頭皮、白髪、薄毛などなど、年齢を重ねるにつれ、どんどん増えてくるのが「髪にまつわる悩み」。なかでも人に相談しにくく、深刻なのが「薄毛」にまつわるお悩みです。年齢を重ねるごとに、髪は細くなり、コシがなくなりがち。そうなると、せっかく髪を立ち上げてボリュームアップを狙っても、すぐペタ~っと地肌にはりつき、髪の隙間から地肌が透けて…ということも。
そんな残念な髪をカバーし、見違える技を、第一線で活躍する有名美容室のヘアスタイリスト19名にうかがってみたところ、「薄毛を目立たせない方法」の共通点が見えてきました。
それは「レイヤーまたはパーマで髪の根元を起こして、ボリュームを出すこと」です。
美容師19名の結論:レイヤーまたはパーマで髪の根元を起こしてボリュームアップ!
お手本スタイル1:トップのレイヤーで髪の質感を調整
伊藤和明さん
ACQUA aoyama ディレクター
「レイヤーで髪の質感と量感を調整するのがポイントです。トップの立ち上がりを保つのにスタイリング剤は欠かせません。その方の髪質やスタイルによって合うスタイリング剤は異なるので、ご自身を担当しているスタイリストと相談してみてくださいね」
ACQUA aoyama ディレクター・伊藤和明さんが提案するこのスタイルは、トップを重め、襟足やフェイスラインにかかる毛先は軽めに毛量を調整。トップにふんわりとした立ち上がりをつくって、メリハリのあるバランスに仕上がっています。
お手本スタイル2:前下がりのレイヤーを入れてトップにボリュームをプラス
佐野みづほさん
ZACC raffineスタイリスト
「前下がりのレイヤーを入れることで、トップにボリュームを出しています。また、トップからパーマをかけることで、さらにボリューム感が生まれるのでオススメです」
ZACC raffineスタイリスト佐野みずほさんが提案してくれたのは、アシンメトリーで動きのあるフォルム。
お手本スタイル3:地肌を擦るようにドライすれば自宅でも簡単に立ち上がりを実現!
白倉和則さん
P-cott店長
「トップにレイヤーを入れてボリュームを出しています。全体が菱形のシルエットになるようにつくると、ボリューム不足はカバーできます」
P-cott店長・白倉和則さんは、髪のボリュームアップには「乾かし方」も重要と力説。地肌からしっかり濡らし、肌を擦るようにドライヤーで乾かし、乾いたら冷風をあてるとサロン帰りの仕上がりが再現できるとか。
ほかのスタイリストもこう証言!
地肌を透けさせないために、「トップにレイヤーを入れる」、「根元にパーマをかける」といった意見が多数。頭頂部にボリュームを出してふんわりさせることで、薄毛をカバーするのがポイントのようです。
トップにボリュームを持たせるスタイルを自分で再現するテクニックも、スタイリストたちに教えていただきました。
熊谷安史さん
ACQUA aoyama 店長
「いつも同じところで分け目をつくっていませんか? その分け目を5㎜ほどずらすだけで、髪が根元から立ち上がります。ぜひ試してみてください。前髪の幅というか、奥行きを深くとると地肌が透けにくくなるのでオススメです」
宇賀治 智さん
FIX-UP 店長
「トップのレイヤーを短く切り込んで、ボリュームと動きを作ると地肌は透けて見えません。トップにパーマをかけるのもいいでしょう。ボリュームと動きが出て、軽さも表現しやすくなります」
内藤新士さん
natura クリエイティブディレクター
「根元にパーマをかけて、立ち上がりや全体のボリュームを出すことも重要。ご自宅でスタイリングするときは、乾かすときに指やブラシで根元を立ち上げるようにドライしてください。その後でカーラーなどで巻いて立ち上がりをつくるとスタイルが長持ちします」
西本 悠さん
XELHA店長
「ベースカットでレイヤーを入れておくと、全体をふんわりしやすくなります。パーマをかける際は、根元を立ち上げるようにかけるとボリュームが出やすくなります」
柿澤つかささん
