知りたい!誰よりもハンサム「ケイト・ブランシェット」スタイル
多彩な役柄をこなす、実力派女優ケイト・ブランシェット。映画での活躍に伴って、目にする機会が増えてきている彼女のプライベートスタイルも、大人のかっこよさが溢れていると熱い視線が向けられています。プレシャス世代のお手本にぴったりな、彼女の着こなしを大研究!
今回は、卓越した演技力と存在感で映画界をリードする彼女について、映画評論家の立田敦子さんに解説していただきました。
シネマのプロが女優ケイト・ブランシェットを解説|卓越した演技力と存在感で映画界をリードして
多くのスター女優がしのぎを削るハリウッドで今、最も尊敬を集めているのがケイト・ブランシェットだろう。オーストラリア出身のケイトが、舞台女優としてのキャリアを経て、国際的に最初に大きな注目を集めたのは、英国の黄金時代を築いたエリザベス一世を演じた映画『エリザベス』(1998年)である。
圧倒的な存在感と演技力からアカデミー賞は確実といわれていたが、結局、オスカー像は、PR戦略が勝った『恋におちたシェイクスピア』のグウィネス・パルトロウに渡ってしまった。
しかしながら、その後、次々にトップクラスの監督の仕事が舞い込み、マーティン・スコセッシ監督の『アビエイター』(’04年)では、『女性No.1』(1942年)で知られる往年の名女優キャサリン・ヘップバーンを演じアカデミー賞助演女優賞、ウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』(’13年)では、裕福な夫との離婚後、人生が崩壊していく女性の痛みを演じきり、主演女優賞を受賞し、雪辱を果たしている。
キャサリン・ヘップバーンは、当時では珍しいパンツルックを好み、現代女性のライフスタイルに大きな影響を与えたといわれているが、新しい女性像を更新し続けるという意味ではケイトにも通じる。『アイム・ノット・ゼア』(’07年)では、女性ながらボブ・ディランを演じ、ベネチア国際映画祭で女優賞を獲得。女性的な体型だが、性別を超えたキャラクターを演じきるあたりは演技者としての度量の大きさを感じさせる。
現在は、劇作家の夫と4人の子供と共にシドニーを拠点に活動しているが、実際に会うと、レッドカーペットでの華やかさとは裏腹に、地に足が着いた女性という印象が強い。審査員長を務めた’18年のカンヌ国際映画祭では、約80人の女性たちを従えてレッドカーペット上で映画界における女性の地位の向上を訴える「ウィメンズ・マーチ」を主導し、注目を集めた。
50代に突入したケイトだが、スクリーンの内外でも、映画界を牽引する “ゴッドマザー” としての活躍に期待したい。(文・立田敦子)
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- Getty Images
- EDIT&WRITING :
- 長瀬裕起子、喜多容子(Precious)