日本全国に温泉宿は数多あれど、情報の海のなかから本当に満足度の高い一軒を見つけ出すのは至難の業。そこで、本連載では、国内外の温泉を巡りその神髄を知り尽くした温泉ジャーナリスト・植竹深雪さんに、自ら足を運び五感で確かめた上質な宿をピックアップしてもらいました。
極上の湯に癒されるのはもちろん、その土地ならではの美食やホスピタリティで心ゆくまでリフレッシュしたい! そんな大人の女性のニーズに応える至福の旅をナビゲートします。今回ご紹介するのは佐賀県・嬉野温泉にある「旅館 吉田屋」です。

公式サイト
花を愛でながら美人の湯を堪能!肌と心に磨きをかける
佐賀県の南西部に位置し「日本三大美肌の湯」のひとつとされる嬉野温泉は、1300年以上の歴史を有する名湯。さまざまな成分を含んだなめらなかな湯が肌を整えてくれると評判で、多くの旅人に親しまれてきました。
その嬉野は今がまさに春の盛り。温泉街を流れる嬉野川沿いに桜が咲き誇り、柔らかな光に包まれた景色が訪れる人を出迎えます。そうしたうららかな情景に寄り添うように佇むのが「旅館 吉田屋」。嬉野川に面したモダンな宿で、美人の湯をゆったりと楽しめる一軒です。
「嬉野温泉の主な泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉。化粧水のようなとろみのある湯が皮脂や角質を洗い流し、湯上りにはむき卵のようなつるすべ肌に近づけるという温泉です。『旅館 吉田屋』では、その美人の湯を内湯、露天、貸切風呂と異なるスタイルで堪能できます。さらに、宿泊客は徒歩圏内にある系列施設の温泉等を無料で利用できる特典もあり、湯巡り気分も存分に味わえるのが至福です」(植竹さん)
大浴場は、「熊野湯」と「豊玉湯」の2種。「熊野湯」は、内湯と露天風呂を備えた浴室で、8トンもの一枚岩をくり抜いた露天風呂の浴槽が存在感を放ちます。「豊玉湯」は、4つの浴槽とサウナがある癒しのスパ施設。黒を基調としたシックで洗練された空間は、国際的なデザイン賞である「ジャーマンデザインアワード2026」を受賞しています。
嬉野はお茶処でもあることから、サウナストーンにお茶エキスの入った水をかける「嬉野茶ロウリュ」というユニークなサービスもあり、お茶の香りに包まれながら整うというご当地ならではの体験も可能です。
さらに、建物内外に足湯施設も完備。「足湯サロン クロニクルテラス」では、バーカウンターに足湯が設置され、足湯に浸かりながら飲食できるのが特色。一方、屋外の足湯は開放的な空間で嬉野の心地よい風を感じながら入浴できます。とりわけ春は、柔らかな日差しのなかで花見しながら足湯に浸かれるのが季節限定の贅沢です。
オリジナル料理が絶品!名産や温泉を生かした創作会席に舌鼓を打つ
「旅館 吉田屋」の料理は、地産地消にこだわった創作会席。佐賀の豊かな風土が育んだ山海の幸が、有田焼や伊万里焼といった美しい器に彩られ、運ばれてきます。
名物は、「嬉野茶しゃぶ」と「湯豆腐しゃぶ」。「嬉野茶しゃぶ」とは、嬉野茶の茶葉を贅沢に使った出汁でいただくしゃぶしゃぶで、鼻を抜ける爽やかな茶の香りが食欲をそそり、カテキン効果でお肉の脂がさっぱりと甘く感じられます。
「湯豆腐しゃぶ」は、嬉野ご当地グルメでもある温泉湯豆腐の進化系。温泉水で湯豆腐をいただいた後、豆腐が溶けだしたクリーミーな出汁で肉や野菜を味わうスタイルです。温泉の重曹成分によって豆腐の角が取れてほろほろに崩れ、泡雪のように優しい口当たりに。豆乳状の出汁にくぐらせると肉も野菜も驚くほど柔らかくなり甘みも際立ちます。
一品ごとに素材のポテンシャルを引き出した料理は、土地の恵みを実感させてくれるものばかり。美しい器と共に味わうひとときが、旅の記憶をよりいっそう豊かなものにしてくれることでしょう。
以上、嬉野温泉「旅館 吉田屋」をご紹介しました。春満開の温泉地で美肌の湯とご当地グルメを満喫したい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 旅館 吉田屋
- 住所/ 佐賀県嬉野市嬉野町大字岩屋川内甲379
客室数/全21室
料金/朝夕2食付き 2名1室 ¥33,000~(税込) - TEL:0954-42-0026
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















