ベントレーは100年以上の歴史を誇る、英国のラグジュアリーカーブランド。まだ自動車を所有することが貴族や富裕層に限られた20世紀初頭に設立され、一貫して高性能で品質に優れた自動車を製造してきました。1920年代に英国へ渡航していた白洲次郎も購入し、ヨーロッパ大陸を駆け抜けていたそう。

日本でも古くから社会的地位の高いオーナーを中心にショーファードリブンカー(運転手付きの自動車)として愛されてきたベントレーは、ファッションやライフスタイルのカジュアル化(本来カジュアルとは貴族が余暇を過ごすときに着る優雅でスポーティな装いを指します)が進む現代に則して、自分でハンドルを握り、パフォーマンスと移動の時間を楽しむための自動車作りへとシフトしています。そんなアクティブなドライバーに支持されているのが、今回ご紹介する「ベンテイガ」です。

品格あふれるビッグサイズのSUV

「ベンテイガ」は2016年に日本へ導入された、ブランド初のSUV。2020年にアップデートされ、内外装のデザインが変更されたほか、ドライブフィーリングもより上質に。
「ベンテイガ」は2016年に日本へ導入された、ブランド初のSUV。2020年にアップデートされ、内外装のデザインが変更されたほか、ドライブフィーリングもより上質に。

「ベンテイガ」は、屋根が高く広い室内と荷室を備えた、今もっとも人気のあるSUVタイプの自動車。といっても、そこはベントレー。全長5mを超える大きな車体は美しい曲線を盛り込んでデザインされ、優雅で存在感のある佇まい。車体を支える径の大きなタイヤが、オーナーの快活なライフスタイルのイマジネーションを増幅してくれます。

天井が高いので乗り降りもイージー。大きくとも軽い力で開閉するドアは、閉める間際で手を離すと自動で完全に閉まるオートクロージャー付き。力を入れてドアを閉めると、車内にいる人にとっては思いのほか衝撃が大きいもの。優雅な所作を後押しする、スマートな装備です。

どの席に乗車しても極上のドライビング体験ができる快適な室内空間を備えた「ベンテイガ アズール」。試乗車の外装はオプションペイントのインペリアルブルーにリネン(ホワイト)のインテリアという組み合わせ。夏の深い海を想起させる、美しい発色!
どの席に乗車しても極上のドライビング体験ができる快適な室内空間を備えた「ベンテイガ アズール」。試乗車の外装はオプションペイントのインペリアルブルーにリネン(ホワイト)のインテリアという組み合わせ。夏の深い海を想起させる、美しい発色!

室内空間は素材の良さが一見してわかる、贅沢な仕立て。シートや内張りの厚みのあるレザーはアイボリー系のリネンカラーで、随所にダイヤモンドカットのステッチが。組み合わされるのは、透明感のある仕上げが美しいウッドパネル。クローム加飾を施したスイッチ類やエアコンの吹き出し口はほどよくクラシカルで、これらが一体となって品格あふれるラグジュアリーな空間を創り出しています。

居心地のよさはまるでスイートルーム

英国の気品漂う運転席は、毎日乗りたくなる心地良さ。つまみ型のエアコン風量調整レバーやアナログ時計(腕時計でもベントレーとコラボレーションするブライトリング製)などの伝統的なディテールと最新のデジタル機能が融合した、機能性にも優れた空間。
英国の気品漂う運転席は、毎日乗りたくなる心地良さ。つまみ型のエアコン風量調整レバーやアナログ時計(腕時計でもベントレーとコラボレーションするブライトリング製)などの伝統的なディテールと最新のデジタル機能が融合した、機能性にも優れた空間。
試乗車のウッドパネルは、アメリカ産ガムの木の仲間を加工した「リキッドアンバー」。湿原の水を豊富に含む土壌でゆっくりと育ち、深みのあるブラウンの色味が美しい素材。限られた期間のみ専属のウッドハンターが採集し、持続可能性と品質を追求したところにも、ラグジュアリーブランドの矜持が。
試乗車のウッドパネルは、アメリカ産ガムの木の仲間を加工した「リキッドアンバー」。湿原の水を豊富に含む土壌でゆっくりと育ち、深みのあるブラウンの色味が美しい素材。限られた期間のみ専属のウッドハンターが採集し、持続可能性と品質を追求するところにも、ラグジュアリーブランドの矜持が。

「ベンテイガ」は、カラーや内装の素材の選択肢が豊富。そもそも昔のラグジュアリーカーは、実質オーダーメイドに近いものでした。まずメーカーが土台(エンジンや足回りなどを組付けた状態)を製造し、顧客の求めに応じて、馬車の時代から架装をてがけてきた外部のコーチビルダーが“上屋”をつくり、完成させていたのです。

