昭和8年に建てられた元小学校を、歴史ある建物を活かして作られた京都のヘリテージホテル「ザ・ホテル青龍 京都清水」。京都観光にぴったりな緑豊かな高台に位置する絶好のロケーションを誇りつつ、宿泊することそのものが目的になるようなホテルとしてのデザイン性、快適性も追求したホテルです。
本記事では、歴史ある小学校の面影を残したどこか懐かしいたたずまいと、清水寺まで徒歩8分という観光地のど真ん中にありながらも静謐で上品な京都らしさを堪能できる、唯一無二の魅力あふれる「ザ・ホテル青龍 京都清水」をご紹介します。
懐かしさとラグジュアリーが同居する「ザ・ホテル青龍 京都清水」宿泊レポート
京都の代表的な観光地である清水寺へと続く、京都らしいにぎやかな通りから一歩入ると、まるで別世界に足を踏み入れたかのように空気が変わり、静かで開放的な空間が広がります。
エントランスの奥に法観寺・八坂の塔を望み、京都の風景の一部に溶けこむような空気をまとった「ザ・ホテル青龍 京都清水」。
昭和8年よりこの地にあった「清水小学校」の校舎を、当時のモダンな建築や装飾、デザインを活かしながら、ホテルとしての設備や内装を整えて現代に蘇らせました。
清水小学校は、もともとその外観の装飾や内装デザインが特徴的だとしてデザイン的に評価されていた学校。アーチ状の連窓やスパニッシュ瓦葺屋根、外壁にはめ込まれた格子模様の装飾など、今も残された部分にその特徴を見ることができます。
校庭は中庭になり、教室は客室に生まれ変わりましたが、階段や廊下などは昭和の学び舎の面影を残しており、どこか懐かしい趣がそこかしこで感じられます。
階段の手すりには、彫刻刀のいたずら書きも。あえてそのまま大切に保存しているのだそう。階段をのぼり、手すりのいたずら書きを発見すると、小学校にタイムスリップしてきたような気持ちになります。
校舎の面影が残るクラシカルな「スーペリアキング」に宿泊
この日宿泊したのは、クラシカルな「スーペリアキング」。キングサイズのベッドと、ワーケーション利用もできそうな机、大きなテレビなどが備え付けられた、広くて明るいお部屋です。
ホテルとしての快適性はありながら、窓枠や梁から教室の面影を感じられる内装。昔、清水小学校に通っていたという卒業生が、かつて自分の教室だった部屋に宿泊したいと言って予約をするケースもあるのだそう。
足を伸ばして広々使える快適なバスルームも。ホテルに大浴場はありませんが、こちらのお風呂で十分リフレッシュできました。
広々空間をひとり占めできる「プライベートバス」もおすすめ
お部屋のバスルームも素敵ですが、”桜”、”山鳩”、”清水”と名付けられた全3室の「プライベートバス」も見逃せません。4名まで利用できるので、家族でゆったりお風呂に入りたいときにおすすめ。今回は“清水”を見せていただきました。
入ってみて、まず驚くのが天井の高さ。3メートル以上もの天井高があり、実際の広さ以上の開放感とくつろぎが得られます。
タオルやアメニティ、ドライヤーも揃っていて、自由に使用してOK。90分たっぷりと癒やしのリラックスタイムを過ごせますよ。
夕日が差し込むホテルのテラスでまったり
「ザ・ホテル青龍 京都清水」の過ごし方はさまざまですが、ホテル2階の宿泊者専用のテラスから眺める夕景は外せません。眺めのよさではルーフトップバー「K36 Rooftop」も人気ですが、隠れた穴場とも言えるのがこちらのテラス席です。目の前の沈みゆく夕日が建物を照らし、なんともノスタルジックな雰囲気を醸します。
西日が差し込むホテルの廊下も光の加減が絵画のように美しく、思わず足を止めてしまいました。廊下には、京都ゆかりのアーティストが制作した学校を連想させるような作品も。廊下を歩くだけで、美術館巡りをしているような有意義な時間を過ごせます。
どこを切り取っても絵になるホテルですが、夕方は特に映えると感じました。訪れた際は、アート作品とともにお気に入りのスポットを見つけてみてください。
昼夜問わずカジュアルにお酒を楽しめるバー「K36 The Bar & Rooftop」
ホテル4階にある、宿泊客でなくても利用できるバー「K36 The Bar & Rooftop」は、地元の人々にも愛されるスポット。周囲に高い建物がないため、屋外の「K36 Rooftop」からは京都の街並みや東山の峰々、法観寺・八坂の塔の眺望など、昼夜問わず美しい景色を楽しむことができます。
元教室を活用した室内の「K36 The Bar」は、落ち着いた雰囲気のオーセンティックなメインバー。洗練された大人の空間で、特別なひとときを過ごせます。
京都の伝説的バーテンダーである西田稔氏をバトラーとして迎え、ここでしかいただけないオリジナルレシピのカクテルが多数用意されています。西田氏が作るカクテルを飲むためにここを訪れる熱心なファンも多くいるのだそう。
西田氏の代名詞とも言われるジントニックをいただきました。さわやかなライムの香りと弾ける炭酸が最後のひと口まで感じられる、清涼感あふれる一杯です。
カジュアルな「K36 Rooftop」と、クラシックな「K36 The Bar」は、同じ「K36」の名を冠していても雰囲気がまったく異なります。
