2024年11月、静岡県にあるレース場、富士スピードウェイを舞台に『マクラーレン・トラックデイ・ジャパン 2024』が開催されました。英国のラグジュアリー・スーパーカーメーカー、マクラーレンのカーオーナーを対象としたこのイベントには、日本全国から177台ものマクラーレンが集結。そこに今回特別ゲストとして登場したのが、ブルーノ・セナさんです。日本でも人気が高いマクラーレンの魅力、そして自分でハンドルを握ることで広がる人生の豊かさなどを語ってもらいました。

ブルーノ・セナ=ラリさん

ブラジル出身のプロレーシングドライバー。2014年よりマクラーレン・オートモーティブのグローバルアンバサダー兼ディベロップメントドライバーを務め、さまざまなイベントやマシンの発表、開発に携わる。モナコ在住。
ブラジル出身のプロレーシングドライバー。2014年よりマクラーレン・オートモーティブのグローバルアンバサダー兼ディベロップメントドライバーを務め、さまざまなイベントやマシンの発表、開発に携わる。モナコ在住。

日本を愛していた叔父アイルトン

『マクラーレン・トラックデイ・ジャパン 2024』では、ビギナーからエキスパートまで、多彩なオーナードライバーたちがそれぞれのカテゴリーで思い思いに走行を楽しんだ。
『マクラーレン・トラックデイ・ジャパン 2024』では、ビギナーからエキスパートまで、多彩なオーナードライバーたちがそれぞれのカテゴリーで思い思いに走行を楽しんだ。

ブルーノさんがレーシングドライバーになることを意識したのは、わずか5歳のとき。もちろん、それには叔父であるアイルトンさんの存在がありました。

「当時、日本グランプリはF1シーズンの最後の時期に開催されていました。叔父はレースが終わるとそのまま日本からブラジルに帰国し、日本で手に入れた変わったもの、面白いものを持ってきてくれました。おのずと子供の頃から日本への興味が芽生え、私たち家族(注:ブルーノさんの母ビビアーニさんがアイルトンさんの姉)にとっては特別な国でした」

レーシングドライバーは過酷な仕事ですが、ブルーノさんはどんなときでも運転する楽しみを第一に考えて行動しているといいます。

「自動車は運転する人だけでなく、同乗する人にとってもかけがえのない体験です。走行中に伝わってくるバイブレーションやエンジンのサウンドは常に変化し、とくにスポーツカーの場合は、それがダイナミックな感動につながります。マクラーレンの魅力はそれだけではありません。レーシングカー譲りの高い性能には正確性も含まれており、つまり安心して運転できるのです。マクラーレンで走ることは、究極のリラクシング体験でもあります」

自然豊かな旅先で運転を楽しんで!

ブルーノさんはイベントでトークショーにも登壇。叔父アイルトンさんとの思い出も語った。
ブルーノさんはイベントでトークショーにも登壇。叔父アイルトンさんとの思い出も語った。

学生時代や社会人になって間もない頃は自動車でドライブしていたのに、仕事やライフステージの変化で運転する機会がめっきり減ってしまった、という人は少なくないはず。そうなると、いざキーを渡されてもリラックスするどころか固まってしまいます。自動車に苦手意識をもつ女性に向けて、楽しく走れるようになるコツをブルーノさんにうかがってみました。

「レース場で限界ぎりぎりまで競っていると、思わぬ形で防護壁やほかのマシンと接触してクラッシュしてしまうことがあります。うまく走れなかったことに対する気持ちの落ち込みは相当なものですが、だからといって間を置くことはせず、すぐにもう一度ハンドルを握るようにしてきました。それが恐怖に打ち勝ち、自信を取り戻す最良の方法なのです。

日常での運転も間を置かないことが一番ですが、何年も走っていないのなら、いきなり交通量の多い場所へ行くのは避けましょう。ストレスを抱えては意味がありませんからね。たとえば運転に慣れた人と遠くへ出かけて、郊外の走りやすい場所で自分がハンドルを握るのはいかがでしょう? 日本は海や山に行きやすいですし、美しい自然にも出会えてお得です。恐怖と感じない環境で自信を取り戻し、運転を楽しみましょう!」