自動車の製造工程の多くがオートメーション化された現代において、ベントレーは今なおクラフトマンシップを大切にしています。その象徴が16世紀に馬車製造業者として創立した「マリナー」です。かつては前述の社外架装業者のひとつでしたが、今はベントレーのビスポーク部門となり、ブランドのラグジュアリーな部分に焦点を当てたコレクションモデルなどを手がけています。

シートには英国的なダイヤモンドキルトのパターンや刺しゅうが。本文で触れた快適装備に加え、クッションや背もたれのボルスターを調整すれば、ウェルビーイング効果は確実なものに。
シートには英国的なダイヤモンドキルトのパターンや刺しゅうが。本文で触れた快適装備に加え、クッションや背もたれのボルスターを調整すれば、ウェルビーイング効果は確実なものに。
頭上や足元の空間はいうに及ばず、包み込まれるような座り心地の後席は同乗者に喜ばれること間違いなし! 英国のプレミアムオーディオブランド“ネイム”のサウンドシステムを搭載し、臨場感あふれる音楽がドライブを格上げ。
頭上や足元の空間はいうに及ばず、包み込まれるような座り心地の後席は同乗者に喜ばれること間違いなし! 英国のプレミアムオーディオ“ネイム”のサウンドシステムを搭載し、臨場感あふれる音楽がドライブを格上げ。

写真の「ベンテイガ」は、ベントレーが重視する“モア・ラグジュアリー”ともいうべき理念を具現化した「ベンテイガ アズール」として、とても興味深い仕様となっています。それは、快適性とウェルビーイングを追求している点。前席のマッサージ機能(6種類)やベンチレーション(シートの背もたれ内部から体に風を送る機能)などの快適装備、安全運転をアシストする先進支援技術、高速クルージングでの振動を抑え、快適極まりない乗り心地を提供する「ベントレーダイナミックライド」などが標準されています。これらはオプションで任意に選択もできますが、「ベンテイガ アズール」には内外装を含めたこれらの装備がまるっと含まれており、ベントレーが掲げる、極めて安楽でストレスの少ないドライブを体験できる仕様になっているのです。
ファーストクラスのような快適な空間で自分のペースを保ちながら運転し、気の向くままに行先を変えたり立ち寄りもできる……。最高に贅沢な時間です。

積極的に運転したい女性の気持ちに応えてくれる

面積の広いパノラマガラスルーフを装備し、後席の乗員も視覚的な解放感が得られます。前半分はサンルーフとして開閉可能。
面積の広いパノラマガラスルーフを装備し、圧倒的な開放感は後席の乗員にも。前半分はサンルーフとして開閉可能。
広い荷室に荷物がたくさん積めるのもSUVの魅力。「ベンテイガ」は荷室内にあるスイッチを押すと車高が下がり、小柄な女性でも積み下ろしがしやすい!
広い荷室に荷物がたくさん積めるのもSUVの魅力。「ベンテイガ」は荷室内にあるスイッチを押すと車高が下がり、小柄な女性でも積み下ろしがしやすい!

エンジンを始動したときの、シルクのようなきめ細かいフィーリングが体に伝わる瞬間から、ドラマティックな体験が始まります。特に感動するのが、どの速度域でもアクセルペダルをじんわりと踏み込むだけで、するするっと滑らかに力強く加速していくところ。「いまスピードを上げたい」という気持ちと挙動のずれが少なく、常にお尻のあたりに重心が安定し、無粋な振動や騒音なしに何の不安もなく走っていく……。自動車はとても価格帯が広いアイテムですが、高価格帯になるほど、こうした「五感で体験する気持ちよさ」が味わえるようになっており、またブランドの個性も際立ってきます。

運転への苦手意識を払しょくできないまま、助手席専門に甘んじるのはもったいないと思いませんか? 一歩踏み出すなら、とびきりリッチで着心地(乗り心地)に優れ、毎日一緒にいたくなる自動車を選ぶべき。ベントレー「ベンテイガ アズール」は、自動車と寄り添う日々を送りたいと願う女性を後押しする逸品です。

BENTLEY BENTAIGA AZURE(V8モデル)

ボディサイズ:全長×全幅×全高:5,150×1,995×1,755mm
車両重量:2,470kg
車両本体価格:¥29,128,000(税込み)

問い合わせ先

ベントレーモーターズジャパン

TEL:0120-97-7797

この記事の執筆者
総合誌編集部を経て独立。ライフスタイル全般の企画・編集・執筆を手がける。ファッションのひとつとして自動車に関心を持ち、移動の手段にとどまらない趣味、自己表現のひとつとして提案している。