この秋Preciousが提案したいのは、淡色「ニュートラルカラー」に宿る洗練された気品と余裕と、濃色「ベイクドカラー」に漂う凛とした豊かさと迫力です。
雑誌『Precious』11月号では、【この秋、大人は「マチュアな配色美」で魅せる!】と題し、繊細な色の違いを見極め、同系色のグラデーションにしたり、曖昧に色を溶け合わせたりする、大人ならではの「マチュアな配色」を特集。
今回は、ファッションジャーナリスト藤岡篤子さんに、「ドリス ヴァン ノッテン」「フェンディ」「プラダ」のランウェイを参考に今マチュアなカラーパレット、ベイクドカラーについて解説していただきます。
〈ベイクドカラー〉秋冬の定番色から、トレンドカラーに浮上。格調ある色味が大人を美しく際立たせる(藤岡篤子さん)
「秋冬シーズンといえばブラウンやボルドー、カーキなどのベイクドカラーは、常に一定数見られるものでしたが、今季は多くのブランドから登場。トレンドカラーとして、モードなスタイルがさまざまに提案されています。こうした色がもつ格調や気品、凛とした落ち着きに、惹かれているのではないでしょうか。
重厚な色合いなので、デザインはクラシックすぎることなく、どこかに軽やかさがあるもので新しさを出すことが必要。配色は、同系色のワントーンや濃色同士のコンビネーションで魅せるのが潮流です。コントラストはあまりつけません。服はワントーンにして、アクセントをつけるなら、靴やバッグで効かせるのがいいでしょう。特に赤系小物は注目株です。またブラウン系の色そのものが、“紫み”に寄っていることも新傾向。格の高さや神秘性を感じさせる“紫”を含んだ色合いは、大人の女性のオーラをより高めて、味方になってくれるはずです」
【ドリス ヴァン ノッテン】
ドリス自身による最後のレディスコレクションになった今回。意外性の高い色を自然の恵みのように美しく自在に組み合わせ、感動を誘った。キャメル色ニットと深いグリーンのスカートの新鮮な調和が見事。
【フェンディ】
量感たっぷりのロングコートは、まさにトレンドのチョコレートブラウン! コントラストを抑えた、スモーキーピンクのインナーとの配色も、今季らしさを象徴して。艶やかなレザーブーツが質感のメリハリに効果を発揮。
【プラダ】
気品漂うバーガンディに彩られた膝丈ストレートワンピースが、上品なモード感を放って。ジャカード織のクラシックな趣も、色の魅力を印象づけている。小物でアクセントカラーを効かせるバランスも注目ポイント。
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- EDIT :
- 長瀬裕起子、下村葉月、木村 晶(Precious)