ケティ・ヨーク×押田デカ「夏素材」探偵団
本格的な猛暑を前に、ケティと押田デカを緊急招集。旬素材の取り入れ方や大人が目指したい着こなしまで、ふたりのトークは気温と共にどんどん盛り上がります…!
プライベートでも仲のよいケティと押田デカが、N.Y.⇔TOKYOのリモート対談を開始!
N.Y.⇔TOKYOのリモート対談を開始!画面に映し出されるスナップやアイテムをチェックしながらの辛口トークには、猛暑を乗り切るヒントが…。
編集K「ケティさん、押田さん…リモート対談始めますよ~」
押田「ケティ、お久しぶり!」
ケティ「まあ、HIROMI! 相変わらずモニター越しでも、あなたのヒョウ柄は目立っているわ。今日は少しシアーなのね」
押田「ふふ。“夏素材” というお題なので、クローゼットの中からとっておきのブラウスを探してきたの。かすかに透けてるから、ヒョウ柄でも暑苦しくない」(笑)
編集K「今日はおふたりに『素材』をテーマに、夏のおしゃれを語り合ってほしいんです」
ケティ「フーム。正直言って夏の素材で、“ラグジュアリー” を語るのは、なかなか難しいわよね」
押田「うっとりするようなカシミアもファー(フェイク)もないし」
ケティ「カシミア? うわっ想像するだけで汗…。去年、経験したけれど、東京の夏は湿気があって、うんざり。あの猛暑を考えると、夏素材はやっぱり “涼感” が命よね。でも…、実用性を追求しすぎると、なんだかチープだわ」
編集K「いやいや、麻やコットンの清涼感は欠かせませんよ」
〈夏素材〉Net & Spangle
ジュートやリネンなど、複数の天然素材を巧みに調和させることで、極上のニュアンスを実現。繊細なスパンコールの煌めきも、別格オーラを高めて。
〈夏素材〉Wood beads
装いにメリハリを加える、ビーズ刺繍のコットンジレ。シンプルトップスに重ねれば、こなれ感も満載。コンパクトなシルエットも、旬ボトムと好相性。
〈夏素材〉Flower lace
繊細な透け感が楽しめるレースブラウスは、天然素材とテクニカル素材のミックスで完成。清涼感溢れるフラワーモチーフも、上品。
「麻のシワは味わい…」は大人の女性には通用しない
ケティ「でも、リネンシャツ×コットンパンツのワンツーじゃ、ペラペラしすぎるわね。いくらジュエリーを盛っても、つまらないわ」
押田「同じ麻やコットンでも、ローゲージのネットやクロッシェのような、凹凸のあるニットを、そこに加えるといいんじゃない」
編集K「質感の変化で、立体感をつけるということですね」
ケティ「私はリネンジャケットのざらっとした質感が大好き! でもシワも味わいと思っていたのは40代前半まで。夜、家に戻って鏡を見たら、ジャケットも自分も、横ジワがひどくて…(笑)。くたびれたリネンは、悲しくなるわ」
押田「ハハハ、カサカサした素材だけじゃ、大人の女性を美しく見せてくれないもの」
ケティ「みんなが大好きなカゴバッグも、ゾロッとしたロングワンピースに合わせると、とたんにほっこり。リゾートでならお好きにどうぞ、なんだけど、街で着るのはどうかしら?」
押田「私は麻やコットンの涼感スタイルには、艶を取り入れるようにしているの。パールっぽいシルクブラウスとか、とろみのあるスカートやパンツとか…」
〈夏素材〉Crochet
コットン糸をクロッシェ技法で編み上げたクラフト感満載のニットは、今季の注目アイテムのひとつ。1点投入するだけで、佇まいも断然フレッシュ。
〈夏素材〉Weave
シルキーな艶が特徴のレーヨンで、ラフィア調の表情を再現。凝った編み地の変化も、リッチな印象。
〈夏素材〉Linen Dungarees
デニム調のニュアンスが楽しめるシャツは、リネン×コットンの混紡で軽やかに。ほっこり感を抑えた旬アイテムは、迷わずトライ!
