「彼はこの分野のオーソリティだ」の「オーソリティ」の意味はわかりますか? 「権威者」や「大家」を意味しますが、ビジネスシーンではどのように使われているのでしょうか。正しく「オーソリティ」を使うために、わかりやすく解説します。

【目次】

「オーソリティ」は名乗れる?
「オーソリティ」は名乗れる?

【「オーソリティ」を正しく理解するための基礎知識】 

最初に英語の「オーソリティ[authority]」の意味を把握しましょう。

■オーソリティの「意味」

「専門の道に通じて秀でた実力をもつ人」や「大家」「権威者」を表します。「あの先生は〇〇のオーソリティなんだよ」と言われたら、「〇〇についてあの先生の右に出る人はいない」という意味です。

■どんな人が「オーソリティ」と呼ばれる?

ある分野において、圧倒的に優れた知識・能力・経験をもった人。しかもそのことが周知されていて、その人の発言や意見には誰もが注目する、という人を「オーソリティ」と呼びます。信頼される人や尊敬される人だけに与えられる称号のようなものですね。それは他人が評価するものですから、「私は〇〇のオーソリティ」と名乗る人は怪しいと疑って正解。

■オーソリティの「もうひとつの意味」

また、人を評するだけでなく、「公認された権威」や「信望のある威信」「委任された権限」といった意味でも使われます。

次に、ビジネスシーンでの使い方を例文で見てみましょう。


【「オーソリティ」の「ビジネス例文」】

■1:「該当分野でのオーソリティに評価してもらうことが、消費者への大きなアピールとなります」

■2:「オーソリティとして世界的に活躍している〇〇先生に監修を依頼しよう」

■3:「競合A社がオーソリティをもっていることは如何ともしがたい事実だ」


【「オーソリティ」の「類似語」「言い換え」】

「オーソリティ」を別の言葉で表すには、下記のワードやフレーズが使えます。

■権威者 ■第一人者 ■専門家 ■大御所 ■その道のプロ ■トップランナー

「その道のプロ」や「トップランナー」は少々くだけた表現ですが、状況によってはこんなワードを使う方がこなれた文章になります。


【よく似た「オーソライズ」と「オーサー」について】

「オーソリティ」と似ている単語に「オーソライズ[authorize]」があります。また、このふたつの単語のもととなった「オーサー[author]」についても知っておきましょう。

■オーソライズとは…

正当と認める、公認するといった名詞。「〇〇社にオーソライズされた商品」は、「〇〇社公認」ということになります。

また、最近注目されている「オーソライズドジェネリック[authorized generic]」とは、先発メーカーが開発した新薬の特許期間が切れる前に、後発他社が特許使用の許諾を受けて製造するジェネリック医薬品を表します。

■オーサーとは…

著者、作者、作家を表す名詞です。原作者は「オーサーシップ[authorship]」といいます。

 

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「オーソリティ」は、社会的なお墨付きを得た人のことだと理解できたでしょうか。「パイオニア(先駆者)」にはなれなくても、誰でも「オーソリティ」になるチャンスあり! 今日もひとつ、学びましたね。

この記事の執筆者
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