2022年に発表された新作時計のなかから、時計を愛する賢者5人が選び抜いた確かな価値のある一本を、カテゴリーごとに選出する「MEN'S Precious ウォッチアワード 2022」。第5回を迎えた今回も、ラグジュアリーな時を刻む名作時計が一堂に集結!2022年で最も輝きを放った8部門の時計を発表します。
そのなかから今回は、「MEN’S Precious ハイコンプリケーションウォッチ賞」に輝いた、エルメスの『アルソー ル タン ヴォヤジャー』をご紹介します。
「MEN'S Precious ウォッチアワード 2022」審査員
各界のプロフェッショナルがそれぞれの審美眼で厳正に審査!
【MEN’S Precious ハイコンプリケーションウォッチ賞】小さな現実の時間が、想像した地図の上を浮遊する幻想的な世界時計|エルメス『アルソー ル タン ヴォヤジャー』
1978年にアンリ・ドリニーがデザインした『アルソー』から、独自機構を組み込んだデュアルタイムウォッチが新登場。ビーズブラストを当てマットに仕上げたDLC加工のチタンベゼルをプラチナケースに備える。
「馬具をつくり、バッグをつくり、カレをつくった“エルメス”が培ってきた総合力の表れ」並木浩一
時分を表す小さなメインダイヤルが、24のタイムゾーンを割り振られたインジケーターの内側を1時間ごとに周回するという、今まで見たことのない機構。これが、今回「エルメス」がハイコンプリケーションウォッチ賞を戴いた大きな理由である。
「2010年代初頭から “エルメス” が見せてきた独創性は、技術を伴ったもの。彼らは、自分たちがつくりたい時計をつくります。機構から時計をつくるのではありません。そのためには、一からムーブメントをつくる必要があるのです」と並木氏が、ウォッチメーカーとしての優位性を指摘。
「さすがは感性に訴えるストーリーづくりが得意なメゾン。架空の地図上を小さなダイヤルが周回するという幻想的な仕掛けで、時間哲学をロマンで包み込んでいます」と、「エルメス」製品にも通ずる守屋は、ユニークな世界観に共鳴する。
「『カレ』やレザー製品を扱ってきたメゾンのすべてがこの時計に詰まっているといってもいい」と並木氏。
「もちろんレザーストラップも見逃せません」と、モデルとして多くの“エルメス”製品に触れたDaisu
ke氏もダメ押し。旅を愛するメゾンの総合力が見事に発揮されている。
9時位置のプッシャーを押して周回するメインダイヤルの背景となる架空の地図には、エスプリに富んだ地名がつく。
鎧をモチーフとした上下非対称のアルソーケースに、マニュファクチュールキャリバーH1837を搭載。
※掲載した商品は、税込価格です。
※文中の表記は、PT=プラチナを表します。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 池田 敦(CASK)
- STYLIST :
- 関口真実
- COOPERATION :
- BACKGROUNDS FACTORY
- WRITING :
- 高村将司
- EDIT&WRITING :
- 安部 毅、安村 徹(Precious)