「ぬれば色」って…どんな色?
明日からやっと連休!という方も多いのでは? 休日の予定をたてる際に欠かせないのが、天気予報ですね。現在はみなさま、当たり前のように天気予報の情報を活用していると思いますが、改めて考えると、未来の空模様や気温を高い精度で予測する、というのは、大変な技術ですよね。
そうした技術に寄与しているのが「気象学」です。明日、5月3日は、1882(明治25)年に東京気象学会(現在の日本気象学会。気象学に関する日本の学術団体)が設立された日ということで、気象学にたずさわる方々に、改めて感謝したいですね。天気予報でもっとも気になるのは「雨が降るのかどうか」「濡れるのかどうか」ではないでしょうか。というところで、本日は「濡」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「濡れ濡つ」ってなんと読む?
「濡れ濡つ」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「びしょぬれになる」という意味の表現です。
<使用例>
「突然の雨で濡れ濡ってしまったから、玄関にタオルを置いておいてくれる?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 濡れ濡つ(ぬれそぼつ)です。
「濡つ(そぼつ)」は、「しっとり濡れる」または「しとしと降る」という意味の言葉で、「濡れ濡つ(ぬれそぼつ)」という言葉では、「濡つ(そぼつ)」の前者の意味が使われています。「濡れ濡つ(ぬれそぼつ)」=濡れに濡れている=びしょぬれになる、というわけです。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「ぬれば色」ってどんな色?
日本古来の色の表現である「ぬれば色」とは、どんな色でしょうか? 以下の選択肢の中から正しいものを選んで下さい。
1:灰水色
2:艶のある黒
3:ピンク
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 2:艶のある黒 です。
漢字表記は「濡羽色(ぬればいろ)」で、「濡れたカラスの羽のように、艶やかな黒」を表現した言葉です。古来、女性の髪の美しさを称える際などに、よく使われてきた表現です。先日、ある方から、「まあ、見事な濡羽色(ぬればいろ)!」と会話の中で感嘆したところ、お若い方が「濡れ場」を連想したのか、「セクシーって意味ですか?」と、トンチンカンな質問をされた…というお話を聞きました。
「濡れ場色」ではなく「濡羽色(ぬればいろ)」です。
***
本日は、天気予報の技術に貢献した方々に感謝しつつ、「濡」という字の入った日本語から、
・濡れ濡つ(ぬれそぼつ)
・濡羽色(ぬればいろ)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/公益社団法人日本気象学会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