「メンブレ」は「辛(つら)い気持ち」を伝えるSNS発信の若者言葉ですが、何が略されているのか、ご存じですか? 今回は「メンブレ」について、その意味や使い方、対義語を解説。混同しやすい言葉についても説明します。
「【目次】
【「メンブレ」を理解する「基礎知識」】
■何の略? 「意味」は?
『現代用語の基礎知識』(自由国民社)によれば、「メンブレ」は「メンタル・ブレイクダウン」あるいは「メンタル・ブレイク」の略。「精神的に崩壊していること」や「かなり追い詰められた危機的状況」を指す言葉です。「精神的崩壊」といってもシリアスな病気とは異なり、「辛い気持ち」や「激しく落ち込んだ状態」をカジュアルに表現した若者言葉です。ちなみに「メンタル・ブレイクダウン」も「メンタル・ブレイク」も、和製英語です。精神医学的な専門用語ではありません。また、パソコン用語に「メンブレン式キーボード」を略した「メンブレン」という言葉がありますが、「メンブレ」とはまったく関係がありません。
■「元ネタ」は?
「メンブレ」は特に元ネタがある言葉ではなく、女子高生がSNSで使っていることで話題となり、広く一般に使われるようになったとされています。
【「メンブレ」の「特徴」や「使い方」がわかる「例文」5選】
SNSで「辛い」と書くところを「メンブレ」とすることで冗談ぽく演出したり、あえての自虐ネタとして使うこともできます。
■1:「仕事が終わらな過ぎてメンブレ中」
■2:「彼氏からLINEの返信なくてメンブレしそう」
■3:「テストの結果ひどすぎてメンブレ中」
■4:「メンブレ発症してるけど、なんとか元気です」
■5:「メンブレすぎるので、しばらく話しかけないでください」
【もはや「死語」?「類語」「言い換え」表現】
「メンブレ」は今も使う人はいるようで、「ギリ、死語ではない」と言われています。とはいえ、それほど頻繁に使われるメジャーな言葉ではないようです。
■メンホー
「メンホー」は「メンタル的に崩壊」の略で、「メンブレ」とほぼ同じ意味です。
■NG:メンヘラ
「メンヘラ」は精神的に病んでいる人、その傾向がある人を指す俗語です。日本最大の電子掲示板サイト「2ちゃんねる」の「メンタルヘルス掲示板」に書き込みをする人の中で、いわゆる“痛い”発言が過ぎる人をそう呼んだことをきっかけに、情緒が甚だしく不安定な「病み系」タイプの人、一時的に情緒が乱れている人を揶揄する言葉として2001年ごろから徐々に広まったと言われています。「メンブレ」とは意味が異なるため、混同して使わないよう注意しましょう。
【「対義語」は?】
■メンリセ
「メンリセ」は「メンタルリセット」の略。「メンブレした(落ち込んだ)気持ちをリセットして元の状態に戻る」という意味です。「メンタルリセット」も「メンタルブレイク」同様、和製英語ですが、こちらには元ネタがあり、発信者はタレントのGACKTさんだと言われていますよ。ただし、『現代用語の基礎知識』に「メンリセ」の記載はありませんから、「メンブレ」ほどメジャーではないのかもしれません。
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「メンブレ」はSNS発信の若者言葉です。「精神的に辛い」というニュアンスの言葉ですが、自分の落ち込みを深刻になりすぎないよう誰かに伝えたいときには、便利な言葉なのかもしれませんね。でも実際、「メンブレ」から立ち直るには、SNSを長時間見ないことも、ひとつの方法だと思うのですが、いかがでしょうか。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:/『現代用語の基礎知識』(自由国民社) /『イミダス』(集英社) :