N.Y.発！世界で活躍するアジアンリーダー４人の現地レポート｜ステップアップする女性のリアルな声をお届け！

N.Y.発！アジアンリーダー４人の現地レポート

N.Y.在住の高久純子さんのレポートによると、多様性の街ともいわれるN.Y.においても、その実情は黒人差別や
アジアンヘイトなどの社会問題が根強く残っているようです。そんななかで、アジア女性だからこそ
獲得できる地位や仕事で、しなやかにステップアップする4人の女性たちのリアルな声をご紹介していきます。

サラ・ラフレアさん・「M.M. LaFleur」 CEO｜マイノリティ女性の起業家でも資金調達しやすい環境が必要

サラ・ラフレアさん

’13年に、働く女性にターゲットを絞ったアパレルブランドを立ち上げたサラさん。ハーバード大学を卒業後、投資会社など生き馬の目を抜くような環境でキャリアを積み、その後に起業した理由を、「女性が職場で自己表現できる着こなしを提案したかった」と語る。

「起業の際、女性オーナーに資金提供されるのは全体の約2%であることに愕然。私のような日系女性はさらに投資が受けにくい。投資家たちの姿勢も改善されなければいけないと感じました」

近田知里さん・「CKNY JAPAN」「HEYV」代表｜日系女性ならではの特性をマイナスではなくプラスに生かして

近田知里さん

N.Y.を拠点に、エンターテインメント、ウエルネスに特化したプロデューシング・サービスを提供する近田さん。ボストン大学を卒業後、外資系金融機関に就職し、合併後の派閥が混在する社内調整を指揮する部署で、「スタッフ間の雰囲気を和らげるための細やかな気遣いは、唯一のアジア女性マネジメントだったからできたのかも」と語る。

一方で、「産休が短いアメリカではマストな、搾乳室の設置を会社に進言し実現しました」と職場改善にも貢献した。

キャロリーナ・チアさん・不動産販売・コンサルタント｜自身のアイデンティティを強みに社会貢献していけるのが理想

キャロリーナ・チアさん

大手不動産販売会社でアジア人向けのセールスを担当する、シンガポール出身のキャロリーナさんは、「N.Y.の自由さの陰に横たわる差別は難問。最近は性別などのバイアスが解かれつつありますが、問題解決にはまだ時間がかかりそう」と厳しい現実を吐露。

一方で、N.Y.は人種の坩堝るつぼだからこそ、自身がマイノリティであることをネガティブに意識せずに生活できているとも語る。「アジア系移民のカルチャー的な部分も強みに、社会に貢献していきたい」

メアリー・ブラボーさん・「Google」クラウド・セールス・エグゼクティブ｜多様化が進む企業のなかでアジア人も自己表現していい

メアリー・ブラボーさん

「謙虚なことを美徳とするアジア特有の考えから、キャリアアップに必要な自己アピールを躊躇したり、せっかく声を上げてもアジア人の主張は求められていないんだと感じたことも」。中国からN.Y.へ移住し、在米歴40年というメアリーさんもアジア女性は仕事の場では不利と感じていたのだそう。

しかし、ここ数年で働く環境は変化。「主張が控えめだったアジア人が、声を上げ始めたことはいい傾向だと思います」と語るように、状況は改善されつつある様子。