おしゃれのセンスを磨き、知性を刺激し、口福を満喫する…私たちが求めるあらゆる“ラグジュアリー”を満たす街、それがパリ! 現在、パリはかつてない勢いでモダンな街へと変貌を遂げています。その一方で、歴史に彩られた美しさ、ゆるぎないエレガンスは守り続けられています。

雑誌『Precious』5月号では、『大人こそ楽しい「パリ」の魅力、再発見!』と題し、あらためて憧れの街・パリについて特集。歳を重ねたからこそわかる、最新の、そしてとっておきの、パリの魅力をお伝えします。

本記事では、ソフィーさんが大人女性におすすめするアドレスやチーズ、ワインなどについてご紹介します。

ソフィーさんが案内する大人のパリアドレス

パリ中心部の歴史的建造物を中心に改築工事が進み、古きよき時代の面影はそのままに、モダンに改装された施設が、新たなパリの顔になっています。そんなニュースと共に、ソフィーさんのプライベートなおすすめも含めた大人のパリアドレスをご紹介します。

ソフィー・ルノワール(Sophie Renoir)さん
女優・写真家
1964年、パリ近郊ブーローニュ生まれ。13歳でアラン・ドロンと共演し映画デビュー。1988年、エリック・ロメール監督作品『L’Ami de mon amie』で、セザール賞新人女優賞を受賞。独学で写真を学び、'20年に初の個展を開く。

■1:ラ・アール・オ・グラン(La Halle aux grains)

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窓一面に、サン・トゥスタッシュ教会やレ・アール側が見渡せる席

18世紀の歴史的建造物を、安藤忠雄氏がフランソワ・ピノーの美術館に改装することで、日本でも注目されていた「ブルス・ドゥ・コメルス(=元パリ商品取引所)」が、一昨年の6月に開館。その最上階に誕生したレストランカフェもまた、3つ星レストラン「ル・スーケ」のオーナーシェフ、ミシェル・ブラス氏が指揮をとることで話題に。

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外観には手を入れず、安藤建築らしい要素が控えめに施され、新旧見事な調和を見せる美術館中央のホール。

ソフィーさんもその独創的な料理はもちろん、窓からの絶景に心を奪われるのだとか。上の写真のようにサン・トゥスタッシュ教会やレ・アール側を望む席と、ホール内部を一望できる席がある。

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ゴシック建築が見事なサン・トゥスタッシュ教会を見渡せる窓側が、ソフィーさんのお気に入り。
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細長いビーツ「ベトラーヴ・クラポディーヌ」をゆっくりローストし、ビーツソースをかけてカボチャの種を添えた春のひと皿。(C)Bras/Halle aux grains/Delphine Constantini
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クリーンなキッチン。建物がかつて穀物市場だったことから、世界中の穀類や種、豆がアクセントに使われている。

〈ラ・アール・オ・グラン〉
Adress/ 2 rue de Viarmes 75001 Paris
URL/ www.halleauxgrains.bras.fr

■2:フランス国立図書館 リシュリュー館(Bibliothèque nationale de France Site-Richelieu)

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天井から自然光が降り注ぐ、楕円形ホール「サル・オバル」。「天井からの明るい日差しとモダンな空間で、調べ物が楽しくなります」(ソフィーさん)

「BnF(ベーエヌエフ)」の愛称で知られる5つのフランス国立図書館のうち、「リシュリュー館」が12年に及ぶ改修工事を終えて、昨年オープン。価値の高い書物が多く、ソフィーさんは絵画や芝居の資料探しと撮影のために通っているそう。

貴重な文化財なのに、新たに一般市民に開かれ、誰でも入場できるように。「大日本印刷」が開発したデジタル鑑賞システムが導入され、近未来の図書館への取り組みが感じられる。

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新たにつくられたモダンな螺旋階段は、なんとアルミ製。未来への階段のようで、写真家ソフィーさんの好奇心をかき立てる。

〈フランス国立図書館 リシュリュー館〉
Adress/ 5 rue Vivienne 75002 Paris
URL/ www.bnf.fr/fr/richelieu

■3:ポール・ベルモンド美術館(Musée Paul-Belmondo)