六本木美容室 白金店 スタイリスト
「ロングでストレートな髪だと、重みに耐えられず、ペシャンコになりがち。トップの髪を短くカットすると、根元から立ち上がりやすいので、ボリューム不足の方にオススメです」
木倉義宗さん
MINX銀座二丁目店 代表
「顔周りやトップにレイヤーを入れると、バランスの重心が上がるので全体的にふんわりとしたスタイルになります。重心が低いとトップにボリュームを出しにくくなります」
坂 政尚さん
Double ヘアスタイリスト
「全体的にグラデーションを入れるように、顔周りにレイヤーを入れるとボリュームが出ます。ご自身でスタイリングするときは、トップをアイロンで巻いて立ち上がりをつくってみてください」
瀬川史弥さん
kakimoto arms GINZA 2 chome スタイリスト
「頭頂部にしっかりレイヤーを入れることがポイントですね。乾かすときは根元から立ち上げるようにドライヤーをあててください。スタイリングするときはカーラーで頭頂部だけ巻くと、ボリュームが出ます」
湯浅星悟さん
ZACC raffine 副店長
「スタイリングする前に、マジックカーラーで頭頂部を巻いて根元の立ち上がりをつくっておくといいですよ。頭皮用シャンプーで、日ごろから頭皮ケアを心がけるのも重要です」
二階堂 雪さん
Rougy ヘアデザイナー
「髪が長いと重みでペタ~ッとなりやすいので、レングスを短めにしたいですね。根元からパーマをかけたり、前髪をつくって分け目をつけないようにすると、地肌が透けません」
生井貴行さん
enfleurage青山 マネージャー
「分け目をつくるとき、直線ではなくカーブを描くようにすると、頭頂部にかかる毛量が増えるので、ボリューム不足がカバーできます。普段のヘアケアですが、トリートメントしてからシャンプーをすると髪に栄養を与えつつ、ふんわり感も出やすくなります」
長谷部しのぶさん
enfleurage青山 ディレクター
「前髪のあるスタイルの方が髪のボリュームが多く見えます。ブローをするときは地肌に風を入れて、根元を立たせるようにするとふんわり感が出せるので、ぜひお試しください」
小林卓也さん
kakimoto arms JIYUGAOKA スタイリスト ディレクター
「トップにボリュームが出るように、ポイントでパーマをかけるといいですね。ボブからショートのような短めのスタイルの方が、ボリューム不足を解消しやすいと思います」
臼木 茜さん
kakimoto arms JIYUGAOKA スタイリスト
「ボリューム感の出るレングスは人それぞれなので、まず最適な長さを設定することがポイント。その後で骨格や髪質を見ながらグラデーションとレイヤーを組み合わせてカットします。さらにパーマでボリューム感を出せば解消できます」
まとめ
薄毛が気になるときの髪型は、「レイヤーまたはパーマで髪の根元を起こしてボリュームを出すこと」が重要!
薄毛対策はカットやパーマだけでなく、自宅での「スタイリングが大切」ということがわかりましたね。
まず、髪の根元までしっかり濡らすこと。中途半端に髪の表面だけ濡らしてもドライヤーの熱が根元に伝わらないばかりか、髪を傷める原因にもなるので要注意。その次に指やブラシで根元を立ち上げるようにドライヤーをあてればOKです。
サロンでトップにレイヤーを入れたり、根元にパーマをかけたら、自宅スタイリングでサロン帰りのようなボリュームヘアをキープしましょう!
人気美容師19名へのリサーチからわかった「髪型の悩みのベストアンサー」、次回は【白髪編】をご紹介します。
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この記事の執筆者
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- PHOTO :
- 古谷利幸〈F-REXon〉
- WRITING :
- 中島祐美
- DIRECTION :
- 青木 笑