トレンドの「スパークル」はデイタイムに着てこそおしゃれ
編集K「夏に艶、大人の余裕ですね。光沢感つながりで、旬の “スパークル” はいかがでしょう?」
ケティ「ブルックリンやダウンタウンのこなれたニューヨーカーは、デイリーな着こなしに上手に取り入れているわね。インナーにラメトップスを忍ばせて、ジャケットを脱いだらもう一段ゴージャスに! といった感じかしら。ラメアイテムは老けて見える危険性もあるから、素肌の露出度をアップしてフレッシュに着る人も多いわね」
編集K「なるほど、攻めますね」
押田「デイリーに着るのは賛成だけれど、あまり過激になるのはどうかしら…? あらっ、そういう私も昨日は黒のスパンコールニットを着てたっけ! ショートパンツで脚を露出して!」
ケティ「そうこなくっちゃ、私の知っているHIROMIじゃないわ」
押田「全身黒で統一して、あくまでもデザインはシンプル。そして、エレガントさをキープしてね」
「程よく肌が見え隠れするレース素材はそれだけでゴージャス! それ以上の甘さはいらないわ」(押田デカ)
押田デカのこの夏の挑戦は、黒のコットンレースのパンツ。
「はっと目を引く華やぎアイテムを、ボトムで取り入れるのが新鮮。襟開きのエレガントなシルクブラウスで、ほのかな艶も忘れない」(押田さん)
モードな攻めとエレガンス、そのせめぎ合いがカギ
ケティ「N.Y.では、すっかり肌を見せることに慣れちゃったけれど、若い世代のように、ただ露出すればいいわけじゃない。その点、レースやシアーな素材は涼しげだし、ダイレクトに肌を見せずに、見え隠れするっていうところが、センシュアルで大人にはおすすめだわ」
押田「トランスペアレントなトップスは、ここ数年ですっかり定番になっているから、少しモードを意識することも必要ね。それこそ “透け” を計算して、インにはカットオフされた肌見せアイテムを合わせるのはどうかしら?」
編集K「ビスチェもベアトップ型のオールインワンも、ヴェールのようなトップスをまとえば抵抗なく着られそうです」
「成熟した大人の女性は、カサカサした夏素材だけじゃダメ!プラスαの艶と輝きを味方に」(ケティ)
「上質ベーシックは私の信条だけど、白シャツだけじゃどうにも様にならない」と言うケティは、シルバーラメのニットジレをレイヤード。スリット入りのセンシュアルなスカートが輝きだす。
ケティ「私の周りのファッションピープルたちの間では、トランスペアレントな素材を、ボトムスで取り入れる人が多いみたい」
編集K「えっ、ボトムで?」
ケティ「ボトムスが刺激的だから、トップスは白Tだけで十分!」
押田「下半身の “透け” が気になるなら、スパンコールやビーズの生地に、透けたチュールを重ねたスカートやドレスがおすすめね」
ケティ「トランスペアレントとスパークルのハイブリッド! 私もこの夏、そのタイプが気になっているわ、エレガントだしね」
押田「涼しく見せながらの素材ミックスって、難易度が高いけれど、それを克服すれば、夏は勝利よ」
〈夏素材〉Rattan
ジュエルライクなアイコンバッグがラタンに替わると、開放的な雰囲気に。昼夜問わず、多彩なシーンで活躍させたい。
〈夏素材〉Punching
コットンと見紛うロングジレは、パンチング加工を施してもほつれにくい、テクニカル素材。まとうだけで鮮度が上がるうえ、縦ラインも強調されてスタイルアップも叶う。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- ブルネロ クチネリ ジャパン TEL:03-5276-8300
- コロネット/フォルテ フォルテ TEL:03-5216-6518
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- PHOTO :
- 小池紀行(CASK)
- STYLIST :
- 押田比呂美
- ILLUSTRATION :
- 斎藤木綿子
- EDIT&WRITING :
- 兼信実加子、喜多容子(Precious)