【目次】
【「大寒」とは?「読み方」と「意味」】
■「読み方」
「大寒」は「だいかん」と読みます。簡単ですね!
■「意味」
「大寒」は古代中国でつくられた季節の区分法、二十四節気のひとつです。二十四節気は、1年を24等分して、季節の移り変わりを教えてくれますよ。「大寒」は太陽の黄経が300度に達したときを指し、毎年1月20日ごろにあたります。日本をはじめ、北半球の温帯地域では一年中で最も寒い季節です。極寒に抗い身体を鍛える、さまざまな寒稽古 (かんげいこ) が行われるのもこのころです。
【2025年の「大寒」はいつ?】
二十四節気では、1年(365日)を24等分しますので、各節気の期間は約15日。例えば、「大寒」といった場合、「大寒」に入る日を指す場合と、「大寒」にあたる15日間を指す場合があります。
■2025年の「大寒」は?
二十四節気は太陽の動きによって決まるため、年によって「大寒」が始まる日は多少前後します。2025年の「大寒」は1月20日(月)です。1月20日から始まって、「大寒」の最終日にあたる2月2日(日)の「節分」までの約15日間を「大寒期」と呼びます。
節分と聞くと2月3日を思い浮かべる方は多いのでは? 昨年の2024年が閏年(うるうどし)だったため、2025年の「立春」は、2月3日にずれこんでいます。そのため「立春」の前日にあたる節分も、1日前倒しに。間違わないようにしましょうね。
【立冬、小寒、冬至との違いは?ビジネス雑談に役立つ知識】
■季節ごとの「節気」は6つ!
繰り返しになりますが、二十四節気は1年を24等分しています。従って、「冬」にあたる節気は6つ! 冬が始まる「立冬(りっとう)」から、冷たい雨が雪に変わり始める「小雪(しょうせつ)」、雪が積もり始める「大雪(だいせつ)」、本格的な寒さを迎える「冬至」、1年で最も寒さが厳しくなり始める「小寒(しょうかん)」、そして最後が今回のテーマである「大寒(だいかん)」です。
■「大寒」は一年を締めくくる最後の期間
「小寒」の始まりから「大寒」が終わるまでの期間、約30日を「寒の内(かんのうち)」あるいは「寒中(かんちゅう)」「寒(かん)」などと呼びます。また、「小寒」の初日を「寒の入り(かんのいり)」、そして「大寒」の最終日は「寒の明け(かんのあけ)」と呼びます。寒が明けると、いよいよ「立春」となり、暦の上では春を迎えるのです。
二十四節気では、「立春」が春の始まりであり、なおかつ「一年の始まり」とされています。「大寒」はそこから数えて24番目にあたる季節。つまり、「大寒」は一年を締めくくる一番最後の期間にあたるのです。そして「大寒」最後の日である節分は、旧暦でいう大晦日にあたる日。 節分の行事は、一年の最後を締めくくる行事だったのです!
■「三寒四温」って知ってる?
冬の季節に、寒い日が3日ぐらい続くと、そのあと比較的温暖な日が4日ぐらい続くなど、寒暖が繰り返される現象を「三寒四温(さんかんしおん)」と言います。もともとは中国北東部や朝鮮半島北部で起こる、冬季の気候現象として使われていた言葉です。
一方日本では、低気圧と高気圧が交互にやってきて、寒くなったあとに暖かくなってまた寒くなるなど、周期的な気温の変化を繰り返す現象は、早春のころが多くなります。このため、日本における「三寒四温」は、本来この言葉が使われる冬ではなく、寒暖の変化がはっきり現れる2月の終わりごろから3月にかけての春先に、多く用いられるようになりました。従って「三寒四温」は冬の季語ではありますが、手紙などで時候の挨拶として使われるのは、2月下旬くらいが一般的です。
■「大寒」のころの「時候の挨拶」は?
[書き出しの言葉として]
・大寒のみぎり(「候」あるいは「折」でも)、いかがお過ごしでしょうか。
・寒さが身にしみる季節となりましたね。
・寒の入りの名の通り、寒さが厳しくなってまいりました。
[結びの言葉として]
・厳寒の折、お体おいといください。
・まだまだ厳しい寒さが続きますので、どうぞご自愛なさってください。
・立春も間近ですが、しばらく寒さが続きます。お風邪などお召しになりませんようご自愛ください。
【大寒卵とは?大寒の縁起のいい食べ物】
■「大寒卵」って何?
「大寒卵(だいかんたまご)」は文字通り、「大寒」の日の卵。「大寒」初日(2025年は1月20日)に生まれた「縁起物」の卵を指します。では、なぜ「大寒」に産まれた卵は縁起がよいのでしょうか?
ニワトリは本来、冬には卵を産みません。さまざまな技術が進歩した現代では、私たちは一年中、当たり前のように卵を食べていますが、昔はそうではありませんでした。寒い冬の時期、ニワトリが卵を産むことは稀。そのため、「大寒」の時期に産まれた卵には栄養がぎゅっと凝縮され、ほかの時期の卵と比べて1個あたりの栄養価が高かったといわれています。
このような背景から、「大寒」に生まれた卵は「大寒卵」と呼ばれ、縁起物として扱われるようになったのです。現代では、卵の栄養価は一年を通して一定に保たれていますが、かつての名残から今でも「大寒卵」は縁起物として人気です。「健康運」や「無病息災」、「金運」の願いが込められているそうです!
■うまみを引き出す「寒仕込み」
味噌や醤油、日本酒などの発酵食品で、「寒仕込み」と謳っているものがありますよね。「寒仕込み」とは、一年でもっとも寒い「寒の内」に汲まれた水を使い、醤油や味噌、酒などを仕込むことをいいます。厳しい寒さの中で汲まれた寒の水は、不純物が少なく雑菌が繁殖しにくく、口あたりがやわらかで発酵もゆっくり進むため、うまみを引き出しながら熟成させることができます。醤油や味噌、酒だけではなく、高野豆腐(凍み豆腐)や寒天などもこの時期に仕込むのがよいといわれています。
■恵方巻
旧暦では「立春」が一年の始まりであり、節分は現在の大晦日に当たる日であることは、前述の通り。そして節分の食べ物といえば、「恵方巻き」が定番ですね! 「恵方巻き」とは、「大寒」の最後の日でもある節分の日に、恵方(その年の年神様がいる方向)を向いて食べる太巻き寿司こと。心のなかでに願いごとをしながら、黙って食べきると、その願いごとが叶うといわれています。もともと大阪地方の習慣だったものが、2000(平成12)年ごろから全国に広がりました。大阪地方では単に「巻き寿司」と呼ばれていたそうです。
ちなみに、2025年の恵方は西南西。風水では「土」の気をもつ方角で、家庭運や健康運、安定や成長によい運気をもたらしてくれるそうです。
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今回は「大寒」について解説しました。「大寒」は一年で一番寒い季節ですが、「冬来たりなば春遠からじ」。あたたかな春はすぐそこ。体調管理に気をつけて、お健やかにお過ごしください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料: 『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) :