カクテル初心者でもカクテルマニアでも、老若男女問わずどんな人でも楽しめる懐の広さを感じる「K36 The Bar & Rooftop」。ぜひそのときの気分にあわせて、RooftopかThe Barかを選んでみてください。
問い合わせ先
メインを選べる「Well-being Breakfast」ですっきりとした目覚め
朝食は、1,100冊もの書籍が並ぶ図書館を彷彿とさせる「restaurant library the hotel seiryu」(2階)にて。元講堂を保存・活用したレストランです。
こちらでいただけるのは、昨年10月から提供されている「Well-being Breakfast(ウェルビーイング ブレックファスト)」。コロナ禍における健康志向の高まりを受け、「Well-being」をテーマに、メインディッシュに柳澤厚生医師監修による医学的根拠をもとにした食材の説明を用意しています。
メインディッシュは、卵料理のほか数種から選べるアメリカン・ブレックファストまたは和朝食から選ぶことができます。どんな栄養がとれて、どんなふうに体にいいのかが丁寧に書かれたメニューを見ながら、好きなものを選ぶ楽しみ、健康について学べる喜びを体験できます。
この日は「京の和朝食膳」を選びました。栄養豊かな彩り和膳は、ビタミン・ミネラル・タンパク質から発酵食品まで幅広い旬の食材を使い、体を目覚めさせる一日のスタートにぴったり。
日本人の定番、白ご飯と味噌汁で体もポカポカ。体のスイッチがONになるのを感じられました。
デュカス・パリ監修の「ブノワ 京都」でアフタヌーンティーをいただく
1912年パリにオープンして以来100年以上続く老舗ビストロ「ブノワ」の味が京都で楽しめるとあって、オープン時から話題となっていた「ブノワ 京都」。現在はアラン・デュカスが設立したデュカス・パリが受け継ぎ、ニューヨークや東京にも店舗を構える「ブノワ」では、フランスの伝統的なビストロ料理にモダンなエッセンスを取り入れた料理が楽しめます。
内装や家具からもフランスの息吹を感じられる「ブノワ 京都」で、2021年7月より登場したアフタヌーンティーをいただきました。
ウェルカムドリンクが提供されて、アフタヌーンティーがスタート。
季節によってメニューは変わりますが、「ブノワ」で人気のデザートや「ル・ショコラ・アラン・デュカス」の焼き菓子、フランス料理のフィンガーフードなど、ここでしかいただけない個性的なメニューが並びます。
この日のアフタヌーンティーのメニューはこちら。
木のプレートにスイーツが、銀のお皿にセイボリーがのった、アフタヌーンティーには珍しいスタイルです。
スイーツは7種。写真奥左から、なめらかなクリームとサクッとしたサブレの食感が楽しい「グリオットチェリーのクリームとサブレ」、バラの香り漂う「ライチローズシュー」、しっとり食感の「抹茶のフィナンシェ」。
写真手前左から、ゴマがアクセントに効いた濃厚な「ル・ショコラ・アラン・デュカス東京工房のチョコレートとゴマのビスケット」、さわやかな酸味の「レモンと柚のタルト」、ベリーの酸味とタルト生地&カスタードの甘みがベストマッチの「季節のフルーツとココアのタルト」です。
フィナンシェやシュー、タルトの内容は季節によって変わります。
グラスに入ったデザートは「サヴァラン・アルマニャック・シャンティ」。「ブノワ」を象徴するデザートです。
柑橘系のシロップをその場でたっぷりとかけてひたひたにし、空気を多く含ませて食感をまろやかにしたシャンティクリームと一緒にいただきます。じゅわっと染み出すシロップとなめらかなクリームの相性が抜群で、ペロリといただけてしまいます。
セイボリーは3種。
中央が「信州サーモンの燻製、キャビア・ゴールド」。燻されたぷりぷりのサーモンと塩味のきいたキャビアがたまりません。その左が「パテ・ド・カンパーニュ、玉ねぎのコンポート、ピスタチオ、紫蘇」。小さいながらお肉や玉ねぎの旨みがしっかり感じられ、ピスタチオの食感と紫蘇の風味がアクセントに。右は野菜たっぷりの「ベジタブルサンドイッチ、カクテルソース」です。
そしてレーズン入りのスコーンには、ラズベリーのクロテッドクリームとマーマレードを添えて。
こちらのスコーン、一般的なスコーンに比べてややふわっとしたしっとり感のある生地が特徴的。ちっともパサつかず、とても美味。クリームやジャムで“味変”できるので、お腹いっぱいでも食べられてしまいます。
スイーツとセイボリー、それぞれに個性的で繊細かつ上質な味わい。全体的にボリューミーではありますが、飽きずに食べ切れるアフタヌーンティーでした。
なお、「ブノワ 京都」はランチは11:30~15:30、アフタヌーンティーは13:30~16:30、ディナーは17:30~22:00の営業となります。
問い合わせ先
京都観光に出かけるのにぴったりな立地ではありますが、滞在するだけでもほかにはない特別な時間を過ごせる「ザ・ホテル青龍 京都清水」。ホテル内のレストランやバーで、食の楽しみも存分に味わってくださいね。
問い合わせ先
- ザ・ホテル青龍 京都清水
- TEL:075-532-1111
住所/京都府京都市東山区清水二丁目204-2
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 小林麻美