大人女性にふさわしいのは、高級感あるワンランク上のウエディング。特に高級ホテルのウエディングは、挙げる側としても、参列する側としても憧れのシチュエーションです。
どちらの立場となっても、ふるまい方やマナーを心得ておけば、さらに優雅な時間が過ごせそう。
そこで今回は、元リーガロイヤルホテル、ザ・リッツ・カールトン大阪のウエディングプランナーで、現在は幸せな結婚をサポートする、ウエディングコンサルタントとして、ホテルなどのクライアントを数多くもち、専門学校のブライダル科の学科長も務める岡澤ひとみさんに、高級ホテルウエディングの特徴やトレンド、結婚式の挙式・参列マナーを教わります。
すべてがホテル内でそろうのが「高級ホテルウエディング」の魅力
結婚式といえば、今ではホテルのほか、専門式場やレストラン、ゲストハウスなど多様な場所で行われています。中でも高級ホテルでのウエディングの特徴は「すべてがホテル内でそろう」「本物が用意できる」ところにあるのだそう。
「世界のVIPをお迎えすることの多いホテルは、高級ホテルであればあるほど、すべてがホテル内でそろうようになっています。希少なワインや、こだわりのお料理はもちろんですが、ホテル内のフラワーショップや美容室にエステサロン、高級ブティックなどが並びます。有名なブランドのお店も多く、本物のアイテムを用意できるのが、高級ホテルの懐の深さであり魅力ではないでしょうか」(岡澤さん)
トレンドは「パーソナライズド ウエディング」
そんな高級ホテルウエディングの最近のトレンドを、岡澤さんは次のように話します。
「最近のトレンドといえば、新郎新婦のこだわりやテーマを形にする『パーソナライズドウエディング』でしょう。ウエディングも主役のふたりに合わせ、デザインする時代がきています。高砂席を設けず、ゲストと同じ目線のソファー席を新郎新婦の席として用意したり、BGMの重要性を考えDJブースを用意したりと、おふたりのこだわりを叶える結婚式が生まれています」(岡澤さん)
知っておきたい結婚式への参列マナー6つのポイント
次に、高級ホテルでの結婚式や披露宴に参列するときのふるまい方やマナーを確認しましょう。すでに何度も参列し、ある程度マナーは知っているものの、意外と気づいていないことがあるかもしれません。岡澤さんに、大人女性が知っておきたい参列時の意識やマナーを教えていただきました。
■1: いちばんのお祝いは「祝福の気持ち」
「『祝福』の気持ちがいちばんのお祝いです。新郎新婦ふたりの幸せやご両家の繁栄をお祝いする温かな気持ちで参加し、初めて出会うゲストの方々とも気さくにコミュケーションをされることは、新郎新婦への何よりものお祝いになります」
■2:招待状の返事はできるだけ早めに
「新郎新婦が入念なご準備をされる披露宴、招待状のお返事はとにかく早めにお送りしましょう。ひと言お祝いの言葉を添えることで、より気持ちが伝わります」
■3:写真撮影・SNS投稿には気を付ける
「高砂席での新郎新婦の写真撮影や、ふたりを引き留めての写真撮影は、パーティーの進行の妨げにならない程度で済ませましょう。また、新郎新婦に許可を取らないままSNSへ配信するのも避けましょう。おめでたいことではありますが、プライベートなことですので、配慮が必要です」
■4:服装は細かな配慮を
「参列の服装は『新郎新婦が主役』であることを忘れず、目立ちすぎたり、逆にカジュアルすぎたりしないよう注意します。爬虫類の革製品も控えます。また花嫁の方の『白』とかぶらないように白い服装は避けるというマナーはよく知られていますが、生成りやクリーム、薄いシルバーなども、遠くから見たときに『白』に見えてしまうこともありますので、注意が必要です。反対に、全身黒いお洋服で参列されることも不祝儀と重なり、あまりおすすめできません」
■5:中座はなるべく避ける
「料理が席に運ばれた後、喫煙やお化粧室などで長く席を外し、お料理が冷めてしまいそうな場合は、ホテルでも一旦下げて、出し直してくれることもあります。とはいえ、なるべく中座は避け、新郎新婦からのおもてなしの料理ですから、おいしくいただくのもひとつのマナーです」
■6:引出物やメニューカードなどは丁寧に扱う
「引出物やプチギフト、席次表やメニューカードなどは、新郎新婦が長い時間をかけ、選ばれたり作成されたりしたものですので、できるだけ丁寧に扱いましょう。その場で誰かに差し上げたり、持ち帰るのを忘れたりするのは、新郎新婦をガッカリさせてしまう行為になります」
結婚式をエレガントに挙げる、「花嫁の心得」5つのポイント
今後、高級ホテルでのこだわりの挙式や披露宴を考えているなら、ぜひ大人女性ならではのエレガントなふるまい方やマナーなどのポイントを押さえておきましょう。
■1:当日はすべての方に感謝と笑顔を
「感謝のお気持ちを素直に伝えることができる花嫁は素敵です。ゲストのお車代や、スピーチをお願いしたりした方へのお礼など、用意万端でお迎えになることでしょう。そうした方々への感謝はもちろん、当日は関わるすべての方に恥ずかしがらず『ありがとう』のお言葉と最高の笑顔をプレゼントなさってください。それだけで、ゲストやご家族、ホテルのスタッフは幸せのおすそ分けをいただいて、幸せな気持ちになります」
■2:美しくエレガントな姿勢や動作を意識
「美しい姿勢でいることは、何より輝いて見えるポイントです。美しい姿勢と目線、歩き方は、ドレスやお着物を引き立たせてくれる条件でもありますので、ぜひ注意してみてください。ナイフやフォークを持つ手元も意外と注目されますので、使用中のおしゃべりなどの際には注意が必要です。
ロンググローブを手から外すときは、一気に取り外すのではなく、まず半分くらいのところで手首に向かってひとつ折りし、次に指先の部分を引っ張って指を抜き、そっと半分に折ったグローブを引き抜くと、エレガントに外せます」
■3:ゲストへのお酌は不要
「花嫁のゲストへのお酌は不要です。どうしてもお気持ちを表したい場合や、テーブルを回ってお酌をする演出などの場合は、瓶を持って歩かず、テーブルに到着してからサービスマンに瓶を渡してもらいましょう。事前にプランナーさんに伝えておくとスムーズです」
■4:スピーチは事前に依頼
「披露宴で、インタビュー形式のスピーチをいただく場合でも、必ずご本人にあらかじめお伝えしておきましょう。急な指名は披露宴ではその方に恥をかかせてしまうこともあります」
■5:ゲスト同士の交流にも配慮
「大人の新郎新婦の中には、気づかいとして、ゲストのご縁をつなぐお手伝いをされている方も。メッセージカードに、隣の席の方の紹介を書いてスムーズに会話ができるような工夫をされるなどして、和やかな披露宴を演出されていました」
将来、高級ホテルで挙式や披露宴を考えている場合や、参列予定がある場合は、ぜひこれらのことを意識してエレガントにふるまいたいですね。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利