コロナ禍により一時期は休止などを余儀なくされてきたライブパフォーマンスも、現在は対策をとりながら徐々に復活してきています。同じ空間でこそ味わうことのできる“生の感動”は、やはり別格! 一期一会ともいえる“生きた舞台”との邂逅は、私たちを想像を超えた境地へと導いてくれます。

そこで、開場25周年というアニバーサリーイヤーを迎えた新国立劇場で開催される数多くのパフォーマンスの中から、今回は注目のオペラ2作品をピックアップ! あらすじや見どころについて、ご紹介いたします。

■『ドン・ジョヴァンニ』世界最高峰の贅沢な顔ぶれが終結! 史上最強のプレイボーイの華麗な恋の遍歴と、衝撃的な最期

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新国立劇場「ドン・ジョヴァンニ」2019年公演より(撮影:寺司正彦)

日本でも「好色漢」や「女たらし」の意味で使われることのある「ドン・ファン」。スペインの伝説の色事師が語源なのですが、その伝説を元にしたオペラ作品が、モーツァルトの傑作『ドン・ジョヴァンニ』なのです。(「ドン・ファン」のイタリア語名が「ドン・ジョヴァンニ」)

アサガロフ演出では主人公を18世紀に実在した色男カサノヴァになぞらえ、舞台を仮面祭でも有名なイタリアのヴェネツィアに移しています。

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新国立劇場「ドン・ジョヴァンニ」2019年公演より(撮影:寺司正彦)

【『ドン・ジョヴァンニ』あらすじ】
無類の色男ドン・ジョヴァンニが、ある晩騎士長の娘ドンナ・アンナのもとに忍び込むも、アンナに騒がれ、駆けつけた騎士長を刺殺してしまう。従者のレポレッロと逃げる途中でかつて捨てた女ドンナ・エルヴィーラに追い回されたり、結婚直前の村娘ツェルリーナを口説いたりと放蕩の限りを尽くす。やがて悪行がばれて逃げ出した先が、決闘で殺した騎士長が眠る墓場。ドン・ジョヴァンニは、不敵にも騎士長の石像を晩餐に招く。石像は彼に改悛を迫るが、拒んだため地獄に落とされる。

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新国立劇場「ドン・ジョヴァンニ」2019年公演より(撮影:寺司正彦)

今回の公演では、12年ぶりの新国立劇場登場となる名匠パオロ・オルミが指揮を、世界各地の劇場で100回以上ドン・ジョヴァンニを歌ったイタリアの大人気歌手シモーネ・アルベルギーニがドン・ジョヴァンニ役を務めるという最高の組み合わせ! さらに、世界中から精鋭歌手が集い、否が応でも期待が高まります。

喜劇でもあり悲劇でもあるストーリー、劇的で疾走感に満ちた場面展開、あらがえないほどの魅力にあふれた主人公と個性に満ちた登場人物たち、モーツァルトによる美しい旋律…オペラ初心者にも見どころが多く、楽しめる作品です。どうぞお見逃しなく。

〈オペラ『ドン・ジョヴァンニ』詳細〉

  • 公演日程/2022年12月6日(火)~12月13日(火)
    会場/新国立劇場 オペラパレス
    チケット料金/S:¥24,200・A:¥19,800・B:¥13,200・C:¥7,700・D:¥5,500・Z(当日のみ):¥1,650

■『アイーダ』壮大かつ豪華絢爛な歴史絵巻! 世界各地の劇場で人気を誇る、古代エジプトの愛の悲劇

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新国立劇場「アイーダ」2018年公演より(撮影:寺司正彦)

4月に開幕するのは、古代エジプトを舞台にしたヴェルディ後期の大作『アイーダ』。1998年の開場記念公演として制作された巨匠ゼッフィレッリの豪華絢爛な演出には、新国立劇場ならではのダイナミックな舞台転換が盛り込まれました。開場25周年を記念する今回の公演でも、音と視覚の大スペクタクルが期待されます。

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新国立劇場「アイーダ」2018年公演より(撮影:寺司正彦)

【『アイーダ』あらすじ】
エジプト軍の若い将軍ラダメスは、王女アムネリスに仕える奴隷アイーダを敵国エチオピアの王女と知らず、密かに愛し合っている。ラダメスはエチオピア征伐軍総司令官に任命されるが、アイーダはラダメスへの愛と、祖国エチオピアへの想いの間で苦しむ。ラダメスは戦いに勝利し、エジプト王から報奨としてアムネリスとの結婚を命じられる。アイーダは父王の命でラダメスから軍事機密を聞き出すが、ラダメスはその罪で死刑を宣告される。地下牢で独り死を待つラダメスの前に牢にアイーダが現われ、二人は永遠の愛を誓いながら死を待つ。

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新国立劇場「アイーダ」2018年公演より(撮影:寺司正彦)

まさに豪華絢爛! そんな形容がぴったりなオペラ『アイーダ』は、世界中の歌劇場で高い人気を誇る演目です。古代エジプトをイメージしたエキゾチックな衣装や舞台美術は、圧巻の一言。特に前半の“凱旋の場”は、歌手、合唱、バレエ、助演が織りなす迫力に圧倒されること間違いありません。

今回はヴェルディを得意とする名匠カルロ・リッツィを指揮に迎え、アイーダに名ソプラノのセレーナ・ファルノッキア、ラダメスに世界最高峰のテノール、ロベルト・アロニカをキャスティング。望みうる最高のキャストを揃えての公演です。オペラファンならずとも見逃す手はありません!

〈オペラ『アイーダ』詳細〉

  • 公演日程/ 2023年4月5日(水)~4月21日(金)
    会場/新国立劇場 オペラパレス
    チケット料金/S:¥29,700・A:¥24,200・B:¥16,500・C:¥11,000・D:¥5,500・Z(当日のみ):¥1,650

※紹介した公演は、新型コロナウイルス感染予防、拡散防止対策をとって上演されます。新国立劇場における新型コロナウイルス感染拡大予防への取り組みと主催公演ご来場の皆様へのお願いは、公式サイトをご確認ください。
※新型コロナウイルス感染症の影響により、公演内容やスタッフ・キャストに変更が生じる場合があります。
※掲載したチケット料金は、すべて税込みです。

問い合わせ先

新国立劇場オペラサイト

TEL:03-5352-9999(ボックスオフィス)

この記事の執筆者
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WRITING :
長水香李