気どらず、頑張りすぎない柔らかな気持ちで、モードを楽しむ…そんな「リアル・ラグジュアリー」なおしゃれに惹かれる今。ベーシックな揺るぎない軸があるプレシャスキャリアだからこそ、新しいセンスでアップデートしたおしゃれも自分のものにできるはず。

雑誌『Precious』5月号では、特集【「リアル・ラグジュアリー」で明日の私に新展開を!】と題し、アイテムから色、小物まで、大人のワードローブを更新するための提案をご紹介しました。

今回はその中から、3人のプレシャスキャリアに伺った「リアル・ラグジュアリー」の視点ついてお届けします。

「リアル・ラグジュアリー」で明日の私に新展開を!

「マックスマーラ」のウエアを着用したもモデルの立野リカさん
ジャケット¥262,900・スカート¥122,100(マックスマーラ ジャパン〈スポーツマックス〉)、バッグ¥188,100(JIMMY CHOO)

この春は、淡いピンクで、ジャケットスタイルを柔らかな印象にアップデート。コットンリネンのテーラードジャケットはごく薄手のチュールが覆うデザインで、袖口と裾がやや長めに。何気ない仕草のたび、神秘的な美しさが漂う。

【プレシャスキャリアが語る「リアル・ラグジュアリー」3つの視点】

 「新しい透け感と光沢感に着目して穏やかな美しさを」

藤岡篤子さん(ファッション ジャーナリスト)

経験を重ね、おしゃれの軸が定まると、新しい季節も、自分がもっているものに何かプラスすれば十分、と思うこともあるかもしれません。けれどこの春は、そんな人にもおすすめしたいほどモードの世界が新展開を見せています。注目したいのは、“透け感”と“光沢感”。共にこの数シーズン続く流行ですが、今季は大人仕様に大きくアップデートしています。

“光沢感”なら、ゴージャスな強いメタリックとは違う、砂金のようなほんのりした輝きをたたえた“ニュートラルメタリック”へ。“透け感”なら、従来のシフォンやオーガンジーに加え、ガーゼや楊柳のような表面に豊かな表情を携えたものまで…と。こうした要素を取り入れたら、シンプルで定番的なシャツやボトムがすごく洗練された感じになります。

着心地がよく、すっきりしたフォルムで清潔感があり、上品で軽やか…。ミニマムをベースにした繊細でフェミニンな着こなしは、美しい気配やニュアンスを帯びた、新しい「リアル・ラグジュアリー」へと導いてくれます。

藤岡 篤子さん
ファッション ジャーナリスト
(ふじおか あつこ)世界の4大コレクションを毎回取材し、ファッションの変遷やブランドの動向をいち早くキャッチ。時代背景と共に、トレンド情報を発信する。

「心地よく、前に一歩踏み出せるものと、ラグジュアリーを更新」

柴田陽子さん(“BORDERS at BALCONY”デザイナー、ブランドプロデューサー)

いってみれば、私の日常のすべてがラグジュアリーです。ヴィンテージの椰子の木柄のファブリックに張り替えた“カッシーナ”の『マラルンガ』ソファや、最近イタリア出張で手に入れたムラーノガラスの照明など自分の好きな家具を置いたオフィスの空間、質のいいベーシックなものにお気に入りのジュエリーを合わせたおしゃれ…。

そして同じ方向を向いて頑張ろうとするスタッフと働く時間や、友達とホテルのラウンジでお茶をする時間、週末に子供とふたりきりでコースを回るゴルフの時間も…。空間、もの、人との関係…自分にとって心地いいものと過ごすため、頑張って手に入れてきたものたちです。

私が“BORDERS at BALCONY”のデザイナーとして心掛けているのは、着る人が心地よく、前に一歩踏み出せるための服をつくる、ということ。そんな服を着ていると、同じ日常の時間も変わってきます。そうして自分を更新していくことがラグジュアリーなのだと思います。

柴田陽子さん
“BORDERS at BALCONY”デザイナー、ブランドプロデューサー
(しばた ようこ)自身で立ち上げた「柴田陽子事務所」設立から20年。「東京會舘」三代目新本館のブランディングなどが評判に。アパレルブランド“BORDERS at BALCONY”を10年前に立ち上げ、デザイナーとしても活躍。

「まずは愛着で選んだジュエリーを、大切に身につけるのが第一歩」

本間恵子さん(ジュエリー&ウォッチ ジャーナリスト)

「自分にとってのリアル・ラグジュアリーは?」と思ったら、まず、ジュエリーやジュエリー・ウォッチを今と違う視点で選び、身につけてみるのはどうでしょう。何人ものジュエリーデザイナーに取材して改めて思うのは、ジュエリーの本質はファッションとは違う、ということ。ファッションの一部としてではなく、“思い入れ”や“愛着”と共につける、という本質に立ち戻ってみるのが、いいと思います。

思い出すのは、フランスの作家コレットの小説『ジジ』です。主人公の少女ジジは、社交界で一人前のレディと認められるべく伯母様に行儀作法を学び、宝石の目利きの方法も教えてもらいます。無理をして手に入れた高いダイヤモンドよりも安くて小さな指輪、それが思い出の品なら誰も変に思わない、という『ジジ』のワンシーンは、ジュエリーの本質を表しています。

ジュエリーは自分のためにつけるもの。本当に大切なひとつを選び、それを大事にしていく…。そうして自分の大切なものを認識することが、これからの「リアル・ラグジュアリー」の第一歩だと思います。

本間 恵子さん
ジュエリー&ウォッチ ジャーナリスト
(ほんま けいこ)ジュエリーデザイナーや宝飾専門誌編集者を経て独立。ハイジュエリーの世界に精通する日本でも数少ないひとりでジュエリーデザイナーの取材も多数。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

関連記事

PHOTO :
藤森星児
STYLIST :
古田千晶
HAIR MAKE :
ヘア/TETSUYA YAMAKATA(SIGNO)、メイク/津田雅世(mod’s hair)
MODEL :
立野リカ(Precious専属)
EDIT&WRITING :
川村有布子、喜多容子(Precious)