ポイントとなるのはベルトである。昨今、その多様化は目覚ましく、トレンチコートのようなダブル仕立ての一着は言うに及ばず、タイロッケンコートのようにベルトだけで締めるタイプまである。総じて言えるのは、ベルトを締めて凛と着こなすこともでき、垂らしながらリラックスして着ることも可能と、着こなしに幅を生むのである。中でもこの春オススメの2トップをご覧いただきたい。

メンズコーデの幅が広がるベルテッドコート

アスペジ

¥69,000(ラ ガゼッタ 1987 青山店〈アスペジ〉)
¥69,000(ラ ガゼッタ 1987 青山店〈アスペジ〉)

アスペジのブランドの底力が感じられるのは、名作のM-65などからもわかるようにミリタリーやアウトドアが備えた機能性を落とし込んだシティウエアといえる。M-65の製品染めによる程よいパッカリングやシワ感は、着たそばから味となり、シブさを演出してくれるのだ。そのDNAはこちらのコートへも確実に受け継がれている。ラフに袖を通してこそ、同作は真価を発揮するのである。

パルト

¥74,000(アマン〈パルト〉)
¥74,000(アマン〈パルト〉)

かつて銀幕を彩った数多の名優たちは、シンプルなコートをそれは小粋に着ていたものだ。デザイナーであるルカ・パガネッリ氏曰く、そんな彼らの佇まいがインスピレーションの源とか。なるほど、こちらの代表的モデルであるバルトロメオからも、当時の空気感がそれとなく伝わってくる。ラグランスリーブの緩やかなラインを描くショルダーやAラインシルエットが特徴的で、ベルトを締めれば裾の広がりが強調されよりエレガントな姿に。新素材のコットンポプリンの内側には撥水コーティングを施しているため、水や汚れに強いのもこれまた頼もしい。

※価格はすべて税抜です。

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PHOTO :
西山輝彦
STYLIST :
河又雅俊
WRITING :
菊池 亮
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