「万人受け」とは、広く世間に受け入れられることを示す熟語です。では「万人」の読み方は? そもそも「万人」ってどんな人? ということで、今回はこの「万人受け」について。正しい知識を身に着けましょう。
【目次】
- 「万人受け」ってどんな言葉?「読み方」と「意味」
- 「万人受け」は、ほめ言葉?
- 「使い方」がわかる「例文」5選
- 「万人受け」を言い換えると?「類語」や「言い換え」、「対義語」も
- 「万人受け」を「英語」にすると?
【「万人受け」ってどんな言葉?「読み方」と「意味」】
■読み方
「万人受け」は「ばんにんうけ」と読みます。「万人」は「ばんじん」や「まんにん」とも読みますが、「万人受け」のときには「ばんにん」です。
■意味
「万人」は「すべての人や非常に多くの人」を表します。「万人向き」や「万人が納得する」「万人の願い」などと使いますね。そして、「万人受け」は、「だれからも好評を得られること」「広く人気があること」「多くの人、ほとんどの人が受け入れる」という意味になります。
【「万人受け」は、ほめ言葉?】
「万人受けする商品」や「万人受けする芸人」などと使用する場合、これはほめ言葉なのか、それともディスった言い方なのか…と迷うことはありませんか?
上でも紹介した通り、「万人受け」は、多くの人に受け入れられている物や人に対して使われる言葉です。これを「平均的」や「可もなく不可もなく」「新鮮味やおもしろみに欠ける」と捉えてしまうとネガティブな印象になりますが、受け入れられているわけですから、悲観することはありません。「万人受け」はほめ言葉だと捉えてOKでしょう。
かつて、商品開発などでは広く知ってもらうために「万人受け」するものを先行させ、認知度が上がったところでニッチな方向へ進めていく、というやり方はひとつのセオリーでした。しかし、「バズる」という現象が起こるようになって以来、ある特定の趣味の人や特定の層などにのみ刺さる商品がSNSなどで拡散し、それが大衆化していくという逆転現象も。
【「使い方」がわかる「例文」5選】
■1:「まずは万人受けを狙うのが常套だが、今回は思い切って攻めていこう」
■2:「万人受けするものは無難でおもしろみに欠けると、低評価にならないか心配だ」
■3:「万人受けするということは足場固めができるということ。そこからいかに他と差別化できるかが重要だ」
■4:「ファーストステップとしては万人受けすることが大切。次に考えるべきは、どうしたら熱烈なファンを獲得できるかだ」
■5:「万人受けするということは長所でもあり、弱点にもなりうる」
【「万人受け」を言い換えると?「類語」や「言い換え」、「対義語」も】
■類語
・大衆受け:「大衆」も「万人」同様、「多くの人。多衆」という意味です。
・大衆迎合的(たいしゅうげいごうてき):「迎合的」とは、自分の考えを曲げても他人や世間の風潮に調子を合わせる様子をいいます。
■言い換え
・だれからも愛される
・人気の
■対義語
「万人」の対義は「特定の人」ということになるので、反対の意味としては「マニア」や「少数の人」「一部の人」ということになります。「万人受け」の対義語は「マニア受け」や「少数派」、「一部の人に刺さる」になるでしょうか。
【「万人受け」を「英語」にすると?】
「万人」を英語にすると[everyone]や[universal]に。「万人受け」は[universal reception]でいいでしょう。また、[public acceptance]や[popular with various people][popular with mamy people]でも同様の意味に。
・Not everyone was happy with the design.(誰もがそのデザインに満足したわけではない→万人受けするデザインではなかった)
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「万人受け」は「つまらない」のではなく、「みんなから好かれる」と解釈するほうがずっと建設的。言葉の意味は受け取り手次第で変わってしまうことがあるので、ときには言葉を尽くして丁寧に説明することも必要ですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :