雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、ワークスペース「ルミナリー」創設者 ケイト・ルッツィオさんの活動をご紹介します。
リアルでもオンラインでもつながれる、女性のためのワーキングスペースを
大手銀行で財務責任者などを歴任したケイトさんが、そのキャリアを手放してまでやりたかったことが、女性のキャリア支援だった。’18年、「企業に女性リーダーを育成するプログラムがほとんどない」ことに危機感を抱き、マンハッタンのノマド地区に会員制ワークスペースを開設。多様なワークショップを開催した。
「リーダーシップ講座、ワークライフバランスやお金をテーマにした講座、テクノロジーやエンタメといった職種別の職業フォーラムなど、女性目線のワークショップを提供することで、女性たちのスキルアップや精神的な準備のサポートをしたかったんです」
当時のアメリカのジェンダー・ギャップ指数(※)は世界51位。男性優位のビジネスシーンで頑張る女性たちが、互いに情報交換できるプラットフォームを目指しての開業だったが、直後にコロナ禍が勃発。閉鎖を余儀なくされた。
「ところが、アメリカ全土、さらには世界中から、『オンラインでワークショップを』という要望が殺到して。私も、こういうときこそ、孤立したり、チャンスを失いそうになったりしている女性たちを、キャリアの路線につなぎとめねば、と奮い立ちました」
現在は3000人を越す個人会員に加え、60社以上と法人契約。屋上にマンハッタンの摩天楼を望むバー&レストラン、本格的なエクササイズスタジオや最新のコスメプロダクツが揃うビューティサロンも併設という、女性にうれしい環境もモチベーションを上げる。最近はオンラインミーティングの際のメイクや着こなしを学ぶマナー講座が人気だとか。女性だからこそ、の目線を大切に、ケイトさんの支援は続く。
【SDGsの現場から】
●仕事がはかどるワーキングラウンジ
●プレゼンに向けて勝負メイク!なキャリア女性も
※ジェンダー・ギャップ指数とは…世界経済フォーラムが毎年発表している、世界各国の男女格差を指数にしたランキング。2022年度はアメリカが27位、日本は116位。
- PHOTO :
- Hiroshi Abe
- WRITING :
- 剣持亜弥(HATSU)
- EDIT&WRITING :
- 大庭典子、喜多容子(Precious)
- 取材 :
- Junko Takaku