2024年3月中旬より、能登半島地震の影響を受けた北陸の観光業を支援する「北陸応援割」がスタート。さまざまな情緒溢れる温泉地を擁する北陸地方の魅力について、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんはこう話します。

「地震の影響で、北陸では今年に入ってから宿泊予約のキャンセルも相次いでいるようです。ただ、幸いにして影響の少なかったエリアの温泉宿では、お客様が安心して滞在できるように、おもてなしの準備を整えていると聞いています。北陸新幹線の延伸で首都圏からのアクセスが便利になるうえ、お得に旅ができるチャンスもある今こそ、ぜひ北陸の名湯を堪能されてはいかがでしょうかとの思いから、おすすめの宿をピックアップしました」(植竹さん)

今回、ご紹介するのは、福井県あわら市にある「光風湯圃 べにや」です。

※「北陸応援割」は、新潟県・富山県・福井県・石川県の4県にて2024年3月16日の宿泊分からスタート。新潟県・富山県・福井県の3県は3月8日から予約受付開始。石川県は3月12日から予約受付開始の予定(2024年3月9日現在)。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
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全室に半露天風呂付き!日常の喧騒を離れた空間で極上の癒し体験を…

福井県の名勝・東尋坊から車で15分ほどにある「あわら温泉」。関西の奥座敷として親しまれ、全国そして海外からも湯治客が訪れる北陸屈指の温泉街です。その情緒ある街並みの中心に位置し、「体の疲れを癒すだけでなく、心まで豊かになれる感じがする」と植竹さんがおすすすめするのが「光風湯圃 べにや」。

あわら温泉が開湯した翌1884年に創業した老舗宿で、2018年に火災で建物が消失するという悲劇に見舞われたものの、3年の時を経て2021年にリニューアルしました。

「光風湯圃 べにや」の外観
「光風湯圃 べにや」の外観。
「光風湯圃 べにや」の玄関
「光風湯圃 べにや」の玄関。館内の装飾の美しさも目を引く。

「『光風湯圃 べにや』はかつては『べにや旅館』という名称で、皇族や文人墨客にも愛されてきた歴史を誇る宿。リニューアル後のコンセプト“光風湯圃”には、忙しい日常を忘れ、光や風、大地に身も心も委ねて寛いでほしいとの思いが込められているのだそうです。そのコンセプトに違わず、宿を訪れた瞬間から、ラグジュアリーでありつつ心安らぐ雰囲気に魅せられます」(植竹さん)

「光風湯圃 べにや」のロビーラウンジ
「光風湯圃 べにや」のロビーラウンジ。

「ロビーラウンジは、大きな窓越しに庭園を一望できる開放的な造り。自然光をうまく採り入れているのに加え、人工照明の光も柔らかく穏やかで、リラックスできる空間造りにとことんこだわっていることがうかがえます」(植竹さん)

「光風湯圃 べにや」の庭園
池に鯉が泳ぐ優美な日本庭園。

「客室は優しい光に溢れ、窓を開ければ庭から心地よい風が吹き抜けます。自然と建築美が調和した環境で、しかも全室に源泉かけ流しの半露天風呂が付いているので、心静かにおこもりステイするのにぴったりです」(植竹さん)

「光風湯圃 べにや」の客室
光と風を感じられる客室。
「光風湯圃 べにや」のベッドルーム
寝心地のいいベッドでぐっすり快眠。

「泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。かなり熱めの湯ですが、私は温泉はなるべく薄めず自然の恵みをそのまま享受したいので、加水はせず外気で冷ましてから湯舟へ。柔らかな肌触りの湯でぽかぽかと体の芯からよく温まり、肌もしっとりうるおった実感が得られました」(植竹さん)

客室の半露天風呂
客室の半露天風呂であわら温泉の名湯をひとり占め!

「男女別の大浴場も広々と開放感があり素敵です。客室に温泉が付いていることもあってか、混み合うこともありませんし、こちらにもぜひ足を運んで客室とは一味違った雰囲気での湯浴みを楽しんでみてはいかがでしょうか」(植竹さん)

「光風湯圃 べにや」の大浴場
モダンでスタイリッシュな大浴場。

3月末までは越前がにの季節!客室で贅を尽くした美食を堪能する

美食の宿としても名高い「光風湯圃 べにや」。夕食も朝食も部屋食で、人目を気にすることなくゆったり食事を楽しめます。

「光風湯圃 べにや」の越前ガニ
11月~3月限定の越前がにプランが好評。

「11月~3月は越前がにのシーズン。私は茹でがにor焼きがにを選べるプランで、焼きがにをいただきました。身のおいしさもさることながら、味噌の香ばしさが絶品! 地酒との相性も抜群で何とも幸せな気分に…」(植竹さん)

「光風湯圃 べにや」の朝食
目覚めから豊かな気分になれる朝食。

「一品一品が丁寧に作られた朝食もしみじみと印象に残っています。米は有機米コシヒカリで、各部屋のダイニングに銅釜をセットして食べる直前に炊き上げるというこだわりぶり。そこに、地元農家の平飼い卵を割り入れると、至福の卵かけご飯の完成です。

そのほか、備長炭で炙った海苔が木箱で提供されたり、焼き魚がふっくら柔らかだったり、どの料理も厳選素材のよさが引き出されており、日常生活では味わえない珠玉の朝ごはんにお腹も心も満たされました」(植竹さん)


以上、「光風湯圃 べにや」をご紹介しました。優しい光と風に満ちた空間で極上のリラックスタイムを過ごしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 光風湯圃 べにや
  • 住所/福井県あわら市温泉4-510
    客室数/全17室
    料金/越前がに懐石1人1匹プラン 2名1室利用時 1名¥110,300~(税込)
    TEL:0776-77-2333

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)