モナコでは女性も積極的に運転を楽しんでいる

“ほぼレーシングカー”なアルティメットシリーズ「マクラーレン セナ」をドライブするブルーノさん。モナコの道で夫人も運転したという。
“ほぼレーシングカー”なアルティメットシリーズ「マクラーレン セナ」をドライブするブルーノさん。モナコの道で夫人も運転したという。

マクラーレンのロードカー(市販車)はひと目見てそれとわかる流線形のデザインで、レース場などの専用サーキットでは素晴らしいスピードで加速し、華麗に曲がっていきます。『マクラーレン・トラックデイ・ジャパン 2024』でも多くの参加者が楽しみにしていたのが、サーキット走行のプログラムでした。それほどの性能を誇るマクラーレンの特徴を、ブルーノさんは「とても運転がしやすいクルマ」と評します。

「流線形のボディをはじめ、マクラーレンのロードカーはすべて機能に基づいてデザインされています。運転席に座れば、とてもシンプルにデザインされていることに気づくでしょう。ハンドルには余計なスイッチを付けずに、操作することに集中できるフレンドリーな設計です。外の景色もよく見えて、不安を感じることはありません。運転中、常に人とクルマのつながりを感じるので、街中を法定速度内で走っているだけでもファンタスティックな体験ができますよ」

ブルーノさんは既婚者。夫人もマクラーレンを運転することがあるといいます。

「私が住むモナコは歴史があり、旧市街はとても道が細いのですが、スポーツカーやエレガントなラグジュリーカーを運転する女性はよく見かけます。妻もその一人。モナコでレースイベントが開催されたとき、私はマクラーレン・セナという、叔父の名を冠したハイパーカー(注:上の写真。2017年に発売された超高性能モデル)で出場したのですが、帰りは妻に運転を任せきり。細い路地も平気で走って、最後は自宅のガレージまで入れてくれました(笑)」

「マクラーレン GTS」。エレガントで驚くほど運転がしやすいこの最新モデルで、Precious.jp取材陣はイベント会期中の宿泊先である「富士スピードウェイホテル」までドライブを楽しんだ。
「マクラーレン GTS」。エレガントで驚くほど運転がしやすいこの最新モデルで、Precious.jp取材陣はイベント会期中の宿泊先である「富士スピードウェイホテル」までドライブを楽しんだ。

セレブリティ感あふれるエピソードも披露してくれたブルーノさん。スピードに全身全霊を賭ける過酷な現場をくぐりぬけてきたとは思えない優しい表情と語り口で、運転に苦手意識を抱きがちな私たちに心強い言葉を投げかけてくれました。この秋からは旅にも行ける実用性を備えた最新モデル「マクラーレンGTS」のデリバリーも始まり、夢を叶えるには絶好のタイミング。マクラーレンでファンスタティックな体験を叶えてみませんか?

「マクラーレン GT」は2人乗り。車体後方寄りの低い位置にエンジンを搭載し、その上が開口部の大きい荷室となっている。前方のボンネット下にも深い荷室があり、2人分の旅荷物を積める実用性を備える。
「マクラーレン GTS」は2人乗り。車体後方寄りの低い位置にエンジンを搭載し、その上に開口部の広い荷室を設けているのが特徴。前方のボンネット下にも深い荷室があり、2人分の旅荷物を積める実用性を備える。

【Mclaren GTS】

ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,683×2,095×1,213mm
車両重量:1,456kg
トランスミッション:7速+後退SSG(AT限定免許で運転可能)
車両本体価格:¥28,700,000(税込み)

問い合わせ先

マクラーレン・オートモーティブ

この記事の執筆者
総合誌編集部を経て独立。ライフスタイル全般の企画・編集・執筆を手がける。ファッションのひとつとして自動車に関心を持ち、移動の手段にとどまらない趣味、自己表現のひとつとして提案している。
PHOTO :
マクラーレン・オートモーティブ、Precious.jp