20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス(1869–1954年)。純粋な色彩による絵画様式であるフォーヴィスムの創出や、モダン・アートの誕生に大きく貢献したマティスの生涯を辿る展覧会「マティス展 Henri Matisse: The Path to Color」が、東京・上野の東京都美術館で開催中です。

約20年ぶりの大回顧展「マティス展 」

マティスは、84年の生涯を、感覚に直接訴えかけるような鮮やかな色彩と光の探求に捧げました。彼が残した仕事は、今なお色あせることなく観る人を魅了し、後世の芸術家たちにも大きな影響を与え続けています。

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アンリ・マティス(1922年、マン・レイ撮影) (C)Man Ray Trust / Adagp, Paris Photo (C)Centre Pompidou, MNAMCCI/Dist.RMN-GP

現在開催中の「マティス展」は、日本では約20年ぶりとなる大規模な回顧展です。

世界最大規模のマティス・コレクションを所蔵するフランスのポンピドゥー・センターの全面的な協力を得て開催する本展では、絵画に加えて、彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵など、マティスが生涯にわたって製作した多彩な作品を展示しています。

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アンリ・マティス 《豪奢、静寂、逸楽》 1904年 油彩/カンヴァス ポンピドゥー・センター/国立近代美術館 Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle
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アンリ・マティス 《金魚鉢のある室内》 1914年 油彩/カンヴァス ポンピドゥー・センター/国立近代美術館 Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle
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アンリ・マティス《マグノリアのある静物》 1941年 油彩/カンヴァス ポンピドゥー・センター/国立近代美術館 Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle

さらに、晩年の最大の傑作であり、マティス自身がその生涯の創作の集大成とみなした南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料も紹介しています。

建築、装飾、家具、オブジェ、典礼用の衣装などを含むこの総合芸術のために、マティスは、ドローイング、彫刻、切り紙絵など、これまで探求してきた技法を駆使して、光と色と線が融合する空間の創出を目指しました。

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ロザリオ礼拝堂 堂内(C)NHK

本展では、4Kの高精細映像で撮影した「ロザリオ礼拝堂」を約5mの巨大スクリーンにて上映。マティスが愛した午前11時に差し込む冬の光、そして1日の礼拝堂内の光の移ろいを、高輝度・高画質の映像機材で堪能してみてください。


全8章に分けて展示される各時代の作品たちに導かれて、光と色彩を探求し続けたマティスの生涯を辿る「マティス展 」は、8月20日(日)まで開催しています。ぜひ足を運んでみてください。

〈展覧会詳細〉

  • 会期/2023年4月27日(木)~ 8月20日(日)
  • 会場/東京都台東区上野公園8-36 東京都美術館 企画展示室
  • 休室日/月曜日、7月18日(火) ※ただし、5月1日(月)、7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開室
  • 時間/9:30~17:30、 金曜日は20:00まで ※入室は閉室の30分前まで
  • 観覧料/【日時指定予約制】一般¥2,200、大学・高校生¥1,300、65歳以上¥1,500
  • TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
  • 主催/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、 ポンピドゥー・センター、 朝日新聞社、NHK、 NHKプロモーション
  • 後援/在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
  • 特別協賛/大和証券グループ
  • 協賛/ダイキン工業、 大和ハウス工業、 NISSHA
  • 協力/日本航空

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