豪華客船によるクルーズの旅の醍醐味のひとつといえば、夜のディナーやショーの鑑賞などのラグジュアリーなイベント。こうした優雅な場では、その場にふさわしいドレスコードの指定があります。

そこで今回の「クルーズのお困りごと解決シリーズ」では「クルーズ船のドレスコード」を、クルーズ・ジャーナリストの藤原暢子さんに教わります。

知っておきたい、クルーズ船でのドレスコードとは?

フォーマルな服装でディナーへ

「クルーズでは確かにドレスコードがあります。ただ、とてもシンプル。夕刻からのディナータイム以降に決まった服装規定が求められるだけで、日中などは基本的に自由。カジュアルで構いません。客船によっては『カジュアル』と『フォーマル』の中間の『インフォーマル』な服装が求められることもあります。インフォーマルは、いわゆるフォーマルを若干くだいた雰囲気の服装です。クルーズ前に受け取るクルーズの案内に、どのドレスコードが何回あるか明記されていますので、それに合わせて準備をしていきましょう。

乗船したら、船内新聞にその日のドレスコードが明記されていますので、早めに確認しておくといいです。また船会社によって、ドレスコードがないフリースタイルな船、常にちょっとおしゃれな『スマート・カジュアル』のみという船もありますので、船会社を決める前に確認するのもよいでしょう」

インフォーマルなプライベートパーティー

主なクルーズのドレスコード

・フォーマル…正装。男性はタキシードやダークスーツ、女性はイブニングドレス、カクテルドレスなど。
・インフォーマル…正式ではないおしゃれ着。男性はスーツやジャケット、ブレザー、ネクタイなど。女性はワンピース、おしゃれ系スーツなど。
・カジュアル…おしゃれな普段着。男性は襟付きシャツやポロシャツ、スラックスなど。女性はワンピース、ブラウスとスカートなど。

「カジュアル」はカジュアルでも、百貨店へ行くくらいのさじ加減で

ソファーに座る女性
カジュアル

ドレスコードは「同じ雰囲気の装いをして、その場の雰囲気を楽しみましょう」という目的のためにあるので、あまりナーバスになる必要はありません。ただ、ひとりだけカジュアルすぎて残念な思いをするより、若干のおしゃれをしたほうがかえって気が楽なところも。

「カジュアルは普段着ですが、Tシャツや短パン、ジーンズなどは、やはりふさわしくありません。通常、街に出てちょっと高級なデパートでショッピングをするようなイメージを持つといいでしょう。また、同じフォーマルでも船の種類によって、よりフォーマルな装いが求められることもありますので注意しましょう。例えば、『クイーン・エリザベス』などのキュナード・ラインは、フォーマルナイトの盛装率も高いです。男性はタキシードと蝶ネクタイ、女性はデコルテの出たフルレングスなどの本格的な装いが似合います。各国の民族衣装を着られる方もいて、日本人の中には、羽織袴や訪問着などを着られる方もいます」

フォーマルウェアの男女
寄港地の民族衣装を取り入れたフォーマル

女性が知っておきたい服装選びのポイント

また、藤原さんによると、女性が服装を選ぶときに知っておきたいことがあるそうです。

「夏場は、船の中は冷房が効いているので、肩出しのドレスなどの場合、何かはおるものを着用するか持っておくのをおすすめします。デッキやバルコニーに出ると紫外線もありますので、帽子やサングラス、日除けなども忘れずに。また、靴はデッキなどでは滑りやすいので、ドレス用の靴とは別に歩きやすい靴も準備しておきましょう」

ドレスコードの素朴な疑問Q&A

最後に、クルーズのドレスコードについて素朴な疑問に、藤原さんに答えていただきました。

Q.ドレスコードを守るべき時間はいつ?

「ドレスコードを守るのは、ディナー前から夜、客室に帰るまで。『タキシードは荷物になるから持っていきたくない』などというときは、ドレスコードが不要なビュッフェ・レストランやルームサービスにして、客室でのんびりするという裏ワザもあります。

ただ、せっかくなら積極的にクルーズ船でのおしゃれを楽しだほうがよいでしょう。特にフォーマルの日はあちこちでプロのカメラマンがポートレートを撮影し、その後、気に入ったら購入できるので、よい思い出になるはずです」

Q.手持ちの服装がドレスコードに合わないとき、クルーズ船の中のお店で購入できる?

 「船内のショップが充実していれば、ドレスやタキシードを買うこともできますが、日本人の場合、サイズが合わない場合もあります。ただ、スカーフやアクセサリーなどを買って、手持ちの服を華やかにすることはできるでしょう。地中海クルーズなどなら、寄港地でショッピングついでに、ちょっとしたドレスを買うこともできますよ」

フォーマルな装いで楽しむラグジュアリーなディナーもクルーズ旅行の醍醐味。藤原さんも言うように、普段とは異なるファッションを楽しむよい機会といえます。思い切りおしゃれを楽しみたいですね。

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藤原暢子さん
クルーズ・ジャーナリスト
(ふじわら のぶこ)20代で世界一周クルーズを体験後、客船の世界に魅せられる。老舗の客船雑誌『CRUISE』編集長を経て、クルーズ・ジャーナリストに。100隻以上の船で約90か国をめぐる。現在も世界の客船でさまざまなエリアをめぐっている。クルーズはホテルと旅の融合のため、陸のホテルや旅行、美食などについても日々研究中。
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この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
石原亜香利