毎年4月2日は国連が制定した、世界共通の「世界自閉症啓発デー」です。その目的やシンボルカラーがブルーである理由、日本における取り組みについてまとめました。

【目次】

国連が定めた国際デーのひとつです。
国連が定めた国際デーのひとつです。

【「世界自閉症啓発デー」とは?「概要」や「目的」】

■いつから?どんな日?「概要」

毎年4月2日は、2007年12月の国連総会において、カタール王国王妃の提案により国連が決議した「世界自閉症啓発デー」です。この日は国連事務総長が全世界に向けたメッセージを公表するとともに、各国で著名なランドマーク(例:ブルジュ・ハリファ(アラブ首長国連邦)、ペトロナスタワー(マレーシア)、ピラミッド(エジプト)、サグラダ・ファミリア(スペイン)など)を青い光で照らすイベントが行われています。また、自閉症等に関する啓発を目的としたコンサートや講演会等も開催されています。

■目的

自閉症をはじめとする発達障害についての関心と理解を深めることを目的としています。

■テーマカラーが「青」なのはなぜ?

自閉症のシンボルカラーは、「癒やし」や「希望」などを表すブルーです。ブルーは自閉症の方が好む色とも言われており、ライトアップや、青いものを身につけるなど、さまざまな形でブルーが展開されています。


【「日にち」が4月2日なのはなぜ?「理由」は?】

「世界自閉症啓発デー」が4月2日になったことについて、特別な由来はありません。


【日本各地の取り組みは?】

日本では「自閉症」だけではなく、「発達障害」と併せて国民の理解を深められるように、4月2日~8日を発達障害啓発週間として、シンポジウムの開催やランドマークのブルーライトアップ等の活動を行っています。特に4月2日の「世界自閉症啓発デー」には、日本各地の代表的な建物等をブルーにライトアップする取組が行われ、全国200近い施設が青に染まります。

■東京タワーがブルーにライトアップ

東京都庁舎や東京ゲートブリッジがブルーライトアップされる他、東京タワーでは毎年4月2日に、来訪されている方々への啓発を目的として、体験コーナー、イメージキャラクターとの写真撮影、自閉症当事者の絵画展示など、誰でも参加できる様々なイベントを行っています。イベントの最後は例年、東京タワーのブルーライトアップ点灯式で締めくくっています。


【「英語」で言うと?】

英語表記は〔World Autism Awareness Day〕です。

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現在の日本には、自閉症についての偏ったイメージやあいまいな情報が数多く存在しています。自閉症は「心を閉ざす」病気ではなく、脳機能の発達の仕方が少し異なることから生じる発達障害です。また、育児の方法や環境など後天的な原因で生じるものでもありません。子どもだけでなく、大人にも、自閉症であるにもかかわらず診断を受けていないために必要な支援が受けられず、苦しんでいる人がいます。自閉症をはじめとする発達障害について知り、理解することは、発達障害のある人だけでなく、誰もが幸せに暮らせる社会の実現につながります。この日をきっかけに、ひとりひとりが自閉症に対する理解を深められるといいですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /「世界自閉症啓発デー日本実行委員会公式サイトhttps://www.worldautismawarenessday.jp) :