「We’ve been expecting you(あなたを待っていました)」2022年10月18日、映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』でお馴染みのセリフとともに、6代目ジェームズ・ボンドの俳優であるダニエル・クレイグへ、故エリザベス2世に代わって勲章を授けるシーンが英国王室のSNSでシェアされ、話題を呼んだアン王女(プリンセス・ロイヤル)。

ウィンザー城で行われた叙勲式で、ジェームズ・ボンドと同じ「聖マイケル・聖ジョージ勲章」を授与したダニエル・クレイグの英姿もさることながら、アン王女の72歳とは思えない、まっすぐな立ち姿の美しさも印象的でした。エリザベス2世の国葬では、葬列やVigilの儀式(棺を囲んで黙祷)に軍服で登場。まるで男装の麗人ようなかっこよさで、今あらためてスポットライトを浴びている、王女のスタイルを紐解いていきましょう。

■1:女王への敬意に満ちたタイムレスなブラックの装い

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足元は透け感のあるタイツに、控えめなリボンのついたパンプスでスッキリと。

2022年9月10日、スコットランド・バルモラル城での献花に登場した際の1枚です。1997年のダイアナ妃の葬儀と同じブローチを留めたダブルブレストのジャケットにペンシルスカート、の落ち着いたブラックスタイルです。襟元にモノトーンのスカーフをあしらいエレガンスをひと匙。タータンチェックの縁取りが施されたバッグは、女王が急逝したとき黒いバッグを持ち合わせていなかったため、急遽ギフトショップで購入した品物なのだとか。

■2:赤でドラマティックに英国風トラッドを着こなして

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ペンギンのボディカラーとも好相性な配色

2022年6月3日、プラチナジュビリーの祝賀行事の一環として、スコットランド・エジンバラ動物園のペンギンの檻で餌やりに挑戦。スタンドカラー&フロントのボタンがミリタリーエッセンスを感じさせるジャケットに、センタープレスのパンツで登場しました。スリムなシルエットのジャケットは今シーズンのトレンドである鮮やかな赤。ヘリンボーンに赤のチェックがミックスされたパンツで、さりげなく統一感ある装いにまとめています。

■3:引き締まったスタイルに映えるジェンダーレスなマリンルック

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ゴールドのボールイヤリングにミニマルながら品格が光ります。

2022年4月21日、第二次世界大戦のDデー上陸作戦で使用された最後の上陸用舟艇を見学するためにイギリス・サウスシーを訪門。立体的な襟が特徴のピーコートとチノパンツ、デッキシューズのコーディネートで登場しました。ジェンダーレスな装いに、首元とリップの赤が程よいフェミニンさを添えています。


得意な乗馬では、1976年のモントリオールオリンピックにイギリス代表として出場したことも。体育会系プリンセス・アン王女のハンサムコーディネートをご覧いただきました。華やか過ぎないものの、インテリジェンス漂う王女のスタイルは、背筋が伸び、すらっとした美しい立ち姿も相まって、タイムレスで圧倒的な存在感を放っています。

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PHOTO :
Getty Images
WRITING :
神田朝子