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(C)Musée Paul Belmondo

ブーローニュに足を延ばしたら、のんびりと立ち寄ってみたいのが、肖像彫刻を得意とした著名な彫刻家ポール・ベルモンドの美術館。フランスを象徴するマリアンヌ像や息子である俳優ジャン=ポール・ベルモンドの幼少期の像も。展示のユニークさも見どころ。

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(C)Musée Paul Belmondo

〈ポール・ベルモンド美術館〉
Adress/ 14 rue de l ‘abreuvoir 92100 Boulogne-Billancourt
URL/ www.boulognebillancourt.com/loisirs/culture/musees/musee-paul-belmondo

■4:ジョセフ・カーティス(Joseph Curtis)

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ジョセフ・カーティス

ブーローニュにあるソフィーさん行きつけのセレクトショップ。カジュアルで着心地のいい、上質な服が揃う。絵画を見ることで養われた配色センスで、カラフルなプリントジャケットを手に取って。

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カラフルなジャケットを手に取るソフィーさん

〈ジョセフ・カーティス〉
Adress/ 16-18 boulevard Jean Jaurés 92200 Boulogne-Billancourt
URL/ https://www.joseph-curtis.fr

■5:オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ

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「コンコルド広場からエッフェル塔を望みながら、パリが一望できるのが素敵!」(ソフィーさん)

ロジア(テラス)に立つソフィーさんが、コンコルド広場からの眺望と、光の美しさに感動した新名所。’15年まで海軍省が使用していた歴史的建造物を改築し、ミュージアムとして一般公開されている。

元は18世紀にルイ15世によって広場がつくられたときに王室の調度品保管庫として建築されたもの。家具を含め徹底的な修復が行われた結果、ベルサイユ宮殿にも劣らぬ壮麗さで復元された。タイムスリップしたかのような3D音声ガイドがおもしろいと評判。

話題の観光スポットも集中するこのエリアを一望できて、レストランからワーキングスペースまで整った複合施設として最もホットな場所に。

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豪華絢爛な調度品も当時のおもかげのまま
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光が差し込む中庭

〈オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ〉
Adress/ 2 place de la Concorde 75008 Paris
URL/ www.hotel-de-la-marine.paris

■6:A2Z アート ギャラリー(A2Z Art Gallery)

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(C)A2Z Art Gallery

パリの現代アートのギャラリーにも新たな動きが見えつつある今、ひとつだけに絞るのは難しいけれど、「大人の女性は旅の思い出にアートを!」という視点で、サンジェルマン・デ・プレ近くのコージーで親しみやすいギャラリーを選択。

パリで人気のコンテンポラリーなアジアの作家のものも多く、美術館クラスの価格帯ではなく、ちょっとしたおもしろいアートが手に入る。

〈A2Z アート ギャラリー〉
Adress/24 rue de I'Echaude 75006 Paris
URL/ www.a2z-art.com

■ソフィーさんのお気に入り(Sophie's Favorite)もご紹介!

シェーブルチーズ(Le fromage de chèvre)

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ソフィーさんお気に入りのチーズ

乳製品が豊富なパリには、美味しくてお手頃なチーズがいっぱい。ソフィーさんはシェーブルがお好き。なかでも『シェーブル・サンドレ』(中)という木炭粉をまぶしたものに、花梨のジュレを塗っていただくのがおすすめだとか。

ほかには、小さめのシェーブル『ペラルドン』(左)。シェーブル以外では、とろけるように柔らかい『ポン・レヴェックAOP』(右)も。

お気に入りのワイン(Vin Blanc et Rouge)

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ソフィーさんお気に入りのワイン

気のおけない友人たちとのディナーは、家に招き合うことが多く、特にパンデミックが収束しつつある今、ホームパーティが復活。

ワインの銘柄は特に決めていないけれど、赤はボルドーかブルゴーニュ、白はプィイフュメ。シャンパーニュは“クリュッグ”と“ルイナール”に。

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PHOTO :
篠あゆみ
HAIR MAKE :
ヘア/谷口佑輔、メイク/御幸 剛
COOPERATION :
片岡ちがや(CKG Fine Art)
EDIT&WRITING :
藤田由美、喜多容子(Precious)
コーディネート :
鈴木ひろこ