羽織るだけで「理想の自分」へと導くコートは無限の可能性を秘めています。
そこで、『Precious』11月号の別冊「大人を満たす最旬コートBOOK」では、品格とエネルギーが生まれるラグジュアリーなコートを特集。上質さに加え、心躍るディテール美意識を語るようなステイトメント性を宿した「最旬コート」で冬の装いを刷新させましょう!
今回は、名作映画のワンシーンを飾った理想のコート4選をご紹介します。
名作映画のワンシーンを飾った理想のコート4選
登場人物になりきって「こんなコートを着てみたい…!」今もなお語り継がれる「名作シーンのあのコート」とは?
【スタイリスト・伊藤美佐季さん推薦】こっくり色のムートンコートを引き算のバランスで着こなす…『ダイヤル M』のムートンコート
伊藤さん「記憶に刻まれている劇中のコートは、グウィネス・パルトロウが演じるエミリーが纏っていたもの。全編を通して、シンプルで上品なスタイリングですが、そのなかでもムートンコートの着こなしが抜群に素敵でした。ボーイッシュなショートヘアとコートとのバランスも絶妙でハッとするほど。タートルニットやストールで首元を埋めずに、肌をのぞかせる着方は、今でも参考になります。引き算のおしゃれを教えてくれるコートスタイルは、まさに“クワイエット・ラグジュアリー”そのものでした」
●『ダイヤルM』
ヒッチコックの名作をリメイク。愛憎劇が繰り広げられるサスペンス。
【本誌専属モデル・立野リカ推薦】ジェンダーニュートラルなコートでミッションを遂行…『マトリックス』のロングコート
立野「アクション映画も好きですし、特に“マトリックス愛”が強いので、トリニティのブラックコートが忘れられません。物語の展開にも重要な役割を果たしていて、ブラックコートは“現実の世界”とマトリックスと呼ばれる“仮想空間”のどちらにいるかを表しているのもファン心がくすぐられました。ヒロインでありながら媚びがなく、ミッションに真摯に取り組む姿勢も、ブラックコートに秘められていて。そんなジェンダーニュートラルなコートは、映画史に残るスタイルだと思います」
●『マトリックス』
仮想空間で人工知能との戦いが繰り広げられる、近未来的SFアクション。
【ネイリスト・「uka」代表 渡邉季穂さん推薦】心を高揚させるカラーが名場面に彩りをもたらす…『ティファニーで朝食を』のきれい色コート
渡邉さん「華麗なファッションが楽しめる1960年代の映画が好きですし、ネイリストという職業柄、色がもつパワーを大切にしています。とりわけオレンジ色のコートを着こなす、ホリー役のオードリー・ヘプバーンは永遠の憧れ。ビルが立ち並ぶN.Y.の街で、ブライトカラーのコートの輪郭が浮かび上がり、心がわしづかみに。オードリーの衣装は、ジバンシィが手掛けたことでも知られていますが、大きなボタンがあしらわれたスタンドカラーのコートは、色彩の美学を教えてくれる存在でした」
●『ティファニーで朝食を』
N.Y.で自由に生きる女性と、同じアパートに住む作家とのロマンティック・ストーリー。
【本誌編集長 守屋美穂推薦】プロフェッショナリズムを象徴するコートの潜在力…『プラダを着た悪魔』のブラックコート
守屋「コートをデスクに投げる演出も物語のスパイスとなった『プラダを着た悪魔』。初めて編集長に就任した際に、メリル・ストリープが演じたミランダのコートスタイルに影響を受けました。信頼感を授ける一着が必要だと確信し、コートに投資したいと思うきっかけに。実際に“マックスマーラ”の『101801』のブラックコートを購入。会食時などコートを預けることも多いのですが、脱ぐ時も、またそのコートを着る時も自信をもてるコートだと確信。“頼れるコート”と映画を通して出合えたと感じています」
●『プラダを着た悪魔』
一流ファッション誌「ランウェイ」で働くジャーナリスト志望の主人公が、“悪魔”のような編集長に振り回されながらも成長を遂げる、サクセスストーリー。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- ILLUSTRATION :
- 岡田成生
- EDIT&WRITING :
- 川口夏希、池永裕子(Precious)