ここ数年の我慢のときを経て、レストランでの食事を楽しめる機会も増えてきたこの頃。東京のレストランシーンにも新しい名店が次々と誕生しています。『Precious』3月号・別冊付録『最旬「東京モダンレストラン」17』では、2022年オープンの新店を中心に、美味しいもの好きが通っているお店17軒をピックアップ。
今回ご紹介するのは、フードライター・小石原はるかさんがおすすめする、紀尾井町の「マス」です。
マス[紀尾井町]|海中から山頂まで生態系を味わう
「冷たい海 水深5m」「アンデスの森 海抜3260m」。メニューに記されているのは、標高とメインの食材のみ。2022年の「世界のベストレストラン50」で2位となったペルーの「セントラル」を率いるヴィルヒリオ・マルティネスさんが手掛けるモダンガストロノミーで味わうのは、ペルーの生態系。
「世界を縦に見る」をコンセプトに、海中から海抜4000mの間の異なる高度が育む多様な生態系、山脈やジャングルの風景を日本の食材を取り入れながら表現。イノベーティブな料理でありながら、洗練された美味しさで舌にすっとなじむ。
ほの暗い店内は異世界ムード。食べ終える頃にはペルーの山を登り、海岸線を歩いたかのような記憶と、自然への感動が生まれているはず。
「今、最も非日常を味わえるモダンガストロノミー。ペルーの食材も新鮮です」(小石原さん)
「高地の森 海抜1890m」は柑橘の甘酸っぱさが心地いいデザート。みかんベースのムースを、ジャングルに育つグアナバナの白いクリームで包み、レモングラスとカカオのソースで仕上げる。同じ標高に生息する花や果実を表現したムースと共に。
コンブチャ、ベルガモット、さとうきびの蒸留酒を使ったカクテル「コースタルヒルズ」。岩礁に見立てた部分には岩のりを使い、海を丸ごと飲んでいるかのよう。
「海中 水深18m」は、ムール貝のシチューを、スピルリナで染めたひも状のイカで蓋をし、海中で目にするような盛り付けで。
ヘッドシェフのサンティアゴ・フェルナンデスさんは日本の魚介や海藻に興味津々。
「マス」の推し酒
『O-tuber』は、アンデス山脈で古くから食されているオカ(カタバミの地下茎)を発酵させて造る、珍しい甘口のオリジナルワイン。
※掲載価格は、すべて税込みです。
※掲載している料理や商品は、時期によって変更となる場合があります。
※定休日や営業時間など、最新情報は各店舗へお問い合わせ、またはHPやインスタグラムをご参照ください。
〈レストラン詳細〉
- マス
- 2022年7月オープン。
- 営業時間/17:00~20:00(L.O.)
- 定休日/火曜
- 料金/コースは¥27,500(サービス料別/要予約)、野菜だけのコースもあり。
席数/テーブル7卓20席。※ドレスコードあり。 - TEL:03-6272-8513
- 住所/東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町3F
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- PHOTO :
- 長谷川 潤
- EDIT&WRITING :
- 松田亜子、安村 徹(Precious)