これまでいただいたプレゼントの中で、あなたは何がいちばんうれしかったでしょうか?

ヌーヌ環礁に浮かぶ、直径500メートルの島。オーナーは理想の島を求めて、10年間探し回ったそう
ヌーヌ環礁に浮かぶ、直径500メートルの島。オーナーは理想の島を求めて、10年間探し回ったそう

金額ではないと思いつつも、やはり愛を感じてしまうのが、今回ご紹介するモルディブのリゾート「ヴェラ プライベート アイランド」です。この1島1リゾートのオーナーは、チェコの40代の若き銀行家。奥様に島をプレゼントしようと、10年間かけて旅して回り、ようやく理想の島に出合いました。そして約280億円をかけて2013年12月、ヌーヌ環礁にこのアイランドリゾートをオープンさせたのです。

モノクロームの写真はリゾート建設ができるまでの様子。島への思い入れがうかがえます
モノクロームの写真はリゾート建設ができるまでの様子。島への思い入れがうかがえます

リゾート名の「ヴェラ」とは、現地の言葉で「カメの島」という意味。この島が海ガメの産卵地であることから、このネーミングが選ばれました。水上飛行機でこのリゾートに向かい、上空から島を見下ろすとき、ちょっとした発見があるでしょう。直径500メートルの島は「カメの甲羅」、水上コテージが頭のようなレイアウトになっているのです。さらにリゾートの随所でも色使いや甲羅のパターンなど、ところどころにカメのモチーフが使われているのも特徴。

水上コテージ群。上空から見ると、ちょうどカメの頭の部分にあたります
水上コテージ群。上空から見ると、ちょうどカメの頭の部分にあたります
広さ223平方メートル以上を確保したヴィラ。モルディブらしさとヨーロッパの洗練が融合したデザイン
広さ223平方メートル以上を確保したヴィラ。モルディブらしさとヨーロッパの洗練が融合したデザイン

「モルディブのカルチャーとコンテンポラリーラグジュアリーの融合」をコンセプトにしたヴィラは、47棟。落ち着いたダークな色合いとバンブーなどの建材がエキゾチックな印象を与えます。223平方メートル以上の広さがあり、すべてにプライベートプール付き(プールの周囲のストーンはヨルダンから取り寄せた、熱を帯びないものだとか!)。各バトラーは1~2室のみを担当するので、手厚いケアが受けられます。ちなみに、47組のゲストに対し、300名のスタッフがスタンバイしています。

サンセット デラックス ウォーター プールヴィラのバスルーム。ここだけで広さ37平方メートル
サンセット デラックス ウォーター プールヴィラのバスルーム。ここだけで広さ37平方メートル
最上位のカテゴリーは2階建てのヴェラ プライベート レジデンス。4ベッドルームで1324平方メートル。まるで邸宅!
最上位のカテゴリーは2階建てのヴェラ プライベート レジデンス。4ベッドルームで1324平方メートル。まるで邸宅!

ヤシの木よりも高いタワーが島のアイコン

モルディブでは珍しい、高さ22メートルのタワー、「タバル」
モルディブでは珍しい、高さ22メートルのタワー、「タバル」

1島1リゾートでは「食」が大切です。気軽に「外へ食べに行こう!」と、島から出るわけにはいかないのですから。そのあたりも「ヴェラ プライベート アイランド」は心配ご無用です。高さ22メートルの「タバル」というタワーには、鉄板焼きとアジアン・フュージョン料理、ワインセラーが入っています。ヤシの木よりも高い建物がNGのモルディブゆえ、このタバルのために、ヤシの木を接ぎ木したとか!?

そしてこの建物は遮るもののない地形のため、風の影響を受けないようにとフェラーリの車に使われているものと同じ金属のネットで覆われているそうです。

トビウオのオブジェが天井や壁を覆うファインダイニングの「アラグ」
トビウオのオブジェが天井や壁を覆うファインダイニングの「アラグ」

シグネチャーダイニングの「アラグ」は、桟橋を渡ってアプローチをする水上レストラン。ミシュラン3ツ星シェフのアデリーヌ・グラタールが監修したモダン・ヨーロッパメニューは、フーディーの間でウワサになるおいしさ。天井を365匹のトビウオのオブジェが埋め尽くす空間では、ピアノの生演奏が静かに流れる一方で、オープンキッチンから活気も伝わってきます。

タワーの「タバル」から眺めた水上コテージ群
タワーの「タバル」から眺めた水上コテージ群

ファシリティもモルディブ屈指の先進ぶり。水上に築かれたスパは、コスメブランド「クラランス」がこのリゾートのために設計したトリートメントを用意。併設の「クラウド9」という繭のようなマシーンは、中に横たわるとライトの色が移ろい、身体が揺すられるうちにリラックスの域に。また、ホセ・マリア・オラサバルがデザインしたゴルフコースや、レッスンが受けられるゴルフ・アカデミーも。キッズクラブもまるで幼稚園のように本格的な遊具がそろっています。

クラランスがプロデュースするスパに併設されたリラクゼーションマシーン「クラウド9」  
クラランスがプロデュースするスパに併設されたリラクゼーションマシーン「クラウド9」  

そういえば、同じくモルディブのバア環礁のリゾート「ソネバフシ」も、イギリス人の旦那様から奥様へのプレゼントが創立時の由来となっている島。お金持ちの男性は、愛する女性に贈りたくなる傾向があるのでしょうか? 島を。

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この記事の執筆者
ダイビング雑誌の編集者を経てフリーに。海外旅行専門誌でもビーチを担当。月に1~2回、海外を中心に国内外のビーチリゾートへ通うこと、かれこれ四半世紀以上になる。女性誌の旅記事、ライフスタイル誌の連載、ウェブの連載ほか、共著に『奇跡のリゾート 星のや竹富島』など。世界のビーチガイド「World Beach Guide(http://www.world-beach-guide.com ) 」主催 好きなもの:海でボーッとすること、ボディボード、ダイビング、ビーチパーティー、Jazztronik、H ZETTRIO、渋谷Room
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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WRITING :
古関千恵子
EDIT :
安念美和子