日本全国に温泉宿は数多あれど、情報の海のなかから本当に満足度の高い一軒を見つけ出すのは至難の業。そこで、本連載では、国内外の温泉を巡りその神髄を知り尽くした温泉ジャーナリスト・植竹深雪さんに、自ら足を運び五感で確かめた上質な宿をピックアップしてもらいました。
極上の湯に癒されるのはもちろん、その土地ならではの美食やホスピタリティで心ゆくまでリフレッシュしたい! そんな大人の女性のニーズに応える至福の旅をナビゲートします。今回ご紹介するのは長野県松本市・美ヶ原(うつくしがはら)温泉にある「旅館すぎもと」です。

公式サイト
独自の美意識と趣向を凝らした空間で心ほどける名湯にひたる
松本城から車で約15分。城下町の賑わいを抜けた先に現れる美ヶ原温泉は、かつて松本城主の別荘「御殿の湯」が置かれた歴史ある湯の里です。なかでも「旅館すぎもと」は、独自の美学が貫かれた大人のための上質な宿。民芸家具と本格的なオーディオが配された空間で、温泉だけでなく、お酒や美食、音楽にもひたりたい人に特別な旅時間を提供してくれます。
「美ヶ原温泉は、古くは『束間(つかま)の湯』と呼ばれ、日本書紀にも記されたとされる名湯。『旅館すぎもと』は、1300年以上続く悠久の歴史を肌で感じることができます。泉質は、アルカリ性単純温泉。肌になじむ優しい浴感の湯に浸かると、肩の力がすっと抜けていくような穏やかな心地よさに包まれます。
館内には、趣の異なる湯処が点在し、滞在中は歴史ある名湯を24時間堪能できるのも魅力のひとつ。そのうち貸切檜風呂は源泉かけ流しで、さまざまな成分がブレンドされた湯の良さをよりダイレクトに感じられます。また、広々とした大浴場は風情もあり、湯巡りするうちに自然と呼吸が深くなるようなリラックス感が得られました」(植竹さん)
大浴場の露天風呂「月見池」は、青石を敷き詰めた趣のある湯船が印象的。落ち着いた色合いの石肌と水面の揺らぎが美しく、時間帯によって移ろう光を感じながら、静かに湯に身を委ねることができます。
大浴場・内湯の「白糸の湯」は、木曽の五木を使用した自然の温もり溢れる空間。柔らかな香りに包まれながら湯に浸かるひとときは、心までほどけていくような安らぎをもたらしてくれます。
さらに、プライベートな湯浴みを楽しみたい人には、貸切風呂も用意されています。木の質感を生かした源泉かけ流しの貸切檜風呂では、周囲を気にせずゆったりとした時間を過ごすことができ、もうひとつの貸切露天寝湯「さざれの湯」では、湯に横たわって身を預けながら外気を感じるという、開放感溢れる入浴体験が可能です。
それぞれに異なる趣をもつ湯処を巡りながら、その日の気分に合わせて過ごし方を選べるのも、この宿ならではの楽しみでしょう。
館主の手打ち蕎麦が絶品!銘酒と共に信州の旬を味わい尽くす
美食の宿として知られ、料理を目当てに足を運ぶリピーターも多い「旅館すぎもと」。美ヶ原温泉の旧称にちなんで「束間野会席」と名付けられた創作会席コースは、食と酒に造詣の深い館主のこだわりが宿り、この土地の歴史や風土を一皿一皿に映し出した内容です。
信州牛や川魚、時季の野菜・山菜などを生かした創作料理、郷土食の馬刺しや安曇野のコシヒカリを使用した季節の釜飯など、旬を見極め土地の魅力を余すことなく引き出す構成で、滋味を丁寧に重ねていくような料理の数々に宿の矜持が感じられます。
その「束間野会席間」のなかでも一日十食限定の稀少なメニューは、館主自らが打つ「十割蕎麦」。「打ち立て、切り立て、茹でたて」に徹底的にこだわり、香り高くのど越しよく仕上がった蕎麦は、信州の水と風土の豊かさをそのまま映したような一品で、食事の締めにふさわしい余韻をもたらしてくれます。
また、館内には和洋を問わずお酒のラインナップが豊富な本格的なバーを設置。温泉で温まり、夕食を堪能した後、ふらりとバーに立ち寄り極上の一杯を嗜む…。ジャスが心地よく流れる空間で静かにグラスを傾けるひとときは、旅の満足度をより一層引き上げてくれることでしょう。
以上、長野県・美ヶ原温泉「旅館すぎもと」をご紹介しました。温泉はもちろん、食や酒、音楽まで含めて上質な時間を過ごしたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 旅館すぎもと
- 住所/ 長野県松本市里山辺451-7
- 客室数/全15室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名 ¥23,500~(税込) - TEL:0263-32-3379
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















