「ポメラート」を愛してやまないCEOが語る、“女性に寄り添うジュエラー”としての矜持とは？

エレガントかつパワフルに「ポメラート」を率いるCEOサビーナ・ベッリ

ジェムストーンの色彩を際立たせるミニマルなデザインの『ヌード』コレクションをはじめ、イタリアンジュエリーならではのグラマラスな個性で世界の女性たちを魅了する「ポメラート」。人生を謳歌し、自信に満ちて輝く女性たちを映し出すようなそのジュエリーメイキングのみならず、女性をエンパワーメントする活動にも積極的に取り組み、広く注目されています。

その「ポメラート」を率いるのは、2015年にCEOに就任したサビーナ・ベッリさん。今秋開催されたイベントに合わせて来日したサビーナさんに、ご自身のジュエリーの楽しみ方から、「ポメラート」というジュエラーの魅力、そして女性社員率70%という「企業」としての戦略など、さまざまな角度からお話を伺いました。

シンプルなスーツに『イコニカ』コレクションのネックレスとダイヤモンドリングを効かせた、洗練のジュエリーコーディネート。

サビーナ・ベッリさん

「ポメラートグループ」CEO

イタリア出身。WPPグループの広告分野でキャリアをスタート。その後、「ヘレナルビンスタイン」のプロダクト・マネジャー、「ジョルジオアルマーニ」ではフレグランス部門でインターナショナルブランド・マネジャーを歴任。 1996年にLVMHグループへ移ると、「クリスチャンディオールパフューム」、「LVMHモエへネシー」、「ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン」で活躍。 2012年に「ブルガリ」のブランド・エグゼクティブ・バイス・プレジデントに着任したのち、2015年にケリンググループ傘下の「ポメラート」CEOに就任。現在に至る。

最初に購入したのは、買い足していくのも楽しい『ヌード』のリング

ジュエリー界で年々、人気と価値が高まる一方のカラージェムストーン。その魅力を広く世界に知らしめたのは、「ポメラート」の『ヌード』コレクションでしょう。CEOに就任して8年が経過、ブランドを知り尽くし愛し続けるサビーナさんにとっても、『ヌード』は特別なコレクションです。

「インタビューでは、よく“いちばんのお気に入りは？”と聞かれるのですが、お答えするのはとても難しくて。子供みたいなことを言ってしまうと、ポメラートのジュエリーはもう、全部好きなんです（笑）。なので“いちばんのお気に入り”を決めるのは難しいのですが、『ヌード』は私が入社して真っ先に買い求めて以来、ずっと好きなコレクション。本当に遊び心がありますし、気持ちが華やぐカラフルな色彩。重ねづけを楽しめるのも大きな魅力ですよね」

57の不規則なファセットが施された、『ヌード』コレクションのスクエアシェイプのカラージェムストーン。独自開発の技術によってセットされているため爪の存在感がなく、ジェムストーンそのものの色彩と輝きをより強く印象付ける。

自身も、アクアマリン、アメシスト、ペリドットと、ひとつずつ大切に買い足してきたという『ヌード』のジュエリーたち。

「私は所有しているジュエリーをまず全部眺めて、それらと戯れるようにいろいろ組み合わてみて、その日のジュエリーコーディネートを決めているんです。すると思いもつかないような組み合わせが見つかるので、そうやって自由に色彩のコンビネーションを楽しんでいただくことこそ、『ヌード』を、そしてポメラートのジュエリーをまとう醍醐味ではないでしょうか」

美しくセンシュアルなジュエリーを自然につけこなすサビーナさん。日々、上質な睡眠と食事を心がけ、心身の健康を保っている。

“女性の自由”を打ち出している企業のトップを担う責任

会社のトップとしてだけではなく、ひとりの女性としても心から愛する「ポメラート」のジュエリー。サビーナさんから見て、「ポメラート」のジュエラーとしての魅力はどんなところにあるのでしょうか？

「それは3つあると思っています。まず1つめはクラフツマンシップ。やはり熟練の職人たちの手によってつくられたハイクオリティのジュエリーであるということです」

『ヌード』コレクションのジェムストーンに施された57の不規則なファセットは、熟練の職人の超絶技巧の賜物。

「2つめは、ポメラートの女性に寄り添った姿勢、在り方。そして3つめは、イタリアの、そしてミラノの美意識が吹き込まれていると感じていただけるジュエリーであることと思っています」

サビーナさんは2017年に、多角的に女性をエンパワーメントする活動「Pomellato For Women」をスタート。現在の「ポメラート」は女性社員率が70％と世界のラグジュアリーブランドのなかでも高く、数年前と比べて金細工職人として活躍する女性も増えてきています。

「女性の自由を打ち出している企業のトップであるという責任は非常に重く感じていて、今後もさまざまな活動を展開していきたいと思っています。ただ、女性社員率が70％ということにスポットが当たりがちですが、私が大切にしているのは“男女平等”であるということであって、女性社員をより多く採用するようにしてきたわけではありません。

シンプルに言えば、この数字は能力を重視したリクルーティング、そして産休や育休のシステムなど、子供を産んで母親になってもやりがいをもって働き続けられる環境を向上させた結果なのです」

自分自身の人生を楽しむことを忘れないバランス感覚が大切

今回のサビーナさんの来日の大きな目的のひとつが、先に開催された体験型イベント「ヌードクラフテッドエモーションズ」。さまざまなアプローチで、訪れた人々をカラフルでユニークな『ヌード』の世界へいざない、大盛況のうちに幕を閉じました。

六本木の東京ミッドタウンアトリウム・コートヤードで開催されたポメラートのイベント「ヌードクラフテッドエモーションズ」の会場風景

「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2023」の期間中（2023年10月6日～22日）に開催された体験型イベント「ヌードクラフテッドエモーションズ」。

コロナの状況が以前よりも落ち着き、こうして以前のように世界を飛び回る多忙な生活を送る日々。ラグジュアリーブランドのトップとして、ハードなスケジュールをしなやかにこなすサビーナさんのモチベーションとは一体何なのか気になります。

「それは、誇りをもってできる仕事であるということ。それに尽きます。ポメラートはイタリアのクオリティ、クリエイティビティというのを具現化しているブランドです。そしてつくり出すジュエリーたちが、多くの女性に喜びを与えることができているという自負もありますので、そんなことを感じながら仕事をするのは日々、非常に楽しく幸せです」

そうはいっても、ストレスを感じることもきっと多いのではないでしょうか？

「私はストレスをあまり感じない性分で（笑）。もちろん人生には、例えば病気など健康や、家族の問題など、重く自分にのしかかってくる問題というのは必ずあります。でもそれ以外のものって、まあ、なるようになるものだと思っていて。

もちろん先ほどもお話ししたように、今の仕事は大きな責任とやりがいがありますが、だからといってもし私がすごいストレスを受けてしまったら、そこに価値はなくなります。重要なのはバランス。そして今、いちばん大切なものを見極めること。だってほかの誰でもない、自分自身の人生ですもの！」

グローバルに活躍する、まさにPreciousキャリアを具現化したようなサビーナさん。その言葉は、身につけた瞬間からポジティブなパワーを授けてくれる「ポメラート」のジュエリーに重なり、幸福に対して貪欲でいることの大切さに改めて気付かせてくれます。