愛すべき「シャツ」に出合って、秋が始まる

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デザインはごくごくシンプルなシャツが、素材で、色で特別な存在に。シルクならではのとろけるような感触と、肌に溶け込む優しいヌーディカラー、ゆとりのあるたっぷりとしたサイズ感が、着る人を幸福感で満たしてくれる。シャツ¥110,000(マックスマーラ〈スポーツ マックス〉)

秋の気配を感じつつも、残暑が気になる微妙な季節に、私たちの味方になってくれるのは、たった一枚で、知的なクールさも、華やぎも叶える「シャツ」ではないでしょうか? 

今季はベーシックを極めた上質シャツに留まらず、シルエットやディテールに遊び心やモードなニュアンスを加えてアップデートされた新顔シャツが豊富に登場。多様な時代だからこそ、自分らしさが表現できる一枚で、おしゃれの可能性を広げましょう。

今回は、ジャーナリストの安藤優子さんに寄稿いただいた「キャリアを後押ししてくれた頼りになる存在」と題してのコラムをご紹介します。

【Colum】だから私は、シャツを着る|「キャリアを後押ししてくれた頼りになる存在」ジャーナリスト・安藤優子さん

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左/私物 右/シャツ¥92,400(マックスマーラ ジャパン〈マックスマーラ〉)
安藤優子さん
ジャーナリスト
(Yuko Ando)大学在学中からリポーターとして報道番組に携わる。その後、フリーキャスターとして活躍。主な番組に『スーパータイム』『スーパーニュース』(フジテレビ系)ほか。著書に『自民党の女性認識「イエ中心主義」の政治指向』(明石書店)。

クローゼットにならぶ、シャツたち。本来ならブラウスと呼ぶべき、ちょっとふんわりとしたフェミニン系もあえて「シャツ」とすれば、私が持っているトップスのほぼ8割は「シャツ」になります。理由は、好きだから。そのひとことに尽きます。

なかでも圧倒的に多いのは、白シャツ。見れば欲しくなる、買わずにいられない、そんな魔力に満ちた白シャツ。でも、その魔力は見かけだけではなく、これまでずっと仕事のシーンでも、その威力をいかんなく発揮して、私を助けてくれてきました。

急な海外取材は当たり前、しかも行く先は戦争や紛争地帯、暴動の現場、そして難民キャンプなど、ニュースの現場だから華美な服装はあり得ません。しかしながら、テレビに出てリポートをするのであれば、ラフ過ぎる格好も好ましくありません。そこで、いつも白シャツがその役目をかって出てくれました。白シャツにパンツ。ほとんどの場合これが私の現場での服装のベースで、それにジャケットを羽織れば、要人のインタビューにも対応できるので、本当に助けられました。

一方で、私がリラックス感を出したいときにも力を貸してくれるのが、シャツです。素材はリネン、色は白に限らず、ネイビーとかカーキとかです。リネン独特のくたっとした感じが、頑張らないでも大人の余裕のようなものを演出してくれます。袖は必ずクシャッとたくし上げて、前ボタンも3つくらいは開けます。そんなときに合わせるのはスカートです。ゆるっとマキシ丈のスカートにすれば、ウイークエンド風。同じリネンのタイトスカートと合わせれば、ややラフながら気の合った仲間との食事にもぴったり。若者のはちきれんばかりのシャツ姿とは一味も二味も違った、こなれたお洒落をさせてくれる最強の味方です。

今チャレンジしたいのは、ボタンダウンシャツに、あえてエッジイなタイトスカートを合わせるスタイリング。足元はちょっと無理してピンヒール。できるかなぁ。

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PHOTO :
浅井佳代子
STYLIST :
犬走比佐乃
EDIT :
本庄真穂、喜多容子(Precious)