いつの時代も男たちを虜にしてきたブリーフケース(書類用鞄)がある。エルメスの『サック・ア・デペッシュ』。普遍的なスタイルは、最高品質の革を、馬具製作から始まった伝統的な縫製で仕立てることで、格別の存在感を放つ。幅広い用途に応える実用性の高さも、長く愛されるゆえんだ。

究極の革と精緻なつくりが格別の存在感! エルメスの『サック・ア・デペッシュ』

普遍的なブリーフケースのスタイルに、サドルステッチなど馬具製作から始まった伝統的な縫製法を注ぐ。ストラップは内容量に応じて3段階に調整でき、真鍮製のバックルは角を落とし、手にも優しい。革素材や色のバリエーションも豊富で、写真のシボの入ったレザーは汎用性も高い。バッグ(エルメスジャポン)※参考商品
普遍的なブリーフケースのスタイルに、サドルステッチなど馬具製作から始まった伝統的な縫製法を注ぐ。ストラップは内容量に応じて3段階に調整でき、真鍮製のバックルは角を落とし、手にも優しい。革素材や色のバリエーションも豊富で、写真のシボの入ったレザーは汎用性も高い。バッグ(エルメスジャポン)※参考商品

 男のバッグ選びは、女性のそれとは異なり、見た目というよりも用途に応じた実用性にこだわる。重要なのは「何を収納するか」であり、だからこそブリーフケース(書類用鞄)というスタイルも生まれる。
 男が手にすべき、スーツに似合うバッグの最高峰が『サック・ア・デペッシュ』であることに異論はないだろう。1928年に誕生以降、いつの時代も男たちを虜にし、歴代の愛用者もJ・F・ケネディ、アンドレ・マルロー、ウィンザー公、サン=ジョン・ペルスなど枚挙にいとまがない。シンプルなスタイルながら、タイプによって内側は1〜3個のポケットに区分けされ、幅広い用途に応える。その懐の深さも男なら見習いたいものだ。

 デペッシュは本来、公文書を意味するが、今では最新ニュースや最新情報とも同義語になった。このバッグも堅苦しいビジネスばかりでなく、現代の男のスーツ姿をスタイリッシュに演出する。

 使い込んでいく楽しさを味わいつつ、その円熟にふさわしい今後に思いを馳せることもできるのだ。

※2017年春号掲載時の情報です。

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2017年春号「ベーシック名品」の静かな迫力に刮目せよ!
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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撮影/戸田嘉昭・唐澤光也(パイルドライバー) スタイリスト/大西陽一(RESPECT)文/柴田 充 構成・文/鷲尾顕司