいただけただろうか? 消耗品だからといって安物で済ませるのではなく、一流の着用感やシルエットを知り、できればコーディネートごとにバリエーションを揃えておきたいものだ。

※価格はすべて税抜です。

この記事の執筆者
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